クラウド ネイティブ分科会 Meetup #11

こんにちは、クラウドネイティブ分科会運営メンバーの鈴木(直)・上田・中丸です。

 

2023年6月9日に開催されたクラウドネイティブ分科会の第 11 回 Meetup の開催レポートをお届けします。

今回は Google 渋谷オフィスと Meet のハイブリット開催で Google Cloud イベント登壇者をお招きして、生の声をお届け & 最新イベントの振り返りをしました!

 

【現場の本音】App Engine から Cloud Run に移行してみた

dinii のフルスタック エンジニア、かつ SRE を兼務する唐澤さんから、モバイルオーダーを中心に営む dinii さんのビジネスを踏まえ、なぜ今回の移行に踏み切ったのか、運用がどう変わったのかといった流れで大変わかりやすく説明していただきました。

もともと App Engine (flex) を利用していたものの、デプロイやスケーリングが遅いことで運用がとてもつらかったようです。障害時の切り戻しなどはもちろんのこと、dinii さんならではの早朝からデプロイ完了を待たなければいけないといったつらさはたしかにつらい・・

Cloud Run に移行してそういった苦労が改善。細かいところでは、ビルドとデプロイが分けられる特徴を生かしデプロイを高速化しているといった知見も共有してくださいました。また環境変数を活用して、機能や外部サービスのオンオフを実施しているというのはとても勉強になりました。

Kaniko キャッシュを使ってビルドを高速化するなどして、いまや QA のために一日に 5 ~ 10 回デプロイが実現できているそう。

費用面では、上記テクニックも交え Cloud Build も安く使えているようですが、やはり Cloud Run がサービスの負荷に応じて柔軟に自動スケールすることでクラウド支出上の割合も小さくなっているのが印象的でした。

今後 Cloud Run を検討される方に向けては

  • Cloud Load Balancing を最初から検討しておくといいよ
  • DB のコネクション プールを加味して、同時実行数をちゃんと設定しておこう
  • 最近できるようになった Startup prove も設定しておこう

といったお話もいただきました。
唐澤さんの最後の Tips は Cloud Run の PM、Steren をフォローしましょう!ということで。私も今後は Steren 推していこうと思いました!

 

Cloud Day で紹介した ABEMA における GKE スケール戦路 / ASM 活用事例 Deep Dive 編

続いて、AbemaTV の Cloud Platform Group Manager, Software Engineer の永岡さんからGKE スケール戦術 7 選 と、Anthos Service Mesh 活用術 7 選の 2 部構成で発表していただきました。今回は、Google Cloud Day ’23 Tour でのセッション でお話いただいた世界的スポーツイベントでの Google Cloud 活用事例の特別編としてお話いただきました。

まずは、GKE スケール戦術 7 選として、AbemaTV の GKE のスケール戦術についてご紹介いただきました。戦術の内容として、コスト最適化、Node Capacity 不足による Workload の Pending の回避、大規模イベント期間における安定性の追求に触れていただきました。

実際の Node Pool 設計、Workload の Resource Rule などの貴重な情報も交えてお話いただいきながら、「2. Resource Requests の変化に合わせた Node Pool 設計」のパートが終わった時点で、永岡さんから「ここから青くなり、中級編になってきます」の発言が・・・。

濃い内容にも関わらず初級編だったということで、会場では驚きの反応がありました。

最後の7つ目の災害級スパイクアクセスのパートでは、想定外の事象についてこの場限りでシェアいただくなど、Jagu’e’r ならではの内容をお聞きすることができました。
GKE スケール戦術のまとめとして、直近 30 日間の CPU 使用率が画面に映し出されました。これらの工夫の結果、平均 CPU 使用率が 93.2 % となる程、効率よく CPU を使用されていることがシェアされると、あまりの平均 CPU 使用率の高さに会場がどよめいていました。

そして、Anthos Service Mesh 活用術 7 選 に続きます。
Network 処理をASM に移譲し、アプリケーション開発に専念し、堅牢なアプリケーションを実現するための戦術を 7 つご共有いただきました。

終了後、参加者からは、「めちゃくちゃ聴いてて楽しかった〜」「いい講義だった。。。」「めちゃくちゃ面白かったです!」といったコメントが溢れ、続編を期待する声が沢山上がりました。

投影資料は SpeakerDeck に公開されておりますのでご確認ください。
また、今回ご登壇頂くきっかけとなった世界的スポーツイベントについての Google Cloud Day ’23 Tour in TOKYO でのセッション もぜひ御覧ください。

 

Application Modernization / Data Management 系サービスのロードマップ

前2つのセッションがボリューム満点でお腹いっぱいに感じるほどでしたが、恒例のロードマップ紹介も盛りだくさんでした。
まずは GKE から。
ドキュメントにまとまっているクラスタアップグレードのベストプラクティスを簡単に実現する機能や、進行状況や検討が必要な情報を表示してくれるダッシュボードの提供など運用が楽になる機能が続々と登場予定で使い始めやすく、高度な管理もしやすくなると感じました。
Cloud Run にはサイドカーコンテナの実行がプレビューとして提供中、ストレージや VPC との連携などの面で使いやすくなるなど活用の機会が広がりそうです。

データベースではメンテナンスが短く柔軟性が上がることに加え、フレームワークのサポートが追加されることで、安心して使いやすい、選択しやすいラインナップになっていきます。
見逃せない情報もあったので、今後の情報にも要注目です。

 

次回開催予告

第 12 回 Meetup は 9 月 8 日の開催を予定しています。Jagu’e’r 会員各位には改めて告知をしますのでお待ち下さい。

また、まだ Jagu’e’r に参加していないけど興味がある、という方はぜひ次項のリンクにて Jagu’e’r およびクラウド ネイティブ分科会へのご参加申し込みをお待ちしております。

 

集合写真

 

最後に

クラウドネイティブ分科会では、今後もおよそ 3 ヶ月に 1 回のペースで Meetup を開催していく予定です。

こんな回をやって欲しいなどの要望はいつでも募集しています。

また、Meetup 以外にも Slack での交流も実施しております。

この記事を読んでご興味を持たれた方は、ぜひJagu’e’r への会員申込み & クラウドネイティブ分科会への申込みをお願いします!

最新ポスト