【開催報告】Jagu’e’r Park ‘24 Spring!

ブログ冒頭挨拶

Jagu’e’r では 2024/6/6(木)に Jagu’e’r Park ‘24 Spring を「Gemini から AI をこめて」と題して開催しました!
「007/ロシアより愛をこめて」をネタに Google と AI を絡めて私が提案した副題が採用されました。
本ブログでは当日の盛り上がりを、写真の数々とともに振り返ります。
当日、Jagu’e’r Park へ参加した方に加えて、時間の都合で参加できなかった方にも Jagu’e’r Park の様子をお届けします!

それでは、どうぞ!

(CTCシステムマネジメント株式会社 / 古林信吾)

 

Jagu’e’r Park ‘24 Spring について

Jagu’e’r Park は年2回開催されるいわゆる「総会」です。
今回の Park Spring では「生成AI」をテーマに、生成 AI を活用した事例や、業務で発生しがちな課題を生成AI で解決する実践ライブなどをお届けしました。
Jagu’e’r Park ’24 Spring! – Japan Google Cloud Usergroup for Enterprise (jaguer.jp)

(CTCシステムマネジメント株式会社 / 古林信吾)

 

オープニング

みなさまこんにちはっ!
今回も始まりました、Jagu’e’r Park’24 Spring。

メイン MC はこのお二人!
おなじみ
Jagu’e’r アンバサダーの酒井さん

IntraStar のともたろうさん。
ともたろうさんは、毎週金曜日に”金昼ここだけ昼ラジオ”で NDA 前提の Jagu’ e’r ならではの生々しい、ここだけのお話を語っています。
しかも毎回面白い上に為になる!!

今回は、最近の時勢を反映して、生成(Generative) AI をメインテーマにお送りいたしましたっ!!
スライドのアップデートとして、申し込み者数は300名以上の規模でとのことです~


本イベント申し込み時のアンケートでは、生成AI を利用している方が大多数でした。みなさまの興味のほどがうかがえますね。
そして、利用している生成AI サービスも多岐にわたります。
もちろん、Gemini は、(for Workspace も含め)最大勢力でしたっ!

今回は、オンライン開催でしたが、パブリックビューイングも設置されライブ感も忘れないイベントになりました。

オープニングの最後に Jagu’e’r 和田会長からご挨拶を頂きました。
和田会長は、偉大な岩崎前会長から会長を受け継いでいただき、すでに活躍頂いております。

冒頭では Jagu’ e’r について紹介いただきました。
安全なコミュニティ活動を目指して先んじて設置した相談窓口についてや、分科会の紹介(28分科会)、本イベントを企画運営調整頂いた方々への感謝、勢い変わらずの Jagu’e’r 成長の状況も報告いただき、会場からも驚嘆の声が出ていました。前年同イベントから1,000名も増えていたのですねっ!!

Jagu’e’r 会員数(2024年6月日時点)
962社 3,752名 ※昨年同イベント時657社 2,712名

会長自身、生成AI ラボを立ち上げ、四六時中生成AI に親しみ、その奥深さを楽しんでいるそうです。
最後にオープニングの締めくくりとして、
「楽しんでいきましょう!」
の一言にさまざまな意味を込めて締めくくっていただきました!

和田会長、貴重なお言葉ありがとうございました。

(株式会社電算システム / 関谷 友明)

 

基調講演 ブラックホール研究者から AI 開発者へ 世界を変える「分身 AI」開発の舞台裏

Spiral.AI 株式会社 佐々木雄一 様

続いては、Spiral.AI 株式会社代表の佐々木雄一さんによる基調講演が始まりました。
タイトルにはブラックホールと、Jagu’e’r はもちろん IT 業界でもあまり見慣れないワードが並んでいます。
いったいどのようなお話を聞けるのでしょうか、ワクワクしますね!

まずは佐々木さんの経歴と、Spiral.AI 立ち上げまでの経緯をお話し頂きました。

佐々木さんは元々研究者として、スイスの CERN(セルン: 欧州原子核研究機構)で機械学習やビッグデータを扱う研究をなさっていたそうです。CERN といえば直径約27kmの巨大な円形加速器があったり、日本ではアニメ化もされた某アドベンチャーゲームでも取り上げられたりと有名ですね。(CERN の話が出た瞬間、チャットが大盛り上がりでした…!)
そんな CERN ではなんとブラックホールの研究も行われていたそうで、そんな途方もないテーマに対しても「理論上不可能でないものなら、前向きに検討しよう」とポジティブに立ち向かっていく CERN のマインドは、今も佐々木さんの中に生きているそうです。
佐々木さんには小学生のころから「自分の存在によって人類の技術を10年進めたい」という想いがあって、そうした想いを実現するためにもSpiral.AI 社の起業に至ったそうなのですが、佐々木さんの生来の「技術で世界を進めたい」という想いと、CERN で培われたポジティブなマインドの掛け算で生まれたことが良く分かりますね!

しかし、起業にあたっての悩みもあったそうです。

それは、生成AI ブームが一過性なのかどうかということ。
起業当時は、インターネットのブームと同様の流れを辿ると考えられていたそうです。
確かに、生成AI に過度な期待をされてるな、という実感は筆者にもあります。
しかし佐々木さんは、今では、単純な一過性では終わらず、少しずつ着実に私たちの生活に生成AI が入って来るのではないか、と仰います。

では、そんな生成AI ブームの中でビッグテックが取り組まない領域で勝負するためにはどうすればよいか?
佐々木さんは、会話には IQ(正確性)だけでなく EQ(楽しさ)もあるといった考え方の上で、リソースの差で勝負しにくい IQ よりも、ビッグテックが立ち回りにくい EQ の方にこそ活路があると提唱されています。

実際に、佐々木さん率いる Spiral.AI 社は生成AI × コミュニケーションといった、まさに EQ の分野で事業を展開されていますが、では、Spiral.AI 社がどのようにして EQ の高い LLM を実現しようとしているかというと、まずひとつは「AI による個性のコピー」があるそうです。
実際に、同じ質問を GPT-4 と Spiral.AI 社の LLM に回答させた時にも、GPT-4 の方は堅い回答(=IQ が高い。言っていることは正しいが、共感しにくい)なのに対し、Spiral.AI 社の回答は、人間との対話に近い(=EQ が高い。明確な回答ではないが、共感ができる)ことがわかります。
会場からも、「どこの会社の LLM も GPT-4 のような回答しか返ってこず、Spiral LLM のような回答は、人の味が含まれていないとできないのではないか」といった声があがりましたが、このような回答を実現するために、ある女性芸能人の方へのインタビュー内容をモデルに学習させて、まさにその方の個性(人間味)をコピーするような手法が取られているそうです。

もし LLM が個性を持っていたら… SF 映画のような時代が来ているのかもしれませんね!

EQ の高い LLM を実現するもうひとつの要素は「自然なマルチターン会話」だそうです。
ChatGPT や Gemini に代表されるチャット UI は一問一答、つまり会話を長く続けるよりはしっかりと答えを返すことに特化していて、ユーザーに質問力が求められてしまいます。
これに対して、Spiral.AI 社では会話を続ける、つまりユーザーにとっての自然な会話体験の実現を目指しているそうです。

ここで、自然な会話体験のデモンストレーションとして、Spiral.AI 社の LLM モデルに音声入出力を組み合わせて開発された、恋愛相談の神様AI である「ククリさま」による人間との対話の様子が公開されました。
デモンストレーションでは、実際の人間(若い女性)の恋愛相談にククリさまが答える音声が収録されており、2人の会話がだんだん弾んでいく様子を聞くことができました!

特徴的だったのは、ククリさまが一回で答え切らずに、相手とのやり取りを楽しんでいるように見えたことです。
例えば、相談者の女性に対して「何人目の恋人じゃ」(ククリさまは語尾が”じゃ”なんです)と質問を仕返したりして、会話が続いていました。
相談者も、AI という機械を相手にしているのではなく、友だちと話すように楽しく会話が続いているようでした。
笑いや、ククリさまの回答に対して「おぉーすごい!」と驚嘆する場面もあり、自然なマルチターン会話を実感できるデモンストレーションでした。
(当日のチャットでも、この場面で何人ものククリさまファンが誕生していました笑)

素晴らしいデモンストレーションの後は、ククリさまの背景技術もご紹介頂きました!
ククリさまの背後にあるのは、Spiral.AI 社の itakoLLM という言語モデルで、現時点で最新の Claude-3-Opus とのブラインドテストでも、EQ 観点で高評価を得ているそうです。
比較的小規模なモデルで動かしていることもあり、IQ 観点では Claude-3-Opus に及ばないにも関わらず、EQ観 点で大きな差がついていることに対して佐々木さんは「賢ければ会話が楽しいわけではない」と仰います。
また、EQ を高める工夫としてキャラクターの語彙を増やすことも行っているそうなのですが、その中でアニメのキャラクターになりきる、しかも語調を真似するだけでなく性格までそのキャラクターになりきって回答することもできるようになったそうです。

まさにこんな LLM を求めていた人は多いのではないでしょうか…!


ククリさまをはじめ、人格や性格をコピーした LLM のことを、Spiral.AI 社では TwinLLM =双子の LLM と呼ぶそうなのですが、これが実現することによって、自分の分身のように使うことができたり、誰かをコピーした LLM とまるで本人と会話しているかのように会話するなど、可能性が拡がるそうです。

そのうえで、TwinLLM のような EQ 型のモデルはビッグテックが作るモデルと違い、コミュニティごとに分化したモデルがたくさん作られる、例えば、ラーメン屋のように個人の好みに応じて使い分けられる世界になっていくのではないかと佐々木さんは予想されます。

また、EQ 型モデルの分化が進むもうひとつの理由として、プロンプトの限界もあるそうです。
例えば、口癖や会話の”間”といった微妙なニュアンスはプロンプトで指示して与えることもできないため、モデルから作らざるを得ない(Spiral.AI 社がモデルから開発しているのも同じ理由)とのことです。

確かに、普段人間と会話しているときには、私たちは口癖など細かいところで人間味を感じているのかもしれませんね。だとしても、それを再現できるのもスゴすぎます。

最後には、佐々木さんの考える生成AI の今後の展望をお話しいただきました。
序盤にもお話しされていたように、幻滅期に入りつつも、じわじわと生活に浸透していく生成AI による変化の波をどう乗りこなすかがポイントになり、モデル自体は好みに応じて分化されていく、そんな世の中になっていくのではないか、とのことでした。

以上、基調講演の様子をお届けしました!
筆者も、LLM で差別化を図るとしたらどういった部分なのだろうと考えることも多かったので EQ と IQ のお話は目から鱗でしたし、自分の分身の LLM が存在する未来を考えたら生成AI の進化がますます楽しみになりました!
佐々木さん、素晴らしいお話をありがとうございました。
そしてククリさま、応援してます!!

(株式会社電算システム / 松原 颯)

 

生成 AI を医療の力に!

株式会社 MICIN (イベント開催当時の所属) 硴﨑裕晃 様

1つ目の LT は硴﨑さんのお話です。ヘルスケア分科会ではいつも医療における AI の最前線を深くもわかりやすく話してくださることでおなじみの硴﨑さんですが、本日はどんな発表をお聞きできるでしょうか。直前の佐々木さんの基調講演を受け「どういう空気でしゃべったらいいのじゃ」と軽快な滑り出しです。


医療現場への生成AI 投入におけるポイントの一つは「生成AI を生成につかわない」ことという説明が冒頭にありました。最初は「そもそも医療分野ではどのような場面で生成AI を使いうるの?」からです。ここで表示されたスライドは医療分野のカスタマージャーニーのようなもの、ペーシェントジャーニーです。医師が担当している医療における本丸である診断や治療といった分野への適用はまだまだ先になるようです。それは医療においては10%失敗するような精度は許容されないことが大きい理由なようです。確かに100人治療して10人はお亡くなりに…なんて医師は信用できませんよね。ですが、非構造化データを利用できるようになったことはとても大きいインパクトだったようです。

では生成AI は現在、医療分野においてどれくらいのレベルにあるのでしょうか。生成AI は様々な医師国家試験に合格するものの、専門医試験については診療科などの分野により合格したりしなかったりするようです。得意不得意が結構あるようで実際の臨床現場で使えるのはまだまだ先のようです。ネットにある情報もデータが多い診療科、少ない診療科がありますし、生成AI が幅広く正確に学習していくのはまだまだ難しいのだろと感じました。

日本の医師国家試験試験を生成AI が受けて合格した時の誤った問題のサマリーが提示されました。医学知識の不足で33問間違えています。(いわゆる普通のハルシネーションです。) もう一つ特徴的なのは右側の Public health (公衆衛生) 14という行です。いわゆるハルシネーションには2種類あると説明してくださいました。1つはよく知られている言語モデルが間違えてしまう表の左側に表示されているもの。もう1つは日本特有の問題として英語圏の公衆衛生のように答えてしまう例がこの14問だったとのことです。確かに医療、特に公衆衛生のような国によって異なってくる分野は気を付けないといけないですね。解決するためには RAG を使用することに加えて日本語の日本の文化を理解した言語モデルが必要にあるということでした。日本のデータだけで必要な量を確保していくのはとても大変そうです。最新状況は Googleのブログ にあるようです。最前線がどの辺なのかを理解した上で私達が製品として提供できるのはどの水準なのかということを考えていく必要があるということでした。

「生成AI 製品を作るのには難しいポイントが多く論点が複雑」ということから整理のために硴﨑さんが用意してくださったのがこちらのバリューチェーンです。「難しいポイントは前工程の成果物が入れ子状に入ってくること」とのこと。確かに… しかもエンドユーザーに提供した時に出力結果が期待通りでないとなるとこの11個の箱すべてが関係している可能性があり一つ一つ潰していかないといけないということで、大変難しく時間もかかる行程を経て提供されるということがよくわかりました。業界団体でガイドラインも作った ということでした。

最後にどのようなサービスを作っているのか?作ろうとしているのか?のご紹介です。どうしても生成AI アプリケーションというとアプリケーション層に目が行きがちですが、データ基盤や ML 基盤が非常に重要でこれがないと差別化も難しいとのことでした。機能で差別化できないのであればデータやインフラで差別化するということでした。

その結果できたデータ基盤、ML 基盤を紹介してくださいました。シンプルですがどんどんプロジェクトを増やしてどんどん新製品を作っていける基盤になっているように見えて、すごく考え抜かれたものなのだろうと思いました。

まとめとして

  • 診断や治療に生成AI を使うのはまだ難しい
  • 生成AI は「生成」以外にも多種多様なタスクに対応できるのを忘れない
  • 本番サービス導入にはデータ& ML 基盤が必須 ( Google Cloud が使いやすい)

というお話がありました。

現場で苦労している方のお話からは本当に勉強になることが多く、特に人命に直結する医療という分野においては生成AI の利用、製品開発は本当に難易度が高いということがわかりました。
いつも本当にご多忙な中、様々な形でその知識・経験を共有してくださり本当にありがとうございます。硴﨑さんありがとうございました!

(TD SYNNEX 株式会社 / 吉川洋太郎)

 

Gemini Pro1.5で世界中の社員の質問も相談もハイレベルなスペシャリスト社員級の知識で解決

株式会社ニトリホールディングス 小林桂様

ニトリホールディングスでは Google Cloud を2021年から導入しており、BigQuery にも多くのデータが集まるようになり、現在はそれを活用しようというのが課題だそうです。

そして、事業が海外にもシフトしつつあるなかで、LLM を活用した事例を二つ紹介していただきました。

ひとつ目は、海外に新店舗を開く際、新店長が現地の従業員の教育や、本部とのコミュニケーションに負担が掛かるという課題を、店舗マニュアルを RAG として LLM で対応できないかという事例です。

新規展開を行う中では、抜擢される人は優秀な方が多く負担が集中するでしょうから、それを軽減するという試みですね。

もう一つは、法務室への各種法務相談や契約書の内容精査について、海外向けの対応が増えていくなかで、それまで法務室が丁寧に整理した知識を RAG として、LLM で代替させてみるという事例です。

なるほど、日本の法律だけではなく、海外展開の中ではその国に合わせた対応が必要ということですね。
法務室の方は専門家なので簡単に増員するということもできないのでしょうから、こちらも効果がありそうです。

小林さんの当初の予想では、高度なナレッジが必要な業務に LLM の代替は難しいだろうと考えていたそうです。
しかし、実際に取り組みを行ってみたところ、その効果は思いのほか高かったそうです。
その中でも大事なポイントは次のスライドに示されている通りです。Gemini Pro 1.5 は優秀なんですね!

海外新店舗店長支援のユースケースの場合は、Translate API も組み合わせて、現地の言語の質問に対して、店舗マニュアルを RAG として現地の言葉で返答してくれるというサービスを従業員に提供することで、一つの言語のマニュアルで多国語に対応することができているそうです。

そして、法務室のユースケースでは、法律には詳しくない従業員からの質問に対して、マルチターンの LLM で対応することで法務室の負担軽減を図ることができているそうです。特徴的だったのは Gemini Pro が 200万トークン(発表時点)扱えるということを活かして、入力された質問に、事前情報を大量に含ませておいて、Gemini に答えさせるということをやっているそうです。
確かに、ちょっとした文章や変更が多い文章に基づいた回答をして欲しいのであれば、RAG を作る手間よりはプロンプトで対応するというのも良い方法ですね。

また、同じく法務室のユースケースとして、これまでは翻訳も含め完全に人手に頼っていた海外からの契約書面のチェックを、翻訳機能や文章解析など他の技術と組み合わせて、最終的に LLM にチェックさせるということができているそうです。
もちろん、完璧ではないそうなのですが、急いで対応しなければならない状況においても、最大限に LLM を利用することで、これまでの負担を大幅に(1日作業が15分に!)減らせているとのこと。

LLM ですべてを解決するというのではなく、良きサポート役として活用するという素晴らしい事例を紹介していただきました。

小林さんありがとうございました!

(株式会社エヌデーデー / 関口貴生)

 

プロンプト実践ライブ ~ぼくのかんがえたさいきょうのぷろんぷと~

 次のコーナーは、「ぼくのかんがえたさいきょうのぷろんぷと」と題したプロンプト実践ライブショー企画です。

NTT データの山時さん、フューチャーアーキテクトの村田さんというエバ2人の絶妙な掛け合いによる司会で始まりました。

生成AIを使ったお楽しみ企画です。対話型生成AI Google Gemini を使い、4人の出演者がお題から考えたシチュエーションや聞きたいことをプロンプトに入力し、Gemini との対話をし、回答を導き出すというものです。

普段、皆がどのように Gemini を使っているか、プロンプトにどのように入力しているかを見る機会は少ないと思います。
今回は、出演者のプロンプト入力を見て、今日から明日から、私も Gemini を使ってみようかなと思ってもらえると良いなという思いを込めた企画です。同じお題で4名の出演者が、それぞれの個性を生かし、考えを巡らせ入力したプロンプトを見て、どんな回答が得られるかを見ることができる貴重な機会でした。

プロンプトの入力をする4名の出演者は、クラウドパンダ株式会社 古本さん、株式会社 G-gen 鈴木さん、株式会社電算システム 野間さん、みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社 平野です。

見ている方々も、出てくるお題を、一緒にスマホなどで、試してみてはいかがでしょうということで、わいがやからもたくさんのコメントをいただき、ショーが盛り上がりました。

では、早速ライブショーの内容を見てみましょう。
お題は、2つ。1つ目は、「能ある鷹は Gemini で探す 同僚との懇親会会場を探せ!!」でした。
人数、場所、ジャンル、好き嫌いなどのシチュエーションは、出演者が自由に設定すると言うもので、ハードルが高いお題です。
5分間、出演者は、ひたすらプロンプト入力で、Gemini と対話を行いました。画面には、4名の PC の画面が映し出されていました。

司会者から「実は、このライブショーにために、練習会をやり、特訓をしました。今日のお題は、当日まで出演者には明かさず初めて見るお題でやってもらっています」というコメントがあり、わいがやからは、「さすが練習の成果が出ている」、「タイピングが早い!」、「皆、慣れていると思った」などのコメントが上がっていました。

あっという間に5分間が経ち、出演者のうちの2名から、感想などコメントがありました。

まずは、古本さんです。

(抜粋)
司会者: 欲しい結果は得られましたか?
古本さん: 住んでいる下北沢で10名規模の懇親会を企画するのに良い店を10件ピックアップして欲しいと入力したのですが、4件しか出なかったので、欲しい結果に足りなかったです。厳選されたということですかね。
司会者: 良かった点は?
古本さん: 動画など YouTube でと言ったら、YouTube から動画を持って来てくれた点です。
司会者: 工夫したポイントは?
古本さん: ラフに問いかけてみました。友達感覚?あと、定期的に褒めてました。
司会者: ポジティブなワードは、効果があるらしいです。これも、プロンプトエンジニアリングの1つですね。

古本さんは、Google Map を早々に活用し、エリアから探すパターンです。Gemini の、Google Map との連携、正にマルチモーダルな機能とプラグインの活用、Google の得意なことを組み合わせていました。

次は、野間さんです。

(抜粋)
司会者: 欲しい結果は得られましたか?
野間さん: 22~24歳くらいの同期6人で、お酒を飲めて駅から近いお店を探してもらいました。その際、ユニークな店というキーワードを入れたら、ロボットレストラン、寺カフェ、探偵カフェと、ユニークな店を紹介されました。面白いなと思いました。その中で、探偵カフェが気になり、懇親会会場探しから脱線してしまいました。
司会者: 良かった点は?
野間さん: 探偵カフェのオススメメニューを聞いたら、聞いたことのない料理名が出てきて、その画像やオススメのカクテルなども紹介してくれて、面白い会話ができました。
司会者: その料理名のワニタンが、わいがやで話題になってましたよ。
野間さん: あと、駅から店への道順を聞いたんですが、結構詳しく教えてくれたのが良かったです。Google Map のリンクも貼ってくれて、便利だと思いました。
司会者: わいがやでも、道順を詳しく出してくれるのが良い、画像を出してくれるのが良いと話題になっていました。
司会者: 工夫したポイントは?
野間さん: ライブショー練習会で、画像を出すのに英語を使うと良いと聞いたので、やってみました。
司会者: わざ、知恵を活用していますね!

2つ目のお題は、「Gemini と描く Jagu’e’r 未来予想図 N 年後の Jagu’e’r を予想や期待を込めて Gemini と一緒に考えてみよう」です。N 年後、コミュニティ、分科会、やりたいこと、目指す姿を考えました。Gemini は、結果を公開できるので、Jagu’e’r メンバー皆で、考えられたら良いですね。

わいがやから、車のジャガーが混じってきて手ごわいなどとコメントがありましたが、どういう情報を Gemini に渡すかが大事だとのコメントもありました。また、1000年後というキーワードが出ていましたが、今のペースで会員が増えたら、1000年後は、世界中が Jagu’e’r 会員だねと司会者からのジョークも飛び出していました。

5分が経ち、出演者のうちの2名から、感想などコメントタイムです。
まずは、平野です。

(抜粋)
司会者: 欲しい結果は得られましたか?
平野: 欲しい以上の結果が得られました。100年後がどうなっているかを聞いたら、バーチャル空間で Jagu’e’r イベントが開かれているだろうとか、異星人の会員もいるかもという結果でした。Jagu’e’r は、大変盛り上がっているそうです。
司会者: Gemini Advance を使用していますが、Advance の良いところは、どこですか?
平野: 最初から Advance を使用しているので、意識したことはないですが、対話が楽しくできるところが良いです。意外な回答にも、センスを感じます。
司会者: 工夫したポイントは?
平野: 最初の2回くらいは、車のジャガーに誘導されて戻すのにプロンプトにどう入力しようか考えた点です。
司会者: 欲しい回答に導くようにワードを選ぶのが大事ですね。意味づけ、誘導していくやり方は良いテクニックへ近づいていく道です。Chain of Thought、だんだん自分の目的にたどり着く、意図しているわけでなく、結果的にやっているのが面白いですね。

最後は、鈴木さんです。

(抜粋)
司会者: 欲しい結果は得られましたか?
鈴木さん: 途中までは得られましたが、最後に欲しい回答が出なかったのが残念です。一般的にコミュニティは3年で終息してしまうという説がありますが、それをどう思うか聞いてみました。Jagu’e’r の今までの3年間の歴史を見たような回答で、すごいと思いました。コミュニティへの巻き込み方、初めて参加する人はどうすれば良いかに対して、とても良い回答が返ってきました。最後にコミュニティに関するオススメの本を聞いたら、黒須さんの本の名前が出なかったです。黒須さんの名前をキーワードとして入れても出なかったです。
司会者: 良かった点は?
鈴木さん: 自分がのめり込んでいくような回答が返ってくるところです。回答が、人に優しいと感じました。

ライブショーはこれで、終了しました。
出演者の皆さま、ありがとうございました!

まだまだ、対話をしてゆくと良いものが見つかるような気がします。
お題に関しても、色々な人の Gemini との対話を聞きたいと思いました。
皆さんも、Gemini との対話を楽しみたくなったのではないでしょうか?

( みずほリサーチ&テクノロジーズ株式会社/ 平野桜子)

 

お知らせ、エンディング

Jagu’e’r Award 2024! 今年も開催します。
Jagu’e’r Park Winter にて表彰式を行いますので、皆さんご応募ください。

Jagu’e’r Award とは、Jagu’e’r の活動や認知度向上に貢献いただいた方を表彰する制度です。
エントリーフォームから自薦、他薦にて応募いただけます。
上位10名に Jagu’e’r Park Winter でピッチ大会を実施して、最優秀者3名を決めます!
賞品もすばらしいものを準備していますので、ご期待ください。




MCと黒須さんから本イベントの感想です。

「佐々木さんの『LLM は楽しさが必要だ!』という一言が一番心に残りました。 今の幻滅期をどう乗り越えていくかのヒントがありそうですね。」(黒須さん)

「学びがすごく多かったです。先ほどの幻滅期って話しから希望がたくさん見えたと感じました。今回、皆さんのプロンプトや活用事例を聞くことで、生成AI を皆さん色んな使い方をしているなと気付かされました。」(ともたろうさん)

色んな気づきや、楽しさを感じることができた素晴らしいイベントだったと思います。

(東邦ガス情報システム株式会社 / 松岡芳直)

 

ブログ締めの挨拶

Jagu’e’r Park ‘24 Spring 「Gemini から AI をこめて」いかがでしたでしょうか。
佐々木さんの基調講演にはじまり、Gemini の LT そして Gemni を実際につかったプロンプト実践ライブと盛りだくさんの内容でしたが Jagu’e’r という視点での生成AI・Geminiの魅力がお伝え出来たのではないでしょうか。

(株式会社 NTT データ / 山時浩一郎 )