クラウド ネイティブ分科会 Meetup #12開催レポート

こんにちは、クラウドネイティブ分科会運営メンバーの新井です。

 2023年12月13日に開催されたクラウドネイティブ分科会 第 12 回 Meetup の開催レポートをお届けします!

前回と同じく、 第 12 回も Google 渋谷オフィスと Google Meet のハイブリットスタイルで開催しました。第 11 回 分科会から実に半年振りの開催となった今回は、いつもの分科会スタイルから少し趣旨を変え、Cloud Run を中心テーマとした deep dive ネタや事例を中心にどっぷりと特定技術に浸れる会になりました。

今回から新しくクラウドネイティブ分科会の運営メンバーにジョインした 3-shake 佐藤さんのオープニングからスタートです。

 

Cloud Run 孔明の罠3銃士を連れてきたよ

1セッション目はクラウドエース 妹尾 登茂木さんによるリモート LT です。タイトルのインパクトが強めですが、Cloud Run において Direct VPC Egress や In-memory volumes を利用する際に気をつけておくべきポイントがテンポ良く紹介され、現地参加・オンライン参加ともに大変盛り上がりました。

Direct VPC Egress (本ブログ執筆時点ではプレビュー)が登場する前は、Cloud Run が VPC 側に通信する際には Serverless VPC Access の構成が必要でした。一方、Serverless VPC Access にはいくつか制約があり、一度インスタンスがスケールしてしまうと以降スケールダウンされない、ランニングコストがかかる、サイズ計算が手間など、運用上の様々な辛みがありました。

そこで、Direct VPC Egress の登場です。Direct VPC Egress の採用により、これらが解消できます。しかし三方良しかと思いきや、サブネットとして確保すべき IP アドレス数について実は制約があるなど、利用する際に見逃しやすいポイントを端的に紹介いただきました。

 

 

enough instances って本当に enough なの?

2セッション目は妹尾さんと同じくクラウドエース所属の吉崎 広太さんによるリモート LT です。

2023年4月の Cloud Run アップデートとして、デプロイ時に十分なインスタンスを確保するというリリース文言があるものの、その「十分」というのは実際どういう挙動なのか検証してみたという内容です(目のつけどころが素晴らしい!)

 

発表内容では、Cloud Run のリソースを何も変更しなかった場合、CPU を半分に減らした場合、メモリサイズを半分に減らした場合、そして最大同時リクエスト数を半分に減らした場合の計4ケースの検証結果が紹介されていました。

実際の検証結果から得られたグラフを交えながら、Cloud Run の挙動を解説いただきました。ドキュメントだけでなく、実際の値を添えながら見ると、「十分」という言葉への納得感もより増します。

 

ここで少し休憩を挟んだところで、Google Cloud 内間さんより NDA 前提で Cloud Run に関するスケール時の挙動に関して解説いただきました。こういったお話が聞けるのも、 NDA 前提における開催会の特徴の一つだったりします。

 

AI で3分以内に動画を編集・配信するサービスの裏側

3セッション目はギリア所属の土田隼毅さんによる現地LTです。

NDA 前提の発表となるため詳細をお伝えすることはできないのですが、Cloud Run を多分に活用することで、コストを最小限に抑えつつ動画を編集して配信するサービスを作り上げたお話でした。

24h/365d の要件やスパイクアクセスなどのワークロード特性を考慮しつつ、多くのアーキテクチャ構成図を交えながらの Cloud Run 活用事例でした。

 

動画配信に関する Cloud Run の活用事例はあまり表立って聞く機会が少なく、参加者の皆さんもとても興味深々に聞いていました。

 

 

SRE が GoogleCloud 検証環境を頑張りすぎず、でも良い感じに整えた話

4セッション目は 3-shake 所属の横尾杏之助さんによるLTです。

検証環境向けに増えてしまった個人向け無法地帯となった Google Cloud プロジェクトの最適化を目指す話です。単に環境をきれいにしていくだけでなく、ゴールを明確にしつつ、取り組み意義をしっかりと言語化している点はまさにエンジニアリングに対するお手本そのもの。

疎結合や復元性など、クラウドネイティブなアーキテクチャに求められるポイントを抑えながら、Organization のリソースを再設計していく過程を紹介いただきました。

また、Terraform 上の具体的な構成管理を交えながら、各メンバーの責任範囲を考慮している点についても触れられており、対応後のプロジェクトの扱いに対する啓蒙活動や Ops 側に負荷がかからないような工夫等もまんべんなく触れていただきました。

 

 

Datadog Agent を入れて Cloud Run でサイドカーを利用するユースケースを考える

分科会セッションのラストバッターは Datadog Japan 所属の木村 健人さんによる発表です。

今年の Google Cloud Next Tokyo 2023 に先立ち GA となった Cloud Run のサイドカー機能サポートに関して、様々なユースケースを丁寧に解説いただきました。

監視エージェントの導入パターンから始まり、プロキシ構成やサービスメッシュ、データベース接続用コンテナ、アプリケーションの共通処理に関連した分離構成、などなど。
それぞれにユースケース毎における設計上の注意点についても言及されており、サイドカー構成を検討する上でとても有益な情報をたくさん提供いただきました。

なお、木村さんは今年のアドベントカレンダーをなんと一人で実施している猛者だったりします。

https://qiita.com/advent-calendar/2023/aoto

 

 

集合写真

最後は恒例の Jagu’e’r ポーズにて写真撮影🐯

 

 

懇親会!

分科会終了後は現地参加メンバーで懇親会を開催しました。

自社が抱える技術的な課題に関して意見を出し合ったり、クラウドサービスへのフィードバック(?)、次回分科会のテーマ出し、などなど。GoogleCloud 社員の皆さまと一緒に美味しいレモンサワーと串焼きを食べながら、楽しく盛り上がりました。

 

アットホームな雰囲気で初対面であっても距離感がとても近いのがクラウドネイティブ分科会の良さだったりもします。

 

次回開催予告

第 13 回 Meetup は 来年3〜4月あたりの開催を検討しています。次回は DevOps や CI/CD を中心としたテーマを中心としたセッション構成を検討中です。Jagu’e’r 会員の皆さまには改めて告知いたしますので、ぜひ楽しみにお待ちください。

「まだ Jagu’e’r に参加していないけど興味がある!」という方は、ぜひ次項のリンクにて Jagu’e’r およびクラウド ネイティブ分科会へお申し込みください。

 

 

最後に

最後まで読んでいただきありがとうございました!

クラウドネイティブ分科会では、今後も定期的に Meetup を開催していく予定です。こんなテーマを扱って欲しいなど、皆様からのご要望を随時募集しています。また、Meetup 以外にも Slack での交流も実施しております。この記事を読んでご興味を持たれた方は、ぜひ Jagu’e’r への会員申込み & クラウドネイティブ分科会への申込みをよろしくお願いします!

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