CCoE Class Room 【第6回】を開催しました!

KINTO テクノロジーズの岩崎です。
Jagu’e’r CCoE 研究分科会に今回から参加しています。
初参加でありながら、いつもの?ルーレットで Blog 担当を拝命しました。
これからどうぞよろしくお願いいたします。
このポストでは先日おこなわれた CCoE 研第6回目の Class Room を振り返っていきたいと思います。
※ Meet Upとしては12回目の開催!お付き合いいただければ幸いです。

 

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3月1日に CCoE 研究分科会がオンラインで開催されました。

今回は前回の LT 大会の成果もあり多くの新規応募がありました。

全19社27名が参加!
  • KDDI 株式会社
  • NEW KINTOテクノロジーズ株式会社
  • NTT ドコモ
  • PwC コンサルティング合同会社
  • NEW アルテリア・ネットワーク
  • ビジョナル株式会社
  • 株式会社 JALインフォテック
  • 株式会社 エヌ・ティ・ティ・データ
  • 株式会社 G-gen
  • 株式会社エヌデーデー
  • 株式会社スクウェア・エニックス
  • 株式会社セールスフォース・ドットコム
  • 株式会社日本総合研究所
  • NEW 株式会社毎日放送
  • 京セラコミュニケーションシステム株式会社
  • 大日本印刷 株式会社
  • 東日本電信電話株式会社
  • 富士フイルム ビジネスイノベーション株式会社
  • NEW 敷島製パン株式会社

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はじめに:新春 LT 大会 1.26振り返り

1月26日に、CCoE なリーダーの方々がそれぞれの想いを語る LT 大会を開催しました。

当日のアジェンダなど >

多数の方々にご視聴いただき、たいへん盛り上がりました。

MAX 視聴数:107名 MIN 視聴数:103名 CSAT :4.7

という素晴らしい結果!

また、その後の CCoE 研究分科会参加がものすごく増えたキッカケともなりました。

※当日のアジェンダです。アジェンダだけでも興味をそそりますね。

 

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続いて Class Room のようすをリポートします!

今回はテーマ「お悩み相談」で4つの企業ごとの Class Room で開催されました。

 

【 NTT 東日本のお部屋】

大橋さん( KDDI )、藤原さん(ビジョナル)、奥谷さん( NTT 東日本)、秋吉さん(日本総合研究所)、時國さん( NTT 東日本)

 

お悩みその1: CCoE は何からはじめたらいいのか?

 

  • ガイドライン(ルール)を作成の上、チェックリストを作成するという流れで進めていく
  • 基本的にはガイドラインに沿ってもらい、例外については議論の上で認めるなどの運用も必要

 

お悩みその2:本来ならサーバレスにすべき案件を GCE などの仮想サーバベースで作りたいというニーズがある場合、CCoE としてどうアプローチすればいいのか?

 

  • 目的によっては話の持って行き方は難しいがコスト比較や導入方法のサポートなどが有効
  • 会社の環境によっては全てに適合するのは難しいため、導入事例の情報提供や成功事例の共有を実施し社内の透明性を上げ続けることで競争原理が働くような場作りを行うのがよい

 

【学びまとめ】

守り偏重の打開策を見出すことが出来た

KDDI の例でベストプラクティスや設計集を作成するなどの示唆を得た

安直に IaaS にいってしまうユーザーを、クラウドネイティブな設計へのうまい誘導の仕方を学べた

 

【 KINTO のお部屋】

饒村さん( SalesForce )、鈴木さん( PwC )、田中さん富士フィルム)、新妻さんアルテリア)、橋本さんスクウェア・エニックス)、粟田さん( KINTO テクノロジーズ)、岩崎さん( KINTO テクノロジーズ)

 

お悩みその1: ガードレールを運用に乗せるいい方法は?

 

  • 経営レベルで KPI を管理把握する体制がよい
  • 運用をモチベーション持ってやってくれる人を早い段階で巻き込むと良い
  • コード化して人に任せない仕組みづくりが必要
  • できるだけ現場を支援するという形でできるとよい
  • どうしてもインフラだけでチームを作ってしまうとインフラだけの観点に偏ってくるためアプリケーションを巻き込むことでその観点を取り込んで広がりが作れる
  • 会社の規約に全て則る様な形にし、クラウドデザインパターンとして提供した上でクラウドデザインパターンであれば社内申請をパスできる、という形式をとることで統制もできるし野良クラウドの抑制にもつながる
  • 例外的に実施したい場合は CSPM を条件とするとよい

 

【学びまとめ】

ガードレールの展開の仕方がわかった

KPI の設定の仕方に示唆を得た

経営者の巻き込む方法についてヒントを得た

ルールをシステム化することが一つの手だということがわかった

CCoE にアプリメンバーが入っていると良いことがわかった

手続き化もよく効く場合があることを知った

組織のインセンティブ付けが肝要であることがわかった

 

【敷島製パン( Pasco ) のお部屋】

伊藤さん( NTT データ)、柏原さん(日本総研)、吉安さん(敷島製パン)、板垣さん( Google Cloud )、関口さん( NDD )、遠目塚さん( G-gen )、柴田さん( KDDI )、和田さん( DNP )

 

お悩みその1:人材育成ってどうすればいいのか?

  • 人の確保・育成が大事
  • 核となる人材を育成・または中途採用で確保するとよい
  • 社内にいる開発力のあるメンバーにクラウドでのシステム開発を実際に実施してもらう教育
  • 中途採用などの取り組みは担当役員と一緒に実施する

 

お悩みその2:内製化を推進していくためにはどうすればよいか?

  • 何でもかんでも内製化すればいいというものではなく、差別化にもならないことは無理に内製化しなくてよい
  • ビジネス要素が強くて簡単なものからやったほうがいい
  • ビジネス要素が強く、難しいものは内製化した方がいいが最初からやるのは難しい
  • 最初はコンサルや CIer 、SIer に頼りながら徐々に内製化していくとよい

 

お悩みその3:人材のスキルアップはどうすればいいか?

  • 資格取得よりも実戦が効果あるので実際にシステムを作ることが効果的
  • 社外で実務経験を積むことも可能

 

お悩みその4: CCoE はどこにつくるとよい?情報システム部門内で立ち上げる?業務部門にも好きな人がいるが巻き込むべきか?

  • アプリ開発部門で CCoE を運営している
  • 事業部門にいると、コスト削減とかそういう考えではなくいいものを作ろうという考えも生まれる
  • 新しい価値を提供していくような部門に CCoE があるとよい

 

【学びまとめ】

人材の確保と育成をしっかりすることが重要だと再認識した

マニアックな人材を探すと効果的だということがわかった

内製化の有効なポイントを探すことや始め方にヒントを得た

立ち上げる部門はどこが良いのかの示唆を得た

新しいものを作るところが CCoE であるという考え方が新しかった

 

【毎日放送 のお部屋】

 

倉田さん(毎日放送)、長原さん(ビジョナル)、森谷さん( NTT ドコモ)、秋葉さん( JIT )、小泉さん( NTT データ)

 

お悩みその1:みなさんの CCoE の成り立ちってどうだったのでしょうか?

  • ガイドライン(ルール)を引いたら会社全体で動きやすいところがあったため、クラウドの標準化をトップダウンで決めて進めようとしたが、クラウド利用におけるノウハウ不足等でハードルが多く、横軸での CCoE を作って、支援していこうという流れとなった。
  • 非機能要件を全社的に高めていかないといけないという役員の意向で立ち上がった組織が CCoE のはしりになっている。いろんなプロダクトを改善していくなかで、クラウド利用の場合はこの組織が担当しており、非機能要件、品質、ガバナンス、コスト最適などを取り組んでいくなかで、名前も CCoE としたほうが良いとなって今に至っている
  • CCoE として一極集中する仕組みは存在していない。基本はお客様の事業カットで組織があるが、裏に技術部隊がいて、セキュリティやアカウント管理はこの技術部隊がやっている。CCoE に要求されるような機能はこの技術部隊がやっている。クラウド技術部というところもあって、Google Cloud などの開発標準を R&D 的に作成し、技術支援に出ていくという構造。CCoE がトップダウン的に作られたわけではないが、ニーズに各事業部が対応する形でやっている。

 

お悩みその2: CCoE を作ると、そこにまかせっきりになってしまうようなことはあるか?

  • あまりそういうことはない。困ったら相談しようという立ち位置になっている。ネガティブなイメージはあまりない
  • CCoE 部隊が問い合わせに忙殺されることを回避するため、QA を全社員が見られるように公開している。ツールを導入しナレッジを蓄積している
  • CCoE 立ち上げ時にメンバー内で立ち位置の意識合わせを行う。CCoE は活用推進「利用者が活用できる状態にする」と明確に定義している
  • 支援の際に、中身を直接作るところは避け、現場に任せる。やると運用までついてしまうため、あくまで支援という位置づけとしている
  • アプリ開発者へ IaC のコードを共有をしたり、支援ツールの活用などは行っている
  • 会社の人数が多くないため、運用が CCoE メンバになってしまうことが懸念
  • マネージドサービスを使えばそれほど運用工数は膨らまない
  • 教育を推進していくことも必要で教育活動を CCoE のスコープに入れていくことも必要かもしれない

 

お悩みその3:後進を育成したいが、自分が担当する状況であり、悩んでいる。

  • 育てるだけでなく採用で良い人が来ないかとも思う
  • 中々良い人が来ないこともあるので、人を育てる、まずは資格を取るところからスタートすることもある

 

お悩みその4:CCoE がどこまでやるか?そこを上手くコントロールしないといけないが、みなさんはどうされているか?

  • ガードレール的なものを整備し、あとは自由に使ってくださいという形
  • 最初はルールが整備できておらず、徐々に改善・整備していった
  • ゲストがサービスの違いがわからなかったら「勉強してください」という立ち位置。ヘルプデスクを始めると何十人でも足りない
  • ガードレールなどから始めた。そこからコスト最適化などの方向にも進めていった
  • 教育などは一定エンジニアでクラウド全般を使えているため優先度を高めていない、コミュニティ活動やガイドライン作成はこれから進めていく予定
  • ガイドラインは最初移行など伴う時は必要だったが今では必要かという話が上がる。やる前には一度考えた方が良い

 

【学びまとめ】

何から始めればいいの?というヒントを得た

様々な業種、会社からの CCoE 成り立ちを聞き、参考になった

既存のリソースでやれる範囲の役割セットについて理解できた

若手の育成側としての心構えが聞けた

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おわりに

いかがでしたでしょうか? 2022年最初の Class Room 報告ポストでした。

この1年は、新規の参加企業さまも多数増えてきたことから、コアメンバーの設置、議論すべき内容の精査など、運営も色々と工夫を重ねてチャレンジしていきたいと考えています。CCoE に悩んでいる方、ぜひお気軽に Jagu’e’r CCoE 研究分科会のドアをノックしてください!

最後まで長文にお付き合いくださいまして、誠にありがとうございました。

 

【お知らせ】
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Jagu’e’r CCoE 研究分科会

Takashi Iwasaki ( KINTO Technologies )

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