開催報告: 社内人材育成コミュニティ連携イニシアチブ(JACO) 第9回Meet Up(2022/9/8)
こんにちは、デジタル・クラウド人材育成分科会運営チームです。2022年9月8日に開催された社内人材育成コミュニティ連携イニシアチブ(JACO)の第9回 Meetup の開催レポートをお届けします。
今回の Meetup 実施後アンケートにて、アンケートに回答した全員が満足度最高と評価しました。そのような熱量の高いイベントの内容を受けて、Meetup 振り返り会を初めて開催し、Google Docs の同時編集機能によりこのブログを執筆しています。
執筆者紹介(敬称略)
- 秋元 良太(アクセンチュア)
- 村田 靖拓(フューチャー)
- 青柳 雅之(アクセンチュア)
- 鳥山 智史(NECソリューションイノベーター)
- 又吉 佑樹(G-Gen)
当日のイベントでは、まず運営メンバーの秋元から Jagu’e’r やデジタル・クラウド人材育成分科会の取り組み内容についてご紹介しました。その後、パネルディスカッションに向けて、パネラーの紹介を行いました。
パネラー・モデレーター紹介
まずは、Google Cloud 坂井さん(シュン)より自己紹介いただきました。
シュンさんは、前職で IoTビジネス共創ラボというコミュニティの立ち上げを経験されました。IoTビジネス共創ラボとは、IoTがバズワードとなったことから、前職で大きなコミュニティへ成長し、現在も拡大を続けています。自己紹介に記載されている、「旅人から倒産」の話を聞けなかったことが唯一の心残りです。今後、北海道で会うときにこっそり教えてもらうことにします。
続いて、アクセンチュア 青柳さんです。アクセンチュア社内でカスケード式トレーニングを運営しており、金融サービス本部に所属しています。またグーグルアライアンスを担当しています。
最後のパネラーはGoogle Cloud 黒須さん(Crossy)です。黒須さんは、Jagu’e’rでは「くろっしー」さんとして、Jagu’e’r会員から親しまれていますが、実は過去に4つのコミュニティを立ち上げ、失敗と成功を経験したそうです。これまでの体験から、失敗と成功の共通項や差分について、黒須さんなりに掴めてきたそうです。
モデレーターはデジタル・クラウド人材育成分科会運営の秋元&村田で務めます。村田さんにも自己紹介いただきました。「やっさん」として親しまれている村田さんは、データ利活用分科会や人材育成分科会の運営で大活躍いただいています。
パネルディスカッション「社内でインフォーマルなコミュニティを作るときに苦労したこと」
Q1. 皆さんが思う「コミュニティ活動」とは?
事前のすり合わせが詳細にできておらず、自分がこのアジェンダを当てられると思っていなかったシュンさん大慌て。w 「仕事でサプライズはなくせ」とシュンさんから習いましたが、早速サプライズしてしまいました。そんなトラブルも許されるのが、コミュニティの良いところですね。それぞれのパネラーからは、以下のような回答が寄せられました!
今パッと思いついたのは、「同じ志を持ったヒトの集まり」かなと。(坂井)
僕にとっては居場所探しみたいなところですかね。自分にとって居心地がよくなることが分かってるので、各所でコミュニティを作ってますね。(黒須)
損得無しで自分の思うことをやれる場所。仕事で疲れていても元気にできるのがコミュニティ活動。社内・社外垣根なく、同じ活動に向かって集まってくる。(青柳)
Q2. コミュニティ活動を始めたキッカケは?
自分の仕事以外でやらねばならぬことを実現するためのプラットフォームとしてコミュニティを捉えている。IoT共創ラボなどにも関わっていたが、明確な課題を感じたため立ち上げに至った。(坂井)
ここで、「課題と言えば、青柳さんですよね!」という秋元さんのキラーパス(?)が炸裂しました笑
コミュニティを始めたきっかけは、5年前にAWSからアクセンチュアに来た当時、いまと比較して社内のクラウド人材が多くなかった。組織の方針で人材育成とアセットづくりが自分の仕事のメインとなってしまったことがきっかけ。
外部登壇の機会もなかった。外とのつながりはブログしかなかった。せっかくブログに書くのだから普通とは違う育成をしようと思った。「デリバリーが忙しく、管理職が学習時間を確保できない」「技術ドキュメントを読まない」など社員側の制約も多かった。育成をやる中での工夫は、「育成は自習で口頭試問にしよう! そうすることで1週間に30分X2の短いトレーニングになるし、メンバーもドキュメントを読むようになる」「講師も固定化させないようにしよう! そうすることで生徒が講師になる仕組みが出来て個々の負担も減る」ということ。コミュニティ活動は自分のためです。しかし、相手にメリットがないと受け入れられないので結果的に周りのためになっていると思います。(青柳)
人の輪を作りだすことは、いずれ自分のためになる。
また、自分の居場所作りとしてコミュニティを立ち上げている。
他人にギブしていくといずれ返ってくると信じている。転職して会社に入ったら、やっぱり光らなきゃいけない。そうなると、会社の中、世界の中でやってないことを始めるのがいい。Google Cloudが好きな人は、楽しい人が多いので、Jagu’e’r を立ち上げるに至った。(黒須)
すでにコミュニティを4つ経験してきているが、コミュニティ毎に動機は変わる?(秋元)
動機がないものは「失敗するな」と感じる。テーマ設定も大事。(黒須)
仕事じゃ無理だけどコミュニティならいけると感じたポイントはどこか?(村田)
以前所属していた別のクラウドのコミュニティというお手本があったのと、仲間が集まることが分かっていたから。コミュニティの土俵をニッチしていくのも大事。うまくいかなかったコミュニティもあるが、ありきたりなテーマ設定のコミュニティだったことが起因しているだろう。
コミュニティがうまくいくことを確信しているかのような印象を持ったが、きっかけとなる経験があったのか?(村田)
他者のことを意識すると輪が広がっていく、という経験を若い頃から積んできていることが繋がってきている。(黒須)
自己紹介パートで、すでに大きな盛り上がりを迎えていますが、ここでイベント参加者の皆さんからのアンケート結果を紹介しました! 参加者の関心が高いテーマから、引き続き聞いていきます。
Q3. コミュニティ活動におけるメンバーの巻き込み方を教えて!
始めはCrossyさんとAtomさんが Google 社内で踊りだしたみたいですね。動画とは違って、裸では無かったみたいですが。笑(秋元)
Jagu’e’r はまさにこれ(動画のコミュニティの出来方)だったなって思う。「超えたな」って思う瞬間が来る。
アンバサダーが立ち上げ時にすでにいる(酒井真弓さん)という状態ができあがっていたので、成功する予感しかしなかった。(坂井)
シュンさんも Jagu’e’r の方向性に共感し、Crossyさんのサポートがしたい思いから一緒に踊りだしたとのこと。笑(秋元)
その後、デジクラ分科会の運営メンバーが一緒に踊りだし、そこから一気に参加者が増えてきました。(秋元)
踊り始めは寂しいが、固定ファン(Shunさんのような方)がいるなかで踊ることができていたし、そのおかげで踊り続けることができた。Jagu’e’r は思っていた5倍程度のスピードで成長している。正直5年くらいは踊り続ける必要があるかなと思っていた。皆さんもコミュニティ活動を始める時、ひとりで寂しくても踊り続けると良い方向に繋がるはず。(黒須)
コミュニティを5年程度薄く続けることの意義を感じていた?(秋元)
他社のエンプラコミュニティは、5年程度かけて200社規模に広がっていったので、そのくらいは覚悟していた。今はお願いだからやめてくれと言われるまでやろうと思う。(黒須)
一方で、私(青柳)はもともと人材育成を長くやるつもりはなかった。同じ部署とか同じプロジェクトで身近な人を育てればいいと思っていた。口頭試問を2か月やると勉強する人、しない人がわかる。継続的にボランティアで講師をしてくれる人が出てくる。多くはカスケードの生徒だが、結果的にそういう人たちをグーグルアライアンスやJagu’e’rにも関わっている。(青柳)
多くの人は忙しくてカスケードの自習ができない。しかし、2か月の間、ちゃんと自習をしたり、そのあと講師をしたり、忙しいのにそういうことができる人をコミュニティに引き入れたい。デジタル・クラウド人材育成分科会のリーダーの秋元さんも、そのうちの一人だった。(青柳)
ここでSlackからの質問を拾っていきました。
コミュニティ立ち上げ時に、撤退戦略ってどのように考えていますか?
あんまり考えてないですね。コミュニティは広げていくものですし、初めから辞め時を考えたりはしないです。(黒須)
細く長く続けるときの活動のポイントって?
Jagu’e’r でも実際に停滞気味な分科会は存在している。コミュニティリーダーとして、それぞれの分科会リーダーと会話して蘇生活動を行ったりもしている。(黒須)
コミュニティは継続しなくてもよい。例えばカスケードだと、生徒数が減ってくれば組織の技術力が上がったと言うこと。自分はブログを書くのが好き。ネタが欲しい。トライをすればネタがある。だからコミュニティが細くなってきてからの蘇生活動も好き。自分のことではないが、そういう人をコミュニティのリーダーにしたほうがいいかもしれない。(青柳)
Q4. コミュニティ活動と業務を両立するコツとは?
維持活動をできる人を選ぶ。人を探すこと。同じ仕事をできる人をどう探すか。いろいろな仕事をしたり勉強会でカスケードに誘って、人を見る。私が講師やってない時も結構あったが、別の人が講師をやっていた。いまは何チームかあるが、自分が教えた生徒だけで講師を行って、トレーニングが動いている。やはり人探しがコツ。たまにアピールしてくる人がいる。発信も重要。発信をすると、グーグルの仕事をやりたい、カスケードをやりたい、という人が出てくる。
(青柳)
Q5. コミュニティ活動における(成果の)発信で気をつけていることはありますか?
発信する機会をとらえて若手を入れる。一緒にLTをする、分科会を紹介する、そこに力を入れている。やはり人。発表できる人を作る。(青柳)
最初に「ここで発表する」を決めちゃう。そこから逆算して活動していく。1回発表すると、次回の発表の枠に入りたい人が出てくる。そのほうが動きやすい。(坂井)
Giveの精神が大事。「それ私がやった感」をできるだけ消して、光らせたい人が光るように見せることを意識している。その人が今後コミュニティでスムーズに活動できることを意識して、その人の上司や周りの人に届くような発信を心がけている。(黒須)
これ(本イベントのモデレータ)も登壇だが、自分は初回の機会をいただいた。それが次の人に続くといいのかなと思った。(村田)
Q6. 上司の調整やアンチへの対応の仕方に困っています…
登壇したあとに視聴者や考えが異なる人からの批評は?
ディスりコメを探すようになる。結果的に自分を高めることになるので、批判的なコメントも一周するとありがたいと思う。こういう場でネタとして消化し、話すこともできるし。ディスられたこともかけがえのない経験。皆が不安。メンタルは誰も強くない。(黒須)
最後にCrossyさんのありがたいお言葉…ありがたいなぁ…
こちらで開催レポートは以上となります。
引き続きデジタル・クラウド人材育成分科会を宜しくお願いいたします。
最後に、おなじみのJagu’e’r ポーズでの記念写真!(ガオーー!)