【Google Cloud Day: Digital ’22 Jagu’e’r Session 開催記念】業務でGoogle Cloudを触らないコンサルタント兼データエンジニアの私がGoogle Cloudを学ぶ理由
正直に白状すると、私のいまの仕事ではGoogle Cloudは触らない。
分析基盤の構築・ETL開発の経験はあるが、いまはSIを専門とする部署にも所属していない。
クライアント向けにデータ分析に特化したコンサルティングサービスを提供しているが、現在のプロジェクトで主に使用しているサービスはAWSやセルフサービス型分析プラットフォームなどである。社内の肩書はDigital Strategy Consultant ということになっているが、私の職務内容は概ね一般に”データエンジニア“と呼ばれる仕事が近そうだ。
AWSを使用しているとはいえ、あくまでもクラウドに関する知見はプロジェクト遂行上の背景知識に過ぎない。つまり、Google Cloudを学んでも、私の評価が直接上がることはない。
それでも、私はGoogle Cloudを学んでいるし、学びを継続していくつもりだ。評価にも、給料にも関係ない。
今日はその理由をご紹介したい。
目次
- Google Cloudを学ぶ、たった一つの理由
- クラウドとの出会い
- Google Cloudとの出会い
- 社外の仲間との出会い
- デジタル・クラウド人材育成分科会での遊び
- 遊んでいたら、運営リードへ
- Jagu’e’r での挑戦
- さらなる舞台へ:”Google Cloud Day: Digital ’22 Innovators Hive Japan”
- まとめ:Google Cloud / Jagu’e’r の振り返り
1. Google Cloudを学ぶ、たった一つの理由
私がGoogle Cloudを学ぶ理由は、Google Cloudで出会う仲間が魅力的だからである。
社内外でコミュニティ活動を推進しているが、メンバーに一定の傾向を感じている。
- 好奇心旺盛で、新しい出会い/発見を求めている
- 変化を恐れず、既得権益に固執しない
- どんな意見も否定しない(それが故の圧倒的な心理的安全性)
- 思い付きをどんどん形にしていくスピード感
特に企業横断のユーザ会として、Jagu’e’r の存在は大きい。Googleのカルチャーを反映して、刺激的な空間となっている。私の来歴を通じて、この素敵な仲間たちとの出会いをご紹介したい。
2. クラウドとの出会い
まず私のクラウドとの出会いは、アクセンチュア社内におけるカスケード式トレーニングから始まった。当時、同じ部署に所属し、プロジェクトでお世話になった青柳さんの紹介でAWSカスケード式トレーニングを始めて受講したのは、2020年2月のことであった。
今まで何も知識がない領域へ、初めて踏み出す一歩は厳しい。当時、私は大学で計量経済学を専攻してからアクセンチュアに入社して、まだ1年半の新卒であった。ITの知識も十分ではなかったので、クラウドという技術はまさしく雲のように捉えどころのないものであった。
学習を始めてから1か月程度は、毎週末、自室や駅前のイタリアントマトでAWS Black beltを読みふけった。カスケード式トレーニングではチームで口頭試問を実施するが、一緒に学ぶ同僚に答えられない姿は見せられまいと、意地だけで勉強した。
無事にカスケード式トレーニングを一周すると、当時の運営統括であった青柳さん・横山さんから、AWS講師・そしてカスケード式トレーニング運営を打診いただいた。
そして、そのようなクラウドとの出会い・自分の強みが活かせる場所を得たことで、私は次のステップに進むことになる。私は根っから新しい人と雑談することが好きな性格なので、カスケード式トレーニングという場を通じて、エネルギー溢れた若手の成長をサポートできることはありがたかった。
3. Google Cloudとの出会い
AWSカスケード式トレーニング講師を経て運営の立場になった私は、次第にGoogle Cloudへ注力していく。
私がGoogle Cloudに注力し始めた理由はいろいろあるが、最大の理由は恩師であった青柳さんがAGBG (Accenture Google Business Group, Accenture社内におけるGoogleとのアライアンスを担当するチーム)に所属したことであった。
カスケード式トレーニングはAWS, Google Cloud, Azureの3大クラウドすべてでコースを提供していたが、私はGoogle Cloudカスケード式トレーニングの講師・運営サポートも担当した。
Google Cloudカスケード式トレーニングは、すでに3年実施しており、150名以上の生徒が卒業している(2022年4月現在)。アクセンチュアのGoogle Cloud有資格者数が増加しているが、カスケード式トレーニングはその原動力の一つとなっている。
4. 社外の仲間との出会い
そのようなGoogle Cloud周りの活動を始めていた矢先に、青柳さんから一本の連絡が舞い込んでくる。
2021年4月6日、Google Cloudのユーザ会(Jagu’e’r)に参加する、という主旨であった。好奇心旺盛で新しい世界にワクワクした私は、初めての社外コミュニティ活動への不安を抱えながらも参加した。
参加してしばらくは、「社外の優秀な人と話すのに、会社の看板を背負うので、しっかりせねば…」とひたすら緊張していた。当時の私の緊張っぷりは、デジタル・クラウド人材育成分科会オーナーの坂井さん(Google Cloud)が証言してくれるに違いない。
その後、活動を数か月続けていくなかで、大きな発見があった。
私が参加したデジタル・クラウド人材育成分科会の中心メンバーは恐ろしく人間として魅力的な方々であった。どこか価値観に共感できるところを感じ、坂井さん(Google Cloud)・小泉さん(NTTデータ)・烏山さん(NEC ソリューションイノベータ)をはじめとした運営メンバーの皆さんが、リラックスした様子で運営をされている姿に、すっかり安心してしまった。
そして、私は自由に羽を伸ばして、様々な企画を打ち出していくことになる。
5. デジタル・クラウド人材育成分科会での遊び
デジタル・クラウド人材育成分科会では、2021年4月の設立以降、毎月1本のペースでオンラインのミートアップを開催してきた。また企画準備のため、Slackで活発なアイデア出しや意見交換が行われている。
アクセンチュアにおける人材育成の取り組み(カスケード式トレーニング)をLTにて紹介したほか、各種イベントの企画・運営、ブログ執筆等に取り組んだ。
そのような活動が評価され、2021年10月28日のJagu’e’r総会にて「Jagu’e’r の活動への卓越した貢献、Jagu’e’r や Google Cloud の認知度向上に寄与した個人」に対して贈られる「Jagu’e’r Award」を受賞した。
6. 遊んでいたら、運営リードへ
デジタル・クラウド人材育成分科会で小さな遊びを続けていたら、小泉さんからslackでDMを頂戴した。
このメッセージをもらった時は、24時間ぐらい震えていた。自分と想いを共通する仲間から、きちんと見てもらえていると分かると、やはり嬉しいものである。
自分で本当にその立場が務まるのだろうか、と不安に感じる気持ちはあったが、運営リードにふさわしいかを決めるのは私ではない。当時のデジタル・クラウド人材育成分科会を引っ張ってきた皆さまからのお声がけということで、もちろん前向きにお返事させていただいた。
7. Jagu’e’r での挑戦
そして運営リードを引き受けてから、すぐに大きな波がやってきた。2021年末のクリスマス・イベント企画である。
11月下旬のタイミングで「スペシャルな企画にしたい」と私が我儘を言い出し、ついには「海外からゲストスピーカー呼んできましょう」と突飛なことを言い始めた。運営チームの皆さまは、実現可能性が脳裏をかすめながらも、「おー、なんか面白そうなことを言っているぞ」と前向きに捉えてもらったように記憶している。
一番ネックと思われたのは、1か月弱の準備期間で適切なゲストスピーカーを調整できるのか、という課題であった。誰を呼んでくるのか、候補者リストもなく、限られた時間で調整が間に合う見込みもない。12月の多忙なホリデーシーズンに、時差を承知で参加してもらえるようなゲストなど、すぐに見つかるのであろうか、と多くの懸念材料があった。
しかし、運営チームから否定的な意見が出なかったことをいいことに、皆さまからの建設的なアドバイスを参考にさせていただき、私はこの海外ゲストスピーカー招致を実現させてしまうのであった。
このように前例がなく、明らかにハードルが高そうな思い付きに対して、前向きに歓迎してもらえる土壌に感謝である。
ちなみに、ゲストスピーカーは私のオランダ留学時代に学生寮で隣の部屋に住んでいたルームメイトであった。Brian(写真左下)の登壇の様子について、詳細は以下のブログを参照されたい。
Jagu’e’r Blog: 開催報告: デジタル・クラウド人材育成分科会 – クリスマススペシャルイベント(2021/12/13)
8. さらなる舞台へ:”Google Cloud Day: Digital ’22 Innovators Hive Japan”
このような活動からご縁をいただき、デジタル・クラウド人材育成分科会を代表して、4/22(金) Innvators Hive Jagu’e’r Sessionにて登壇させていただくことになった。
Google Cloud Day: Digital ’22 Innovators Hive Japan
過去の経験や肩書よりも、自由な発想と実行力を評価いただいた、Jagu’e’r らしさ・人材育成分科会らしさに感謝している。このような機会をいただけたことに感謝して、少しでも実りのある時間を参加者の皆さまと過ごせるように準備を進めている。
(事前リハーサルの様子)
9. まとめ:Google Cloud / Jagu’e’rの振り返り
いま振り返って思うことは、Google Cloudに関わる皆さまが恐ろしく素敵、ということだ。
- 新しいことへの挑戦を止めない
- 新しいメンバー/知見を歓迎する
- 異なる意見や立場を否定しない
こういった理念を根底から共有できるコミュニティは、果たしてどれほどあるだろうか。
Jagu’e’rは Google CloudとNDAを結んだ企業の所属社員を対象としているが、実際には個人の集合体だと感じている。私たちが目指す未来に向けて、それぞれが必要な仕掛けを考え実行していく。
もしこの記事を読んでいる方で、会社の業務だけで窮屈に感じている方がいたならば、ぜひ一度、遊びに来ていただきたい。もっとのびのびと、もっと面白いことを楽しむ時間を作って、想像力を爆発させる場所が欲しい、と感じている方もいるかもしれない。
ぜひ皆さんの溢れるエネルギーを持ち込んでいただき、Jagu’e’rで一緒に遊びながら進んでいきたい。
デジタル・クラウド人材育成分科会 運営リード
秋元 良太 (アクセンチュア)