開催報告: Google Cloud有資格者育成イニシアチブ – 第3回Meet Up【GCP資格取得体験談 episode 3】

こんにちは、NTTデータの小泉鉄之祐です。

2021年8月25日に開催されたデジタル・クラウド人材育成分科会 Google Cloud 有資格者育成イニシアチブ Meetup #3 の開催レポートをお届けします。

資格合格者による Lightning Talk がメインであった過去2回と異なり、今回は初級編、中・上級編と2つに分かれて内容の濃いセッションをお送りしました。

過去のMeetup開催レポートは以下をご覧ください。

開催報告: Google Cloud有資格者育成イニシアチブ – 第1回Meet Up【GCP資格取得体験談LT大会#1】

開催報告: Google Cloud有資格者育成イニシアチブ – 第2回Meet Up【GCP資格取得体験談LT大会#2】

 

当イニシアチブの概要

ファシリテータはアクセンチュア 秋元さんが務められ、冒頭に当イニシアチブの説明がありました。

デジタル・クラウド人材育成分科会には3つのイニシアチブがあり、その中でも Google Cloud 有資格者育成イニシアチブは学習者目線で認定資格の合格体験談や、取得のための TIPS 等の共有にフォーカスしています。

2ヶ月に一度の Meetup 開催のほか、Slack でもノウハウ共有などのコミュニケーションを行っています。

Jagu’e’r 会員の方であればこちらから参加頂けます。ご気軽にどうぞ!

なお、まだ Jagu’e’r 会員でない場合はこちらから可能です。(Google Cloud を利用する法人、もしく法人に属するコミュニティであれば参加可能です。)

デジタル・クラウド人材育成分科会のイニシアチブ

(出典: Meetup 講演資料 p.9)

セッション① [初級編] レガシーの塊と言われた私がクラウドを狂うほど学んでみた話

NTTデータの溝渕 隆さんより発表いただきました。

Cloud Hero について

Cloud Hero は Google Cloud が一般向けに開催しているハンズオンイベントを NTTデータグループ向けにアレンジしたラーニングコンテストです。

Google Cloud がパートナー企業向けに提供する PCK(Partner Certification Kickstart)プログラムを活用し、コンテスト期間内におけるスキルバッジと認定資格の獲得数を競います。

コンテストは2021年4月11日から2021年7月11日まで開催され、253名が参加し、全体で646のスキルバッジ獲得、55の資格取得が達成されました。

溝渕さんは82のスキルバッジと2つのプロフェッショナル資格(PCAとPDE)に合格され、見事 Cloud Hero の優勝に輝きました。

Cloud Hero優勝 溝渕さん

(出典: Meetup 講演資料 p.17)

レガシーの塊と言われて

溝渕さんはメインフレームを中心とした金融分野のレガシー開発に長く関わられてきました。

オープン COBOL 変換や Java によるリライト/リビルドにも対応するものの、Java もレガシーと言われる現在であり、レガシーの塊と呼ばれていました。

そんな溝渕さんが Cloud Hero に参加したのは部下の開発メンバーとのやり取りがきっかけ。

金融分野でも SoE 領域はクラウドを使う機会も多くなってきましたが、開発メンバーが提示するスケジュールが「そんなに短くていいの?」と不安になり、この不安を解消するためにクラウドを学ばなければ。意を決して Cloud Hero に参加されました。

溝渕さんCloud Hero参加きっかけ

(出典: 溝渕さん講演資料 p.9)

Cloud Hero の優勝と反響

コンテストでは座学とハンズオンを組み合わせて勉強。社内の勉強会動画(録画でいつでも見られる!)で情報をインプットし、興味の湧いた分野を Qwiklabs で触ってみる。

生活の中で Qwiklabs を開くことを習慣にし、ゲーム感覚で取り組むことでひたすらスキルバッジを積み上げました。

BigQuery などの気になったサービスもブラウザさえあれば すぐに動かせることは、自力で学ぶことが難しかったメインフレームと比較して「すごい時代になった」と感銘を受けました。また、クラウドのドキュメントによる体系立てられた説明は、レガシー開発で得られた知識の整理にも役立てられると感じられたそうです。

コンテスト優勝の反響は大きく、「レガシーな塊のイメージがある溝渕さんがクラウドイベントで優勝しているのを見て、熱い思いが蘇ってきてクラウド学習のモチベーションが上がりました。」など、周りにもクラウド学習の熱意が波及している様子。

Cloud Hero 溝渕さん 若手の反響

(出典: 溝渕さん講演資料 p.11)

セッション① まとめ

普段の業務ではレガシーばかりでも、クラウド学習の門戸はいつでも誰にでも開かれている。そんなメッセージをご自身の体験と共に語っていただきました。

また、溝渕さんは自分の頑張りによって部下のモチベーションにつなげたいとの思いも持たれていました。実際に同じ担当の部下が準優勝されており「狙い通り」とのこと。素敵な関係性ですね。

セッション② [中・上級編]
Google Cloud Professional 資格をコンプリートした話

NECソリューションイノベータの烏山さんよりご発表いただきました。

Google Cloud の Professional 資格を全て取得された烏山さんより、各資格のポイントや学習方法についてお話しがありました。

全資格を扱うことからとてもボリューミーな発表でしたが、資格ごとのポイントをピックアップしてお伝えします。

発表資料は Slack にアップロードされていますので、会員の方はぜひそちらもご覧ください。

Cloud Digital Leader

2021年6月にリリースされた待望の基礎レベル認定。一般的なクラウドの知識とユースケースに適した Google Cloud のサービスを選べるか。

発表時点では英語のみだが、日本語版も準備されているとか・・・

Associate Cloud Engineer

唯一のアソシエイトレベル。コマンドの出題があり、普段手を動かしてない方には難しい。

日頃から gcloud を触ろう!

Professional Cloud Architect

Google Cloud 認定のスタンダードな資格で、プロフェッショナル認定の入門という感じ。

2021年9月1日以降に試験内容がアップデートされるという噂なのでガイドを要チェック。

Professional Data Engineer

PCA の次にスタンダートな試験。データパイプライン、データ・ストレージ系が中心。

機械学習関連(Google Cloud の ML サービスに加えて基礎教養も)からも出題あり。

Professional Cloud Developer

GKE とか CI/CD 関連、アプリ実装のためのアーキテクチャとかが中心。

Cloud Run やサービスメッシュなどの新しい内容も出題。

以前はコードレビュー的な出題があったが、2021年2月の再リリースからは無くなっている。

試験ガイドのサンプルケーススタディは英語だが、試験では日本語で出てくる。

Professional Cloud Network Engineer

英語のみ。Google Cloud のネットワークサービスに加えて一般的なネットワーク知識が必須。

ネットワークセキュリティとして、セキュリティ関連の出題も多いので、セキュリティと合わせて勉強するのがおすすめ。

Professional Cloud Security Engineer

英語のみ。こちらは一般的なセキュリティというよりも、Google Cloud のセキュリティ関連サービスの理解度が問われる印象。

Professional Cloud DevOps Engineer

英語のみ。SRE の考え方を理解しているかが半分くらい。SRE 本を読み込むのが一番の勉強法。

SRE の考え方を問う特質から問題文の意図をしっかり理解しなければ正答を導けず、英語が得意でないことの影響を受けやすい。

Professional Machine Learning Engineer

英語のみ。Google Cloud の ML サービスと一般的な ML の知識からバランスよく出題。

自分はそもそもの ML の知識がなかったので、そこからの勉強で大変だった。

Professional Collaboration Engineer

英語のみ。Google Workspace の試験で個人的に最難関。管理UIやかなり細かい内容の出題があるので、ドキュメント読み込みと実環境の操作が必要。

どうやって勉強した?

まずは目標を立てましょう。先に受験申し込みしてしまうのもあり。

学習は試験ガイド確認 → 模擬試験→ Cousera / Qwiklabs → ドキュメント読み込み → もう一度模試で仕上げ。

習慣化のため勉強時間確保の計画を立てましょう。やらない日はルールで決め、気分で決めないようにします。

烏山さん 資格取得の流れ

(出典: 烏山さん講演資料 p.23)

セッション② まとめ

以上、駆け足となりましたが烏山さんセッションを振り返りました。

すべての Professional 資格に合格された烏山さんならではの俯瞰した視点で、試験ごとの特徴を比較しながら聞けたことがとても有益でした。

進化が止まることのないクラウドに身を置く以上、常に学び続ける姿勢が必須」というメッセージはすべての人にとっての至言になり得ると思います。

 終わりに

Google Cloud 有資格者育成イニシアチブ 第3回 Meetup を振り返りました。

両セッションで語られたストーリーを通じて、単なる知識の習得ではなく、学ぶことの大切さや素晴らしさを改めて感じられる場であったのではと思います。

また秋元さんのファシリテートも落ち着いていて心地よく素晴しいものでした。QA コーナーでは質問の背景や意図を優しく引き出し、良い意味でフランクな雰囲気の中、質の高いディスカッションがなされていました。

第4回 Meetup 10月中旬ごろに開催予定です。お楽しみに!