“DevRel” Driven Transformation: イベント登壇が拓く新たな世界 (DevRel Conference 登壇報告)

はじめに

Jagu’e’r エバンジェリストの秋元と増森です。

皆さん、DevRel という言葉をご存じでしょうか。数か月前まで、私(秋元)にはまったく耳馴染みがない言葉でした。そんな私たち Jagu’e’r エバンジェリストの秋元と増森が 3/10 (土)に DevRel Conference Tokyo 2023 / DevRelCon Yokohama に登壇させていただきました。イベントに参加して分かったことは、DevRel に集まる人は素敵でした!

 

 

このブログでは、私たちが DevRel の世界に一歩踏み出すきっかけとなったイベント登壇までの道のりと当日の様子について、ご紹介します。ご興味をもっていただいた皆さまにとって、 DevRel の世界に一歩足を踏み入れていただく手助けとなることを願っています。

目次

  1. イベント参加のきっかけ
  2. 運命の結果通知
  3. DevRel とイベントのご紹介
  4. イベント登壇までの準備生活
  5. イベント当日の回顧録
  6. イベント参加からの学び
  7. 終わりに

 

1. イベント参加のきっかけ

きっかけは、Jagu’e’r 人材育成分科会の運営メンバーであり、DevRel イベント運営メンバーでもある鈴木章太郎さんからのお誘いでした。

この時点では、DevRel が何の略称かも分かっていない、わたし(秋元)。よくわかっていないけど、お誘いいただいたのならば、応募するしかない…!

「ぜひCfPを出してください」と打診をされたのが、12/14 夜のミーティング。

そして、CfP (プロポーザル) の提出締め切りは、なんと、、12/15 (翌日やん!!!)

こんな感じでラフに増森さんを誘ったら、二つ返事でOKが!

超短納期の無茶ぶりにも関わらず、勢い余って、私たちは1日で CfP を書きあげます! このフットワークの軽さは世界一だったのではないでしょうか。いきなりのレビュー依頼にも関わらず、相談&校正等いただいた Google Cloud Japan の黒須さんに改めて感謝申し上げます。

そして、日本語版を提出したあと、そのままテンションノリノリな私たちは英語版までCfPを提出してしまいます。この結果、年明けが大変になることを、その時の私たちは知る由もなかったのでした。

よく分かっていないけど、皆さんの後押しでどんどん動いてしまう私たち。これが私たちの大冒険の始まりでした。

 

2. 運命の結果通知

そして、その日は突然やってきました。

2022年12月31日、年の瀬です。人材育成分科会運営メンバーの Slack チャネルが盛り上がっています。

このやり取りの結果、新年早々、元旦の真っ昼間から会社のメールボックスを開く羽目になった私w 正月はひたすらデジタルデトッ、、、いえ、仕事デトックスをするつもりだったのに、、、。

無事に、日本語版の DevRel Conference Tokyo 登壇オファーを頂戴し、私たちのイベント登壇が確定しました。

 

…あれ、まだ何か忘れていませんか…?

 

 

そう、英語版です!

こちらは 1/10 にオファーをいただきました! 「もちろんAccept しますね!」で、増森さんの「いいね!」リアクション。

こうして、私たちの日英ダブル登壇準備生活(+増森さんの英語漬け生活)が始まったのです、、!

 

3. DevRel とイベントのご紹介

ここで、改めて DevRel と今回のイベントの概要をご紹介します。

 

まず DevRel という言葉を初めて耳にした方も多いと思います。DevRel は Developer Relations の略称です。

皆さんの身近には Public Relations (PR / 広報)を生業とされている方が多いと思います。広報の対象を世間一般(Public)ではなく、開発者(Developer)を対象とするのが、DevRel です!

詳細は以下をご参照ください。(こちらの Moongift 中津川さんが今回のイベントを主催されています)

DevRelとは | DEVREL – 開発者向けマーケティング支援サービス – 

 

次に、年に一回の DevRel の祭典をご紹介します。以下のイベント二つが同時開催されていましたが、私たちは両方へ登壇しました。

DevRel/Japan CONFERENCE 2023は、日本唯一のDevRel に関する知見を交換する日本語のカンファレンスで、2019年より開催されています。

DevRel/Japan CONFERENCE 2023

DevRelCon Yokohama 2023 は全セッションが英語のカンファレンスとなっており、世界中から DevRel に関係する方が集まっています。

DevRelCon Yokohama 2023 

 

4. イベント登壇までの準備生活

さて、そんな素敵なイベントに、まったく基礎知識がなかった私たちが登壇するまでの道のりです。たくさんの苦労がありましたが、2つのエピソードを厳選してお届けします。

 

一つ目は増森さんにとっての英語です。これは本人は辛そうな顔は一切見せていませんでしたが、かなりパワーをかけて取り組んでいたようです。

まず、私たちの Weekly 1on1 がすべて英語に切り替わりました。初めの頃の増森さんは、一生懸命に言葉を選びながら、文章を作ろうとする姿が印象的でした。秋元が「うんうん」って言っていないと、「伝わっていないのかな?」と日本語で補足されました。「その気持ち、分かる」「私も昔、そうだったなー」と回顧しながら、ひたすらスパルタ猛特訓です! 

1on1 以外にも、Ted を毎日4時間聞いていたり、twitter で英作文の練習をしていたり、地道な努力を重ねていらっしゃいました。他にも、増森さんが自分の英語力を爆上げするためのトレーニングを実践されていたそうです。英語学習について、こちらのブログでは割愛しますが、以下の Qiita に詳細が記載されています。

 

外伝:増森さんの英語特訓法 & 英語漬け生活の詳細 Qiita ブログ

実務で英語使わないニッポンエンプラエンジニアが DevRelCon Yokohama で英語登壇するまで1ヶ月でやったこと – Qiita 

 

このような英語漬けの生活をひたすら続けた結果、イベント直前には準備MTGは全部英語で問題なし。また海外からのスピーカーとも、何の躊躇もなく英語で歓談していて、やはり増森さんはタダモノではない、と改めて悟ったのでした。笑 メンタルの強さはもちろん、粘り強く頑張っている姿に日本中が感動したのではないでしょうか。

 

2つ目ですが、まったく新しい登壇スタイルが、私にとっての挑戦でした。登壇が決まってから、登壇する二人でエバンジェリスト定例の会議後に「何を話す?」を相談しました! その時のマインドマップがこちら! 2月中旬の時点で、丁寧に中身を詰めていました。

さて、そろそろスライドを作るか、という2月下旬に衝撃的な事実が発覚しました。送付されたスピーカーガイドを確認してみると、スライドの最小フォントは 24pt で、、、ええ!!!

本業の仕事がコンサルティング・ファームということもあり、たくさんのスライドを書いてきましたが、24pt というフォントは使ったことがありません。普段は 10.5pt〜 14pt がメインです。しかし、最大フォントではなく、最小フォントが24!! これこそ、今までの常識が覆る、天変地異です。

私はこれまでの自分のスライド技術では、早速、太刀打ちできないことを悟りました。そんな時に、登場するのが、相方である「西の増森」!

「こういうスライドは提案型ではなく、インスピレーション型だから、こんな感じで~」(さらさら)

増森さんは、こういったスライドの経験が豊富とのこと、デザインなども参考にさせてもらいました。こうして、話したいことのキーワードだけを抽出して、スライドに落とし込んでいきました。

 

他にも、私たちのイメージにピッタリなスライドができないときは、他のエバンジェリストにも手伝ってもらいました。エバンジェリスト3人(秋元、増森、村田)で「私たちのやりたいこと」をテーマに、3時間ディスカッションした結果、生まれたスライドがこちら!

他にも、やっさん(村田さん)には、ふわっとしたお題で「何かピッタリな英単語ない?」などと、度重なる無茶ぶりをお願いさせていただきました。笑

 

エバンジェリスト以外にも、スライドや登壇台本の英訳をレビューいただいた Kaho さん、イベント直前リハーサルで「そんなに緊張しないで楽しくやったら?」とアドバイスいただいた章太郎さんを始め、支えていただいた皆さまに感謝が尽きません、、!

 

皆さまの力を結集して完成したスライドがこちら!

 

当日のイベントの動画がアップロードされたら、追記しますね!(3月末予定)

 

5. イベント当日の回顧録

それでは、当日の振り返りを対談形式でしていきます。

秋元:増森さん、実際にイベント参加されてみてどうでした?

増森:DevRel/Japan(日本語セッション)は1部屋での実施だったため、かなり多くの人に聞いていただくことができました。DevRel Yokohama 2023(英語セッション) では、イベントの最後のセッションだったのですが、皆さんの元気は衰えることなく盛り上がっており、会場の雰囲気も暖かく、話しやすかったです。また、他の方のセッションも興味深かったです。1日目のマーケティングのお話しは、普段エンジニアとして働く私にとっては新鮮な学びでした。

特に、日本語セッションでは、中津川さん御発表の「テックブログを分析して分かった始めるコツ・続けるコツ」は、個人としてもわかりみが深かったですし、なにより内部のリアクションが重要であるということはどんなものにも通ずる点で、組織の中でまずは自分から動き続ける事が重要だと感じました。

また、英語セッションでは、Joel Lord さんの、「あなたの仕事は、登壇だけでは終わらない(or 始まらない)」というセッションは、イベント参加者として、登壇だけに仕事は終わらず、他の登壇を聞くこと、盛り上げること、そして組織に学びを持ち帰り還元することと、イベント参加者としての心の持ち方、お作法を学ぶ事ができました。

秋元さんはいかがでしたか?

秋元:そうですね、DevRel/Japan(日本語セッション)は100〜150名程度の方に聞いていただいた記憶です。これだけ多くの方の前でお話するので、緊張でガチガチになるかと思っていました。実際には、会場の温かい雰囲気と増森さんの全開トーク、爆笑の渦のおかげで声が震えることもなく臨めました。QA のときに、「素敵なコン、、発表をありがとうございました」と言われたことが印象的でしたね。それだけ素敵な掛け合いコントができていた、ということにします。よかった、よかったです。笑

DevRel Yokohama 2023(英語セッション) ですが、こちらは多くのチャレンジがありましたね。発表は土曜日でしたが、イベントは金曜日から開始されていたため、金曜日に複数の英語発表を聞いてイメージを膨らませていました。言語の壁というよりも、どちらかというとオーディエンスの層が異なる印象を持ちました。海外から参加される英語オーディエンスは、職業として DevRel をされている方が多い印象でした。東京からなどであればコミュニティ側のリーダーも気軽に参加できますが、海外だと本業でない限り参加しづらいですよね。そんなこともあって、発表前日に、英語版冒頭に急遽スライドを数枚追加したり、当日も抜かりなく発表練習したりと、最後まで気が抜けなかったですね。

増森:本業の方々からは発表の質や言語技術など、得るものが多かったですね。オーディエンスの方から「コント」と言われたのは、私も嬉しかったです。普段見ている、関西のお笑いのおかげですかね笑 秋元さん、他にも、DevRel イベントに参加して気になったことはありますか。

秋元:日本語と英語、両方のセッションへ登壇したのは、大変でしたが、それだけ多くの実りがあった、と感じています。日本語セッションには、日本の DevRel や IT コミュニティのリーダーが集まっています。そういった方と初めてお話させていただく貴重な機会でした。また英語のほうは、世界中のプロフェッショナルが集まっています。英語セッションに申し込むと、海外スピーカーと同じDMグループに追加されました。海外ゲストスピーカーが日本を満喫していることが伝わってきました。そして、何よりカラオケが楽しい。なぜ DevRel 人はすべからく、海外ゲスト含め、歌が上手いのか。研究テーマにできそうですね。そんな素敵な方々と一緒に濃い時間を過ごせただけでも、両方のセッションでスピーカーをさせていただいてよかった!と感じました。

増森:そうですよね。

秋元:このイベント前後の1週間、あまりに濃い時間を過ごしました。このブログに収まらないほどに、多くのことを感じ、素敵な経験を積ませていただきました。当日応援に駆けつけていただいた多くの Jagu’e’ r メンバーや、いきなりカメラマンをお願いして引き受けていただいた MagicPod の田上さん(twitter: @TagamiJunko )にも感謝です!

6. イベント参加からの学び

秋元:増森さん、「今回のイベントから学んだこと」でいうと、いかがでしょうか。

増森:一番大きかったのは自分の英語力の向上でした。申し込んだ時には、お世辞にも英語を話せるとは言えない状態でしたが、最後はネイティブスピーカーと懇親会でコミュニケーションが取れるまでになっていました。秋元さんや、Jagu’e’r member からのレビューはもちろん、緊張感を持って取り組んだことで、より自分の学習速度が上がっていたように思います。

また、オンサイトで様々な登壇者が集まるイベント自体初めての参加だったのですが、オンサイトならではの楽しさも知ることができました。懇親会でのネットワーキングでの出会いのおかげで、また新しい活動が始まろうとしているものもあります。秋元さんはどうですか?

秋元:一言でいうと、「意外にグローバルでも戦える」という直感を得ました。私自身、実は過去にヨーロッパで就職しようとして夢破れた過去があります。今回のイベントでは、人生で初めて英語でガチプレゼンをしました。また海外のゲストスピーカーと一緒にディナーやカラオケで時間を過ごしながら、自分が思っていたほどにその壁は高くないのかもしれません。

またここまで大きな挑戦は、私一人では、準備途中で緊張しすぎて胃が痛くなって夜眠れなくなっていたかもしれません。

増森:そんなことないでしょうw

秋元:はい、ちょっと言いすぎました。それでも、ここまで素敵なプレゼンにできたのは、Toshiさん(注:増森さんの English name)と一緒に登壇したからだと思っています。私一人では持っていない知見や経験を持ち込んでいただいたことや、日本語会場を爆笑の渦に巻き込んだ関西トーク、本当に素晴らしいです。私も、吉本新喜劇を見ないといけないですね、知らんけど。笑

こうやって、イベントを通じて、私たち自身も変わっていきます。これは Innovation というより、 Transformation なので、DevRel Driven Transformation とでも言いましょうか。

では、最後のまとめを、増森さんからお願いします!

 

7. 終わりに

増森:今回のイベントの準備は、2本の登壇であることと、人生で初めての英語登壇だったということもあり、すごく大変でした。1ヶ月前から2人で何を話すかをお互い議論し、紹介する取り組みや参加者に向けたメッセージを吟味しました。この1ヶ月、英語学習も含めて頑張ってきたことは、間違いなく自分の糧になったと確信しています。

準備中も、2人でやったから気づけたこともたくさんありましたし、お互いにお互いがgiveし合いながら新しい能力開発にチャレンジできた1ヶ月だったと思います。日英講演、両方ともで強く言いましたが、Jagu’e’r に入ってなければ、秋元と増森は出会うことはなかったと思いますし、こんなコラボレーションも実現しなかったと思います。そしてもちろん、今回のような機会を得ることでお互い新しい能力を身につけることはなかったと思います。

コミュニティの出会いが自分を変えるきっかけになり、それが会社組織に反映され、最終的には世の中自体に新たな付加価値が生まれるものであると思います。今回、登壇の機会をいただいた DevRel/Japan DevRelCon の運営の方々、そして登壇資料や台本をレビューしてくれた、また会場へ応援に駆けつけてくれた Jagu’e’r メンバー、みなさんにお礼を言いたいです。ありがとうございました。

秋元:私たちは、これからもJagu’e’rを盛り上げていきますので、興味ある方はぜひ遊びに来てくださいー!

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