金融分科会 Meetup 【第9回】開催レポート(2023-12-13)

金融分科会 運営の土屋です。

2023年12月13日、渋谷ストリーム/Shibuya Stream にて金融分科会 第9回 Meetupを開催しました。テーマは「Rizin 2023」 。

11月に東京ビッグサイトで開催されたGoogle Cloud Next Tokyo ’23 を受けて、以下のアジェンダを用意しました。現地 & Google Meetでのハイブリッド開催です。

  1. ISMAPと日本の経済安全保障~クラウドの率直な話(分科会会長 渥美さん)
  2.  Next セッションの裏話:FISC セキュリティ リファレンス作成の裏側(G-gen 杉村さん)
  3.  Next セッションの裏話:北國銀行様のご発表から(Google Cloud 湯浅さん)

金融分科会の概要

本分科会では、以下の通り活動を楽しく行っています。

目的

  • 金融業界でクラウドを活用した新しい取り組みを実現するための着想を得る
  • 業界共通の悩みの解決
  • Global金融での取り組みの研究

金融業界に身を置く方、金融業界向けのビジネスを手掛けているインテグレータの方、クラウドを利用した金融情報システムに興味のある方、金融業界 に興味のある方、そこに興味があれば十分です。NDAベースのコミュニティの場で、会社の枠から越境してみませんか?

 

発表タイム

当日、渥美さんが資料の最終手直しをしており、突然に順番を入れ替えての発表でしたが、オンライン参加の杉村さんは全く動じることなく発表タイムが始まりました。さすがです。

 

1:Next セッションの裏話:FISC セキュリティ リファレンス作成の裏側(G-gen 杉村さん)

Google Cloud Next Tokyo ’23 Day1セッション「金融システムのセキュリティ対策要点と最新版 FISC リファレンスのご紹介」で発表されたFISC セキュリティ リファレンス作成の裏側についてLTをしました。(セッションは https://cloudonair.withgoogle.com/events/next-tokyo で公開中)

Google Sheetsの複数人同時編集機能を用いて、場所も所属もバラバラな多人数でスムーズに作業できたと紹介がありました。杉村さんも語っていましたが、これをファイルサーバで対応したり、Eメールを使って更新し合うのはつらい….私は初めてGoogle Sheetsを使ったのが何年前だったか、これ一度使ったら離れられないなと強く思ったことを思い出しました….

Google Cloud は29社52名が取り組んだのに比べ、Google Workspaceは2社(吉積情報 , G-gen)、かつ、Google Cloud版のようにベースとなるFISC第9版対応のリファレンスがなく、ゼロから執筆した生みの苦しみを洩らしていました。手を上げた杉村さんは白馬の王子、救国の志士です!

Tipsとして、Google Sheetsのフィルタ作成(全員に影響する)とフィルタ表示(自分だけ表示が変わる)の違いを教えてもらいました….知らなかった….

2:Next セッションの裏話:北國銀行様のご発表から(Google Cloud 湯浅さん)

Next Tokyo ’23での金融界隈での最大のサプライズは、北陸地方の地銀の雄である北國銀行が、Microsoft Azure と Google Cloudを併用するマルチクラウドでの勘定系システムを基調講演でぶち上げたことで、そのサプライズ度合いは衆目の一致するところではないでしょうか。

日本ユニシス(現 BIPROGY) のWindowsフルバンキングシステムであるBankVisionを、2021年にAzure上で稼働させた北國銀行ですが、それが報じられた当時も!! でしたが、今回はそれ以上の驚きです!!!

基調講演での発表内容以外にも、これまで複数の書籍を北國銀行は出版しており、その中で紹介されている取り組みを含めてGoogle Cloud湯浅さんに語ってもらいました。

北國銀行の取組みは突然始まったわけではなく、20年以上前から現在でいうDX:デジタルをトリガーにした全社改革に始まり、これまでさまざまな施策が結実し、その流れで今回の発表に至っていることが理解できる内容でした。

クラウド事業者の問題でシステムダウンするたびにYahoo!ニュースのトップに掲載されるほど人口に膾炙したパブリッククラウドですが、超ミッションクリティカルシステムである銀行勘定系では、クラウド事業者側の復旧を祈り、待つのではなく、自分たちでコントロールするという強い経営の意思を基調講演から感じました。….つよい….私も祈り、待ったことがあります。なおGoogle Cloudではありません(笑)

マルチクラウドの2つ目としてGoogle Cloudが選ばれた理由として、その安定性、今年GAとなったCross-Cloud Interconnect、コンテナ技術へ期待、そして変化とチャレンジを絶えず生み出すGoogle Cloudのカルチャーへの共感が頭取の口から語られていました。金融営業の経験が長い湯浅さんでも、北國銀行のカルチャーが他の金融機関とは全然違う、心理的安全性の高い組織であると感じているそうで、それが共鳴したのでしょうか。

各種ニュース記事での補足情報はこちらです。トランザクションレベルで同期とな、ふむふむ、、、

こういったテックイベントに会社トップが自信を持って語れる会社には憧れますし、トップの決断無くしてこうしたチャレンジはできないですね。3年後がほんと楽しみです。

 

3:ISMAPと日本の経済安全保障~クラウドの率直な話(分科会会長 渥美さん)

3月に開催された Google Cloud 金融サミット ( https://cloudonair.withgoogle.com/events/gc-finance-event23-q1) でGetした、ことし一番のお気に入りSWAGである赤いGoogle Cloudパーカーを着ての現地参加です。

まず、2023年のGoogle Cloud金融界隈で特筆すべき3つのトピックスを順に熱く語っていました。そのうち1つは私の属する企業グループの例を挙げられており、どうにも面映ゆいものです。また、ここでもサプライズとして北國さんの基調講演について。頭取自らがこのレベルで語れることは賞賛ですし、トップの強烈なメッセージを感じていました。

続いてISMAPと経済安全保障について、CSA(Cloud Security Alliance)日本支部の副会長でもある渥美さんから舌鋒鋭く問題提起がありました。ガバメントクラウドは著しいクラウドネイティブな要件が影響してか、現在米系4社のみ状況があり、経済安全保障の観点でクラウド国産化を推進する動きが報じられていることはご承知の通りです。渥美さんも私も個人的には国産のクラウド事業者に奮起してもらいたいと思うところですが、米系4社との彼我の差は大きく、果たしてどうなるのでしょう? 見通せないものの、動きに関心を持たざるを得ないですね。

 

Next Tokyo ’23のセッション「国内提供開始へ|統制を要するワークロードのための Assured Workloads 環境とは 」については特に渥美さんから語られませんでしたが、ソブリンクラウドの動向も個人的には気になります。

 

懇親会

35Fに移動して、 カフェテリア PAUSAで現地参加者同士で懇親会を開催しました。ビールではないシュワシュワの泡の飲みものは美味美味、食事もおいしく頂きました。ごちそうさまでした!
今回は年末の多忙な時期?ということもあり、若干参加人数が少なかったので、現地参加・オンライン参加いずれも増やしていきたいところです。

2024年の抱負

Google Cloudへ今後載ってくる金融ワークロードがどんどん増えてくる状況で、金融分科会もその波に乗っていきます。あと、他の分科会に負けないように^^。

 

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