CCoE Class Room 【第4回】を開催しました!
JAL インフォテックの秋葉です。
社内ハイブリッドクラウド基盤の運営を担当するかたわら、CCoE としてクラウド活用推進に取り組んでいます。
CCoE の悩みなどを共有して明日につなげよう!
と始まった「 CCoE Class Room 」も4回目を迎えました。
参加企業もどんどん増え続けていて、顔ぶれも更に多彩になってまいりました。
===(おさらい)「 CCoE Class Room ってなぁに?」
CCoE( Cloud Center of Excellence )の在り方を研究する「 CCoE 研究分科会」では、CCoE に関するベストプラクティスを議論し、情報の発信を行っています。
研究会のコアメンバーと CCoE の在り方を自由に議論することのできるスペースが「 CCoE Class Room 」です。月1度のペースで開催しているのですが、有り難いことに「参加したい」というお話が後を絶ちません。
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第3回目のゲストは、下記の方々です!
関川 耕平 京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)
石関 大輔 京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)
櫻木 伸章 京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)
瀬戸島 敏宏 New Relic株式会社
鈴木 達文 株式会社 G-gen
杉村 勇馬 株式会社 G-gen
このブログでは、我々が参加者のみなさんと議論し、得られた学びなどをシェアしてまいりたいと考えています。
これまでと同様、今回もGoogle Meetのブレクアウトルーム機能を使って、
CCoE Class Room 開始です!
相談テーマ毎に、それぞれのお部屋を作りました。KCCSさん、New Relicさんから持ち込まれたテーマ毎に各ルームにご参加いただき、各ルームに待機している研究会コアメンバーとでお話しいただくスタイルです。
これまでゲストとしてご参加頂いた皆様も今回はメンバー側としてご参加です!
<CCoE Class Room Vol.4 の様子>
はじめに:KCCS さんと New Relic さんからの相談などをもとに、5つのルームで議論しました。
ルーム1<テーマ:スポンサー獲得方法のお部屋>
Panasonic 渡邉さん、KDDI 柴田さん、G-gen 鈴木さん、FFBI 田中さん
【ポイント】
・CCoE のスポンサーをどうやって獲得するか?
▶メインのビジネス戦略との関連性やクラウド活用の必要性を説くアプローチや、コスト削減や目の前の課題解決からはじめるアプローチがある
【気付き】
- 本流の戦略に沿っているほうが活動を続けやすい
- スポンサーの理解を得ることは大事だが、適度な距離感も大事
- スポンサーに CCoE の定量効果を見せるのが難しいので、任せてもらえるとよい
- ユーザ部門、情シス部門などどこで立ち上げるかは、企業文化、業態、内容による
ルーム2<テーマ:KPI 設定のお部屋>
スクエニ曽我さん、KCCS 関川さん、JRI 宮下さん、Visional 粟田さん、Google 泉さん
【ポイント】
・CCoE は何を KPI とするか?
▶KPI そのものが経営層に響くものになっていないと CCoE 活動そのものを継続させることが難しい
・経営層に響くKPI とは?
▶ガバナンス・プラクティスに関わる KPI、クラウド利用の相談件数、トレーニングや知見共有、AWS Config や AWS GuardDuty などセキュリティやリソース設定に関わるもの
▶経営層の関心事はセキュリティに関わる事が多いのでそこから攻める
・人財育成をどう KPI に繋げるか?
▶資格試験を昇格の取得単位に組み込んでもらうなどの取り組みをしている
【気付き】
- 経営層の理解を得るためには1年単位の地道な活動が必要
- CCoE を進める時にスモールスタートとして主力事業内に立てるか横断組織として立てるかは会社の状態によるが早い段階から考慮したほうが良い
- 事業のメンバーから集結させたパターンや一つの事業に寄り添ったパターンがある
- 認定資格は勉強をしたらそれだけやれることが増えるはずなのに、その勉強する、という点に関してハードルがある
- 継続して成果を出すためには人事制度などとうまく連携させる仕組みづくりが肝要
- 経営層への報告で提起的に認定資格数を報告するなど工夫してみる
- オンプレメインだとしてもクラウドを一度は検討してもらえるような戦略を打ち出す
- ガイドライン発布をトリガーとして上手く利用する
- コスト面だけで考えるとオンプレとクラウドで比較対象としてズレがあるので単純にはいかない(オンプレは減価償却、クラウドだと従量課金)
- コスト面だけで戦うよりもオンプレの単純には見えてこないコスト(DCコスト、リソース、調達コスト等)を整理する方が効果的
- 他の企業で、経営層に刺さった実績のある KPIを共有すると良いのではないか
ルーム3<テーマ:ビジョン設定のお部屋>
KCCS 石関さん、JRI 秋吉さん、Aptio 宮原さん、NDD 関口さん、G-gen 杉村さん、カインズ矢口さん、JAL インフォテック秋葉、
【ポイント】
・CCoE を立ち上げるにあたってビジョンを決めるべきか? 決めるとしたらどのような内容にするのが良いか?
▶ビジョンはメンバーのマインドや活動範囲の定義に関わるので、決めたほうが良い
【気付き】
- 立ち上げるきっかけや理由を明確化すると、ビジョンも考えやすくなる
- ビジョンの内容は、企業の立ち位置( SIer か事業会社か)によってだいぶ異なる
【その他】
・CCoE はバーチャル組織が良いか、実体組織が良いか?
▶実体組織化すべきという意見が多い(経営の理解、予算、セキュリティ、認知等の観点から)
▶前提条件やカルチャーによってはバーチャルでも上手くいくケースもある
ルーム4<テーマ:マルチクラウドのお部屋>
KCCS 櫻木さん、DNP 和田さん、NTT ドコモ森谷さん、Visional 長原さん、Google 浅沼さん
【ポイント】
・クラウドをマルチで活用したほうが良いか?
▶ 技術的な適用性(データ分析ならGCPなど)、委託先パートナーのスキルセットなどを考慮して使い分ける
【気付き】
- 複数のクラウドを横断して管理するようなツールは必須ではない
- 導入すると、各クラウドの進化にリアルタイムで追随するのが難しくなる
- プロジェクト単位で考えれば多くても2つ程度であり、頑張れる範囲
【その他】
・エンジニアは各クラウドに特化しているか?それとも複数扱えるか?
▶基本的に特化型。両方できる人は稀セキュリティに関しては横断で把握できる人財が重要。セキュリティ担当は全クラウドの資格を持っていてほしい
ルーム5<New Relicさんからの質問に答えるお部屋>
KDDI 大橋さん、NRI 遠山さん、NTT データ伊藤さん、New Relic 瀬戸島さん、Google 黒須さん
【ポイント】
・CCoE のミッションは?
▶組織横断で社内をつなぐ、コミュニケーション・ハブ
▶セキュリティガバナンスの確立
・CCoE メンバーの評価は?
▶クラウド利用部門をどれだけ広げたか、サブプロジェクトの質(どんな課題をどうリードしたか等)、セミナー登壇数など
▶外からは評価されやすい、中からの評価は難しいことが多い
・CCoE はどのような組織で編成されているか?
▶バーチャルチーム(複数組織のメンバーが参加)のケースがある
▶独立型 CCoE は情シス部門配下にあるケースも
・クラウド導入のどのくらいのフェーズでCCoEが立ち上がったか?
▶需要が高まってガバナンスをきかせる必要が生じたタイミング、クラウド活用を広めるタイミングどちらもある
・CCoE を進める上での課題・大変なことは何か?
▶オンプレと観点が異なることを理解してもらうこと、システムの重要度に応じた対応を理解してもらうこと
・CCoE は主務か、兼務か?
▶リードチームは専任のケースが増えてきている。兼務というよりコミュニティ・ワーキンググループとしているケースも出てきている。
【気付き】
- CCoE の目的や目指す方向性は同じでも、進め方は個々の状況や企業風土によって異なる
いかがでしたでしょうか?
今回、5つのルームにわけて、2企業さまよりそれぞれのルームでいろいろな議論をメンバーとしていただきました。
いざ CCoE を立ち上げようとすると悩むポイントがあり、それに関して多くの意見やアドバイスがあったことが見てとれると思います。
個人的にも非常に多くの気付きがあり、今後の活動に是非取り入れていきたいと思いました。
今後もたくさんの参画希望を頂いていますので、このような会を継続して実施していきながら、CCoE に対する理解をみなさんと進めていけたらと考えています。
もし、CCoE 研究分科会に入ってみたい!という方がいらっしゃいましたら、お気兼ねなくお申し込みください。その前に Jagu’e’r への入会も忘れずに。
最後まで読み進めて頂き、有難うございます。これからの連載に、ぜひご期待下さい!
※このブログに掲載している内容は参加者個人の見解であり、その組織を代表するものではありません。
Jagu’e’r CCoE研究分科会
Kazumi Akiba & Keisuke Awata