金融分科会 Meetup #2 開催しました!
去る2月24日に「金融分科会」の第2回 Meetup が開催されました! 今回も、注目度の高い「エンベデッドファイナンス」「個人情報保護対策」がテーマということもあり、大変盛り上がりましたので、運営メンバーから、Google Cloud 金澤がその様子をダイジェストでお届けさせていただきます。
第1部:2022年のエンベデッド・ファイナンスの展望
まず、第1部では、野村総合研究所 IT基盤技術戦略室長 城田真琴様から「2022年のエンベデッド・ファイナンスの展望」と題して、ご講演いただきました!
城田様は、「エンベデッド・ファイナンスの衝撃」という本も上梓されており、『エンベデッド・ファイナンス』をフィンテックの第3の波としてご紹介され、サービスの利用者、金融事業者としての視点に加え、顧客視点を持つ非金融の事業会社、BaaS を介して金融サービスを提供するイネーブラー、金融サービス関連免許を保有するライセンスホルダーという軸でも、今後の展望をご説明いただきました。
また、日米での比較、すでにスーパーアプリ化などを通じて始まっている決済事業者や通信事業者を含む覇権争いの状況と、テクノロジー視点で重要な BaaS (Banking as a Service) については、API 機能の重要性とエコシステムを如何に構築していくかといったご説明は、大変興味深いものでした。
中国平安保険の事例では、顧客との接点作りが難しい保険事業において、オンライン診療や医薬品 EC 等のヘルスケアエコシステムを構築することで、ビジネス領域の拡大に成功されているとのことでしたが、国内でも様々な動きが見られており、自社の金融商品・サービスを他社チャネルで提供する一般的なエンベデッド・ファイナンスに加え、他社の金融商品・サービスを自社チャネルで提供するプラットフォーム型、さらには他社商品・サービスを集めて提供するマーケットプレイス型への志向も見られるとのことです。
第2部:Google Cloudでの個人情報保護対策
続いて、Google Cloud 西岡より、「Google Cloudでの個人情報保護対策」についての説明があり、注目を集めている『個人情報保護法の改正』について、同法の体系説明から、データを利活用する上での留意点が説明されました。
Google Cloud では、サイロ化されたデータを統合、分析可能な状態にすることで、データの利活用を推進されている事例が多くありますが、個人情報保護法への対応では、仮名加工情報、匿名加工情報に分けた上で、どう管理していくかといったデータ利活用の視点と、データのガバナンスをどう支援していくかといった指摘がありました。
後者では、メタデータ化を支援する Data Catalog、匿名化を行う DLP といった具体的な大作についての言及もあり、さらに、ガバナンス視点では、データの越境移転についても注目を浴びていることから、Google Cloud におけるデータ保管場所の指定やアクセス制御、暗号化といった対策のご紹介もあり、ご参考としていただけた点もあったのではと思います。
なお、先日、公開されました『金融機関向け「Google Cloud」対応セキュリティリファレンス』(ブログ)のご紹介もあり、こちらは、本金融分科会発足のきっかけとなった「FISC リファレンス研究分科会」のメンバーである NRI 様、NTTデータ様、SCSK 様のご協力により作成されておりますので、こちらも是非、ご利用いただければと思います。
参加者交流会
第2部の後は、複数グループに分かれての参加者交流会も開催され、最後に金融分科会 渥美会長から総括のお言葉として、「最近でも、クラウドのセキュリティは大丈夫なのかといった話が聞かれるようになったが、これは十年前と似たような話だが、実はクラウドの活用領域が広がってきたからで、積極的に発信していくことでこのキャズムを乗り越えていきましょう」とのコメントをいただき、散会となりました。
城田様からの貴重なご講演に加え、交流会での意見交換もあり、あっという間の2時間でしたが、ここでは書けないような(クローズドな場所ならではの!)お話もあり、改めまして、ご参加いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。
最後に、今後も金融分科会は鋭意活動を続けてまいります。運営メンバー、参加者を随時募集中です。みんなで金融業界を盛り上げていきましょう!