第12回 小売業界分科会 Meet Up (データ利活用分科会コラボ企画) 開催レポート

第12回 小売業界分科会 Meet Up 開催レポート

 By 柴田&千田

2023年9月22日(金曜日)16時より 第12回 小売分科会・データ利活用分科会コラボ企画 Meet Up を開催しました。 

アジェンダ

LT#1 「君たちは、ECで商品をどう選ぶのか?」フューチャー様

LT#2 「GCP と ID-SPO と LLM」dinii 大友さん

LT#3 Google Cloud Next ‘23 GenAI アップデート Google Cloud 深堀さん

ディスカッション - 小売 x データ でどのような GenAI の利用が考えられるか?

 

会場の様子

司会進行は、ベイシアの太田さん!(パチ!パチ!)

Meet up#12 のお申し込みは、87   名!うち、オンサイト(会場)28名と過去最大の規模で開催しました!

retail subcommittee meetup #12

LT1のトップバッターは、フューチャー様

「君たちは、ECで商品をどう選ぶのか?」

   ※ 本セッションは某映画のタイトルと酷似していますが、一切関係ございません…!

今回は、小売のお客様のリコメンドの取り組みに対して、Google Cloud をフル活用された事例を紹介をいただきました。

まず、レコメンドエンジンを開発するための事前準備です。推論データは約200万レコードに対して、学習データはその100倍のレコードを使用。週次でトレーニングをしモデルのアップデートをしていきました。

開発を行う中で、このシステムの課題と対応についても教えていただきました。 

・業務としてレコメンドしたい商品と差があるため、意志入れが必要

・膨大なデータ量のため、検証に時間と費用がかかるという点

多くの企業様も同様の課題をお持ちではないでしょうか?

 

結果は?

CVR(サイトに訪れたお客様の購入率)を見ると、パーソナルレコメンドについては安定した購入率を維持することができました。パッケージ製品は元々販売数の多いランキング製品の影響を受けてしまっている印象を受けたそうです。

より良質なレコメンドのためにできることについては、推論処理が 1 日 1 回なのをリアルタイムに近づけたり、位置情報や天候や季節性などを加味して予測をすることや、また店舗でのお客様の行動履歴の活動を学習データに活用することなど、様々な工夫ができるのではないかと思いました。

さて、皆さんはどのようにリコメンドに取り組みますか?

 

LT2 次は、株式会社 dinii CTO 大友さん!

タイトルは「GCP と ID-POS と LLM」

LT2

dinii は、大友さんが学生時代に立ち上げた会社とのことです。

“飲食店の All in One Platform”

ダイニーを導入するだけで、飲食店さんのオペレーションがすべて回るとのこと。

 

「ダイニーとGoogleクラウドの関係性は?」

現在、10個くらいのプロダクトが作られており、すべて Google Cloud を使ってCRM の仕組みが構築されています。Google Cloud のヘビーユーザーなのですね。

 

ID-POSは、POS データに”どんな人が”という情報が追加されたものです。飲食店では個人情報は取れないことが多いらしいのですが、ダイニーだとそれが取れ、CRM も構築できるのですごいと思いました。

また、ダイニーは”顧客を中心とした”データの分析をする、データドリブンでマーケティングをされているそうです。飲食店の固有としては、複数人で参加することが多いため、そこまでデータとして分析してマーケティングを打つことができる、と。

       .       

データを分析するにも、いろいろと課題があるそうです。

1)名前は揺れるし、商品名に金額が入っていることもあるのは、よくあるあるですね。

2)インサイト抽出をどうするのか?というのも非常に難しい。単に分析して結果こうでしたでは、意味がない。

ギャップを埋めるLLMをうまく活用できないか?

       .         

表記ゆれに対して、推定カテゴリをこの精度で作ってくれることはすごいですね。

クラスタ(分析結果)を飲食店さんに見せても何もアクションに繋がらない。これをLLMに投げると、具体的な分かりやすいダッシュボードを作ってくれるとのことです。

 

実際の例として、いろいろとデータを横串で分析することは難しいが、要所要所でLLMを活用することで、飲食店さんの具体的なアクションを分かりやすく説明することができるのは、とても参考になりましたし、勉強になりました。

LT3 最後は、Google 深堀さん!

Google Cloud Next’23 でのアップデート

アナウンスは 160 もあるらしい(すごい)

本日は、生成 AI 関連と Analytics 関連でのアップデートを中心にご紹介します。

 

<生成 AI 関連>

Colab Enterprise という、エンタープライズ向けの機能がリリースされているようです。これまでのVertex AIも3rd party を含め多くのプラグインが追加される予定です。 

 

Enterprise Search は、Vertex AI Search に名前が変わったとのこと。まだ、日本語対応はまだです。また、GenApp builder 改め Vertex Ai Conversation は、お客様とのチャットのやり取りが可能なインターフェイスを簡単に作れる機能(日本語は対応予定)。

 

Grounding for PaLM APIや生成 AI を作成すると、ハルシネーション問題(事実ではない回答)を補正したりする機能もリリースされているようです。Model Evaluation (モデル評価)という機能もモデルの向上に良さそうです。

 

<Analytics 関連>

Duet AI on BigQuery

日本語で、こういった分析をしたい、と問いかけると、分析のクエリを自動生成してくれるモノがあるのですね。逆に、既存のクエリを、どんな目的の分析なの?と教えてくれるのも、ノウハウが(ソースコードが)継承されてよいと思いました。

 

Duet AI on Looker
Looker 上で自然言語で分析が可能に!また、レポートの自動作成まで。充実した機能です。

 

BigQuery Data Clean Room

組織を横断した、仮想的なデータの統合ができ、セキュリティを確保しながら、投下的なアクセスができるものがあるのですね。すごい。

 

ディスカッションタイム!

前回の Meet Upp #11 に引き続き、データ利活用分科会の皆様のアイディアもいただきながら、小売における 生成AIのユースケースについてディスカッションを行いました。

こちらでまとめた内容については、11 月 15 日 14 時、Google Cloud Next Tokyo ‘23 にて、Jagu’e’r 小売分科会として登壇の際にご紹介をします!お楽しみに!

登録はこちらから… 

 

懇親会は、いつも通り大盛りあがり!

 

次回は Meet up#13 は、12月15日(金) 16:00 より

大忘年会を開催します! 是非、お気軽にご参加ください!

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