第9回 小売業界分科会 Meet Up 開催レポート#1

2023年3月17日(金曜日)16時より 第9回 小売分科会 Meet Up を開催しました。

小売業界分科会では、はじめて Google Cloud オフィス(渋谷ストリーム)以外で開催しました。

(開催場所を提供してくれた、フューチャー株式会社さま、ありがとうございました。素敵なオフィスでした笑)

 

第9回は、内容が盛りだくさんのため、全3回にわたって、下記それぞれのアジェンダをブログで紹介します。

まずは第一弾!!!

アジェンダ

  1. Retail Media 米国の動向と日本の状況
  2. データマネタイゼーション・外部へのデータ公開ビジネスの実現について
  3. Google Cloud Update – NRF2023 振り返り(超短縮版)

Retail Media 米国の動向と日本の状況 <D&Sソリューションズ株式会社 望月様>

「Retail Media?」
ここ数年、名前を聞いたことはありますが、具体的にどんなことがいま小売業界ではデジタルで実現されているのか?興味津々のテーマでとても楽しみな内容です。特に、日本だけではなく、米国の動向などもお話いただけるということで、超期待値大です。

今回お話しいただく D&Sソリューションズさんは、小売の自社メディア開発のための「Retail Media Platform」とメーカーのマーケティングのための「Retail Media Network」を提供されている会社で、経済産業省の DX コンテストでも優秀事業に選定されています。

望月さん曰く、「Retail Media」とは、「小売企業を主体としたデジタルメディア」と定義するそうです。なるほど。「主体が小売」なのですね。加えて種類があるようです。

  • 小売起業のアプリ(EC/ネットスーパー含む)
  • 小売企業のWEBサイト(EC/ネットスーパー含む)
  • 小売企業店内のデジタルサイネージ
  • タブレットつきレジカート(情報発信が可能なもの)
  • 小売企業の自社メディア外での広告配信

海外では「クーラースクリーン」という、小売店の冷蔵庫の扉部分に液晶画面とカメラを設置し、お客様属性に応じて液晶上の商品リコメンドを動的に行うというマーケティングが増えているようです(私は、まだ見たことが無いです)

参考資料:https://www.coolerscreens.com/

また、米国 Walmart さんは、以下のように EC サイトの上部に広告を掲載しています。

参照先:https://www.walmart.com/

注目点としては「+Add(カートに追加する)」。広告なのに、そのまま購買まで導線が繋がっている。広告だけど、売上に直結するところが、Retail Mediaの強み(なるほどー)

米国では、イメージとして、以下と定義できると考えられそうです。

ただ、チャネルはオンラインだけではなく「駐車場でのピックアップ」や「ロッカーで受け取れる」などオフラインも含まれているため、e-Commerceだけではなく「Commerce全体のメディア」と定義することができそう。

 

日本は?

e-Commerceが前提ではないため、米国と日本では違う。日本では、広告と購買の導線一本は結構ハードルが高いのが現実。これから、日本もどんどんと変わっていくと思われる、とのこと。

 

米国のRetail Mediaの市場は急上昇しており、特にここ最近、メディアの注目が「小売」に流れてきていると捉えることもできそう。ただ、まだ一部のプレイヤーのみしか参画されていないという現状も。

 

一方で、日本でRetail Mediaとして流行っている取り組みは「サイトの外での広告」のニュースが多い。アプリの中の広告のニュースは、Retail Mediaという文脈ではあまり出てこない。「自社サイト内での広告」は、日本ではあまりニュースとして出てきていない。そこにギャップがあると考えられているようです。なるほどですね。米国と日本の違いなど、確かに注目ポイントですね。勉強になります。

 

また、「Retail Mediaの単価」や「Retail Media は日本でも儲かるか」「海外の主要なリテールではリテールメディアを経営上どういった位置付けになっているか」といったポイントも望月さんよりかなり詳しくお話いただけました。ぜひ気になる詳細は望月さんに直接お問い合わせください。

 

このように、今後、日本の市場は大きくなっていくことが予想されますが、日本と米国では、まだまだ差が大きいとのことです。また、日本では、どうやって儲けるのか?が課題になりそうですね。規模が大きければ、儲けが大きくなりそうですが。

 

ところで、メーカーからしたら、どうなのだろうか?

 

これはある例ですが、記事を見て「これはいいねー」というように「商品の価値(特性)を正しく理解」したお客さまは、継続率も高く、広告を打たなくなってもずっと買ってくれる結果が出ています。きちんとお客さまがついているとのことです。

店頭は商品の説明があまりないため、お客さまが着かずに、なかなか商品が継続的に売れないようです。基本は価格であって、商品を店舗に置いているだけ。(セルフの業態であることや人件費などの課題もあり、すべての商品について)売り込んでいるとはいえない。(なるほどなー。確かに、そうかもしれない)

Retail Media でしっかりと売り込めば、自分にとってのメリットを理解して、買い続ける状態を作ることができた実例ですね。キャンペーンを打って一時的に売上は上がったが、終了と共に売れなくなる、ということが無くなるとのことです。(恐るべし、Retail Media)

 

最後に、以下の言葉はとても参考になりました。

Retail Media で成功するためには、まずはユーザーの満足度を高めることから。いきなり広告だらけの世界は、ユーザーが離れていくだけ。

 

一方で、、、「自社メディア広告」にも、課題はたくさんある。とのことです。

(小売主語)

  • 広告在庫がなさすぎる
  • 小売1企業では、宣伝・マーケ予算にアプローチできない
  • 自社で配信システムを抱えるのは大変

などなど

(メーカー主語)

  • ユーザー数が少なすぎる
  • 小売1企業だと、支社の販促予算での対応になってしまう
  • 支店の担当者に知識がなく、そもそも対応できない
  • 小売の仕組みによっては検証可能な内容が弱い

などなど

Note へのリンク:https://retaildx.ds-solutions.co.jp/n/n75b9e5473d74

「Retail Media」素人でしたので、めちゃくちゃ勉強になりましたー

(フューチャー株式会社/柴田 健一)

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