開催報告:LACO #15「マルチクラウドエンジニアの作り方」

LACO #15「マルチクラウドエンジニアの作り方」をテーマにしたイベントを開催しました! これからGoogle Cloudを始めとした他クラウドを学んでみたい、という皆さま必見の内容です。ぜひご覧ください!

パネルディスカッション「三刀流エンジニアの作り方」

まずパネルディスカッションが始まります! テーマは「三刀流エンジニアの作り方」、どんな内容が聞けるのでしょうか!!

モデレーターはVMWare 鈴木さんです! これまで複数の大手外資系IT企業を渡り歩いてきたエバンジェリストです。

 

自己紹介の流れで、三刀流について語ってくださいましたが、戦略として複数のクラウドを持ち替えることが重要とのことでした。

続いて、本日のパネリストのご紹介です。Datadog 木村さんは、皆さんご存じ、マルチクラウドの新星ですね。3パブリッククラウドの全資格制覇はさすがです。

続いて、古林さんの登場です! 日本酒がとても好きな方です!

最後のパネルはスリーシェイクより横尾さんです! まだ25歳との前置きがありましたが、技術に年齢は関係ないですよね。どんな方でも歓迎です! Google のイベントながら、AWSのロゴが光りますが、使い分けが重要です。

それでは、本編に入りまして、パネルディスカッションをダイジェストでお届けします。

横尾さん:前職でAWS使いまくっていたが、転職したらGoogle Cloud案件が増えました。これからAzureやOracle Cloudも触っていきたい。資格はAWSからGoogle Cloudの順に取得した。再認定が辛い。

古林さん:ITの領域は長いが、クラウドの勉強を始めてから2年半しか経っていない。「早わかり集中講座」(下図)を見て、カッコいいと感じた。後追いで勉強を開始したので、複数のクラウドを学ぶことで既存のクラウドアーキテクトから差別化できると考えた。いま4刀流まで資格は一通り取得したが、5刀流を目指すことをためらっている。クラウドの土台は似通っているが、サービス別の癖が異なる。またサービス名もクラウド別に異なる。

鈴木さん:クラウドを雑に横並びで比較している記事を見ると、違うんだよ、と突っ込みたくなる。

古林さん:ネットワークや認証認可周りは混乱する。実際に試さないと分からない。

鈴木さん:ハンズオンが大事。

木村さん:私は前職の新人成果発表で、1つ上の先輩がProfessional資格取得を発表していたので、「では自分は全冠しよう」と思い立ったことがきっかけ。一つのクラウドが制覇できてしまったので、他のクラウドにも広げていった。(筆者注:ものすごい負けず嫌いですよねw)クラウド別の特性が分かるので、なぜこの業界ではこのクラウドが好まれるのか、などが分かるようになった。複数のクラウドをフェアに語れる立場になりたいと想い、現職へ転職した。Datadogのサービスを伝えるうえでも、クラウドを知っているから深く語れるところがある。

古林さん:もともとオンプレの案件をずっとやってきた。その長期案件が縮小するタイミングでクラウドの勉強を始めてみたら、想像以上に楽しかった。オンプレの手が届かないところを、クラウドならできる。

横尾さん:クラウドから入ったので、オンプレのデータセンター常駐は令和ロマン。人生で一回はオンプレと向き合ってみたいと感じる。

古林さん:データセンターは極寒かつ爆音だった。

木村さん:最初の配属先がデータセンターだった。大変なところが見えたが、経験できてよかった。寒くて静脈認証が通らず、独りでルームから出れなくなったときは泣きそうになった。データセンターの様子を見ていたからこそ、クラウドのありがたさが分かる。

横尾さん:一日だけ体験してみたい。笑

横尾さん:いま木村さんと一緒に登壇できたのも、クラウドを学んだことがきっかけ。マルチクラウドという特化した技術のおかげで、人の繋がりが増えた。

鈴木さん:同じネタを別のクラウドで発表したりする。自分の勉強にもなった。

古林さん:Jagu’e’r にはJagu’e’r の良さがあるし、JAWSにはJAWSの良さがある。それぞれのクラウドのアーキテクチャ図を読めるから、いろいろなコミュニティを見ることができる。

木村さん:技術的な観点から私見を話すと、これからの時代のクラウドアーキテクトには、マルチクラウドの知識が必須になると思う。単一のクラウドの知識だけあっても、エンタープライズのシステムは構築できない。それぞれのクラウドの特色を活かすためには、すべてのクラウドの知見をキャッチアップし続けることが必要になる。

鈴木さん:自分が過去にエンタープライズのコンサルティングをした際にも、複数のクラウドが組み合わされているケースが多かった。必須の知識だと思う。

木村さん:マルチクラウドを活用するには、ただ入れるだけではなく、それぞれを上手に組み合わせることが必要。クラウド別のちょっとした違いをしっかり押さえていないと、上手な組み合わせが実現できない。

木村さん:マネージドサービスは使う分だけ楽にはなるが、細かい管理まではできなくなる。「どこまでクラウドに任せるか」を決める意思決定が重要だが、その決断のためには幅広い知識が必要になる。

鈴木さん:クラウドスペシャリストを束ねるCloud CoEのような立場が必要になる。

鈴木さん:皆さんの夢を教えてください。笑

木村さん:マルチクラウドは自分のアイデンティティの一つ。自分のキャリアの土台であり、さらにプラスで何ができるかを考えていきたい。皆さんにとっても「自分なり」のマルチクラウドを探してみてほしい。

古林さん:マルチクラウドは生活の一部であり、生涯学習の一環。クラウドは日進月歩なので、勉強し続けるしかない。ライフワークとなっている。今日は、クラウドネイティブな世代に囲まれて登壇する経験は新鮮だった。

横尾さん:マルチクラウドを使ってキャリアを広げていきたい。ツールを提供する立場になれば、それぞれのクラウドと関わり続けることができる。自分の好きなクラウドを勉強することを通じて、エンジニアの繋がりを増やしていきたい。

以上、皆さま、ありがとうございましたー! ダイジェストでお届けしましたが、奥が深いトークとなりましたね。ぜひ次回は現地で生ディスカッションを聞きにきてください!

登壇者:

  • モデレーター:
    • 鈴木章太郎さん(VMware株式会社)
  • パネリスト:
    • 古林信吾さん(CTCシステムマネジメント)
    • 木村健人さん(Datadog Japan)
    • 横尾杏之介さん(3-shake.inc)

(秋元良太 / アクセンチュア株式会社)

LT1:古林信吾さん(CTCシステムマネジメント)「楽しく学ぼうマルチクラウド」

LTトップバッターはCTC古林さんです。
めちゃくちゃ資格多い&まさにマルチクラウドってところです。
古林さん的なクラウドの好感度ランキング

古林さん的にはGoogle Cloudをやりたくて仕方がない。がしかし。。。

現実はなかなかに世知辛いもんですな。
とりあえず、業務ではAWSとAzureがメインということで、本日の主題。
一つのクラウドを頑張って理解すると、他のクラウドの学習は難しくないとのこと。
全ての道はローマに通ずみたいなもんでしょうか?

やはり、勉強ってわかるようになるとそれなりに楽しい!っていうことで楽しくマルチクラウドの学習をしていきましょう!とのこと。
そして、楽しくマルチクラウドを学び、複数クラウドの資格を取りまくってる古林さんから、学習リソースのご紹介

まずは定番Skill Boost 実戦でいきなり触る機会が無い人でもこちらで触って実戦感覚を養える。

Oracleから提供されているトレーニングプログラムです。University(=大学)という表現の通り、OCIはもちろんのこと、Oracle DatabaseやJava、MySQLなどさまざまなサービスの講座が動画で提供されています。1つのサービスだけでも内容を細分化した講座が数多くあり、中には資格試験に特化した動画講座も存在するため、しっかりと知識を付けたい方にはおすすめのコンテンツです。これは私も知らなかったのでとても参考になりました。
時間を見つけていじってみたいと思います。

AWSのSkill Builder。ハンズオンを数多く取り揃えていて、とにかく公式であることが嬉しいやつですね。

最後はMicrosoft Learnです。
Azureをそんなに触ったことない人は、まずはAZ-900という入門資格から入ってみるのも一つの方法かと古林さんからのアドバイス。
それぞれ業務特性が違えども、いろんなクラウド触って、楽しくマルチクラウドライフを満喫しましょう!とのことでした。

( 檜垣慶太 / アイレット株式会社)

LT2:檜垣慶太さん(アイレット株式会社)「マルチクラウドで考えさせられるコストとの戦い」

二人目は檜垣慶太さんです。
檜垣さんは、クラウドプラットフォームに依存することなく、アーキテクチャの提案からコストの最適化までをお客様に提供する専門チームに所属しているそうです。
そのような業務の中で、マルチクラウドで考えさせられている課題についてお話をしてくれました。

クラウドを利用している時に、DBの性能を上げるためにはどうすればいいか?という課題があった場合、従来型のアプローチであればDBのスペックを上げる、リードレプリカを作るとか、あるいはシャーディングと呼ばれる水平分割のアプローチをとるなどが考えられますね。
しかし、実際にシャーディングをやろうとすると、データの整合性や一貫性をアプリ側で吸収するとか、メンテナンスのための各部署との調整がとても大変ということがあります。

そもそももクラウドのメリットってこういった拡張性や運用面の柔軟性を求めて使おうとしていたのに・・・

この辺りを解決できないか?ということで、NoSQLを採用しようというアプローチも出てくるのですが、結局データの整合性の課題だったり、SQLが使えないという問題も依然として残っています。

さらに進んで現在では、データの一貫性を保ちながら、水平分割もできるという特徴をもった Spanner を初めとした New SQL が登場してきています。

一方コストを考えてみると、AWS Aurora のラージサイズと Spanner の最小構成を比較してみて、約3倍ほどの差があります。
ただし、単純に掛かるコストだけでは無く、運用負荷まで考えたときは、一概に安ければ良いという結論にはならず、開発コストや運用コストまで勘案して「コスト」を考えるべきだと檜垣さんは言います。

そういった中で、マルチクラウドでの管理運用を考えていくと、檜垣さんは次のような要素があると考えているそうです。

  1. どちらかのクラウドに寄せたような仕組みではない統合管理
  2. 横断的な可視化・分析ができること
  3. 開発・運用を横断したガバナンス

例えば、セキュリティについて見てみると、どうしてもそれぞれのクラウドのサービスを見に行かなければならないという手間があり、この辺りを統合できないかと感じているそうです。

同様に、コストについても実際は、AWS と Google Cloud でそれぞれのサービスを見る必要が出てきて、管理がしにくく、統合的に管理するようなソリューションが求められていると考えているそうです。

ということで、檜垣さんの発表のまとめです。

確かに、マルチクラウドになればそれらを統合的に可視化したいという要求はありますよね。運用監視ではその辺りのソリューションが各社出てきていますから、コストについても同じような流れになっていくのでしょうね。
発表ありがとうございました。

(関口 貴生 / 株式会社エヌデーデー)

LT3:青柳雅之さん(アクセンチュア)「膨大な3クラウドの知識を理解するための仮説思考型学習と習慣」

LT最後はアクセンチュアの青柳さんです。
長く色々な案件をやられているからこその見解がとても深いです。
あらゆるクラウドの案件でソリューションを考えなければいけないということで、最新の知識をどうやって学習されているかお話いただきました。

いきなり学習の持続可能性についてです。
サステナブルな学習という観点は今まで持っていなかったので目から鱗でした。

「人生は修行するために生きているわけではなく、なるべく楽して生きたい」というのは、その通りですね。
「学習しなければいけないことは頭におきつつ、可能な時間で、可能な範囲でやればいい」至言いただきました。

(若い人はともかく)社会人では受験のような学習は無理というのはよくわかります。
色んな突発なことがあって、仕事は自分でコントロールできない場合が多く、時間も確保できないので諦めたということですが、諦めた上でどう学習するかを考えられるのがスゴイです。

「机の上で学習してはいけない、時間も決めてはいけない、隙間時間に学習する」そんな学習方法もあるんですね!

体系を理解するためにマインドマップを作る場合でも、実に持続可能な方法を取られています。

  • 知っているところはやらなくていい
  • 気になるとこだけノードを作る
  • 中途半端でもいい
  • 理解したら途中でも終わらせる
  • 仕事で使わないとわかったら止める

「明日の仕事のために知識を固める」というのは実に理にかなっています。
普段からインデックスレベルで知識をため込んでいるからこそできることですね。

  • 挫折しないで眺めているだけでも、いいインデックスになる
  • 無理に理解しようとしない
  • 仕事に使わない知識は無駄になる
  • ノルマ不要
  • 長期間中断はせずに、見ているという状態は作る

無理をせず、習慣化し、持続可能な学習をするというのは、膨大な知識が必要なマルチクラウドを続けるのに対するベストプラクティスの1つと感じました。
非常にためになるお話ありがとうございました。

(古林 信吾 / CTCシステムマネジメント株式会社)

クロージング

皆さま、いかがでしたか。今後も人材育成分科会では皆さんのキャリアを応援するイベントを開催していきます。今後も、折を見てぜひご参加いただけますと幸いです!

(秋元 良太 / アクセンチュア株式会社)