開催報告: デジタル/クラウド人材育成分科会 カジュアルランチセッション(2022/3/24)
こんにちは、デジタル・クラウド人材育成分科会 運営リーダーの小泉鉄之祐です。
2022年3月24日に開催されたデジタル・クラウド人材育成分科会 カジュアル ランチセッション の開催レポートをお届けします。
エンジニア、営業、人材育成と全く異なるバックグランドを持つ3名の有志より、Jagu’e’r というコミュニティから得られたことや感じたことを Lightning Talk 形式で発表いただきました。
過去の Meetup 開催レポートは当分科会のページにリンクがございますのでご覧ください。
セッション① エンジニアが教育について考えた
大日本印刷株式会社(以下、DNP)の宮本 大輔さんに発表いただきました。
DNP でクラウド活用を推進されている中で「教育の重要性」を感じられ、現場実践を踏まえた教育について共有いただきました。
(出典:宮本さん講演資料 p.3)
まず、クラウドの教育を推進する人が持つべきマインドセットについて共有されました。
クラウドは常に update されるため学び続けること。少数精鋭では追いつかないため、一部の有識者に任せるのではなく、チームとして学ぶ姿勢が大切。
お互いの成長を助け合うために心理的安全性の高い環境を作り、年齢や立場関係なく謙虚な気持ちを持って尊敬しましょう、というお話しがありました。
(出典:宮本さん講演資料 p.4)
続いて、教育にもフェーズがあり、画一的な育成ではなく「個人や組織のフェーズに合わせて適切な教育方法を模索していきましょう」というメッセージがあり、具体的な提案もありました。
特に印象的だったのが Unlearning。オンプレミスなど他の畑に長く暮らしていた人が、クラウド畑に移籍する場合です。
重要なのは新しいことを始めると一時的にパフォーマンスが低下するが、それを受け入れるということ。ここの不安を乗り越えてクラウドのスキルを身につけることで、オンプレミスの知見も活かすことができます。また同じオンプレミス畑の同僚にも刺激を与え、組織全体の進化にも繋がります。
該当する人のグループを「クラウドマイグレーション」と名付けられたのも、示唆に富むと感じました。
「教育」という抽象的な概念を、目先の利益ではなく本質に踏み込んだメッセージであり、まさに日本全体に波及させたい考え方だと思います。素晴らしい発表でした。
セッション② 営業に Google Cloud の資格は必要?
アイレット株式会社の又吉 佑樹さんに発表いただきました。
Google Cloud有資格者育成イニシアチブ – 第4回Meet Up に参加したことで刺激を受け、Jagu’e’r の Slack で Google Cloud 認定資格の取得を宣言。
その後 2週間あまりで Professional Cloud Architect、Professional Data Engineer に合格。
運営の私も圧倒してしまうほどの有言実行力でしたが、学習モチベーションやプロセス、資格をとって変わったことについてお話しいただきました。
(出典:又吉さん講演資料 p.4)
Google Cloud 認定資格を目指すきっかけ
アイレットの営業部隊に所属されている又吉さん。
クライアントへの提案活動をする中で技術的な知識不足を痛感。「詳細は技術チームに確認します」と言うしかないなど、もどかしさを感じていました。
もっと自分でサービスの魅力を伝えられるようにならなければ・・・。また、技術スキルを身につけることで自身の市場価値を高めたいという気持ちもありました。
会社から資格手当一時金のサポートもあり、Google Cloud 認定資格の取得を目指して学習をスタートしました。
学習方法
(出典:又吉さん講演資料 p.8)
まずは冒頭で紹介した通り Jagu’e’r 会員が参加する Slack チャネルで資格取得を宣言!
周りに共有することで自分自身にプレッシャーを与え、それを上手くモチベーションにしました。
この方法は2週間あまりという短期間での資格取得にとても効果があったそうです。
独力では学習をサボったり先延ばしにしてしまいがちですが、周囲の期待を感じることで集中して学習に取り組めました。
実際の学習ではひたすら問題を解いていきました。
最初から公式リファレンスや参考書は読まず、問題を解き、答え合わせの段階でこれらに目を通すことで、効率的に資格合格のための知識を獲得しました。
また、学習時にはアウトプットを意識して取り組まれました。
人に教えるつもりで学習することで、掘り下げて理解しようとする姿勢が身につき、
実感として知識の定着度があがったとのことです。
資格を取って変わったこと
(出典:又吉さん講演資料 p.13)
知識が増えたことで技術的な話も理解できるようになり、仕事が楽しくなり積極的に行動できるようになった等、さっそく資格取得の効果を実感。
さらに、資格取得をきっかけに Google Cloud 専任営業チームにも抜擢されたとのことで、ますます活躍の場が拡大。
資格勉強を継続することができた Jagu’e’r の存在も大きかったとのことです。
資格取得を単なる学習ではなく、常にアウトプットを意識し、ご自身のキャリアアップにも繋げられている又吉さん。
同じ時間をかけてもマインドによって大きく成果が異なります。これからクラウドスキルを学ばれる方にとっても非常に有益なご発表でした。
営業も Google Cloud の資格を取るメリットはある!
みんながリーダーになれる! コミュニティに参加することの価値
最後のLTは私(小泉)より、日頃大変お世話になっている Jagu’e’r への感謝の気持ちを込めて、コミュニティに参加することの価値についてお話しさせて頂きました。
コミュニティで得られるもの
(出典:小泉講演資料 p.6)
コミュニティとは「人のあつまり」です。では人のあつまりから何が得られるでしょうか。
私は「情報」「自己肯定感」「信頼」だと考えます。
情報は分かりやすいですね。色々な人が集まり相互に共有することで、多くの情報が得られます。
注目すべきは情報の多様性です。新しいアイデアは異なる知識の掛け合わせで創られるため、コミュニティに参画して多様な情報を得ることで、業務を改善したり、新しいビジネスを立ち上げたりするアイデアのヒントを得ることができます。
自己肯定感や信頼はコミュニティとの関わり(≒貢献度合い)が深くなると得られるものです。
イベント登壇や情報共有などのコミュニティ貢献を行っていると、メンバから感謝のフィードバックが返り自己肯定感を高めます。
これにより、「できる!」という自己効力感やさらに貢献したいというモチベーションが生まれ、より積極的にチャレンジできるようになり、成長スピードを加速することができます。
さらに貢献が増えると周囲との信頼関係が構築されます。「この人に任せたらきっと良い仕事をしてくれる」という期待感です。
周囲のサポートを得ながらチャレンジする機会が増えていきます。
また、コミュニティで目立ってくると、社内からも「何か外で感謝されているな」と評価につながることもあります。
このようにコミュニティ活動は単なる情報共有以上に、絶大なメリットを秘めているのです。
コミュニティとの関わり方
コミュニティとの関わり方は3段階に分けられます。
(出典:小泉講演資料 p.12)
Participant(インプットする人)
コミュニティイベントやチャットスペースに参加し、情報をインプットする
Speaker(アウトプットする人)
イベント登壇やチャット投稿など、コミュニティにアウトプットする。
質問やチャットへのリアクションなど些細な行動も大切なアウトプット活動です。
Organizer(場を作る人)
みんなが集まる場をセットする役割です。一般に運営と呼ばれます。
重要なのは全ての立場の人がコミュニティへの貢献者であるということです。
Speaker がいても Participant がいなければ成り立たないため、視聴してくれる人も重要な貢献者です。
相互貢献による価値向上スパイラル
(出典:小泉講演資料 p.15)
全てのメンバーが自発的に少しずつ相互貢献し、その価値をみんなでシェアするのが良いコミュニティの在り方だと考えます。
そして、1つ1つの貢献活動がコミュニティ価値を高め、それにより貢献するインセンティブが高まり、新たな貢献活動を生む。
この相互貢献による価値向上スパイラルにより、貢献すればするほど自分に跳ね返るメリットが複利的に増大していく。これがコミュニティ活動の醍醐味だと言えます。
みんながリーダーになれる!
(出典:小泉講演資料 p.17)
コミュニティは過去の実績や立場が関係なく、行動力の世界です。
一歩踏み出す少しの勇気が、人生を変えるくらいの大きな財産になるかもしれません。
アクションプランとして2つ提案します。
1つめは自分にとっての Baby Step。今の自分の関わり方から少しだけ背伸びして活動してみましょう。参加したイベントで質問してみる、Slack の投稿にリアクションをつけてみる等。
2つめは仲間を増やそう。同僚や周りにいる人を1人でもよいのでコミュニティに誘ってみましょう。
みなさんが明日のリーダーです!
おわりに
デジタル・クラウド人材育成分科会 カジュアルランチセッション!を振り返りました。
当分科会初のランチタイム開催でしたが、Slack で各々のランチを共有するなど、カジュアルな雰囲気でありながら、非常に有意義な情報共有の場となりました。
元々は私が単に宮本さん、又吉さんのお話しを聞いてみたいと思ったことがきっかけでしたが、それをコミュニティイベントとして Jagu’e’r 会員と共有したことで楽しい時間になりました。
また、プレゼンいただいたアイレットの又吉さんが当分科会の運営メンバーに参画いただくことになりました!大変嬉しく思うとともに、今後の活動に期待大です!
以上となります。引き続き、デジタル・クラウド人材育成分科会をよろしくお願い致します。
デジタル・クラウド人材育成分科会 運営リーダー
小泉 鉄之祐