開催報告:JACO#14「明日から使える人材育成方法論 〜リーダー / 実践者から学ぼう〜」

みなさまこんにちは、デジタル・クラウド人材育成分科会です!

2024年5月31日(金)、デジタル・クラウド人材育成分科会の社内人材育成コミュニティ連携イニシアチブ(以下、JACO)は、「明日から使える人材育成方法論 〜リーダー/実践者から学ぼう〜」と第する第14回目の Meet up を実施しました。

今回の Meet up ではテーマに題されているとおり、人材育成の事例に関する LT や、パネルディスカッションが行われました。

※発表者は敬称略

  • 人材育成の事例LT①「プロジェクトと部門の壁を超えろ」(クラウドエース 齋田 達也)
  • 人材育成の事例LT②「精神と時の部屋の入室方法」(G-gen 山﨑 曜)
  • パネルディスカッション「明日から使える人材育成方法論~リーダー/実践者から学ぼう~」(アイレット 廣山 豊、クラウドエース ラリオス 川口、大日本印刷 和田 剛)

所属会社や肩書もそれぞれの登壇者が、経験した人材育成の実例や考え方を、ユーモアを交えつつ LT やパネルディスカッションでシェアしました。開催は渋谷ストリームにある Google オフィスと、オンライン(Google Meet)のハイブリッド形式で行われ、総勢65名の参加者で賑わいました。

当記事では、その熱気の一部をご紹介します。

開催報告記事の執筆 : CTCシステムマネジメント 古林 信吾、TD SYNNEX株式会社 吉川 洋太郎、G-gen 杉村 勇馬、株式会社電算システム 松原 颯

人材育成の事例LT①「プロジェクトと部門の壁を超えろ」

一番手は、クラウドエース 齋田さんによる、「プロジェクトと部門の壁を超えろ」というテーマの LT でした。自社のエンジニア組織において、齋田さん自身がどのようなことを考え、エンジニア育成を図ってきたかがシェアされました。

クラウドエースの組織は、バックエンドエンジニアリング部やフロントエンド・UI/UX部といった、レポートラインとしての「部門」がある一方で、案件ごとに各部からメンバーがアサインされプロジェクトが組成される、いわゆるマトリクス組織の形態となっています。この日の LT では、「部門視点」での発表がされました。

部門が人材育成に対してできることは何があるのか。齋田さんは、「1. 文化醸成」「2. 戦略的なPJアサインによる成長支援」「3. メンバーに対するFBサイクルの形成」「4. 共通言語・標準の形成」を挙げました。

1つ目の「1. 文化醸成」では、組織が文化を醸成することの大事さが述べられました。「みなさん、文化を作るって大事だと思うんですけど…大事だと思いますか?」と、温まりきっていない会場を気遣いずつ問いかけると、うなずく聴衆。今や、会社などにおいて、組織文化の重要性はみなさんの共通認識のようです。

齋田さんの所属するクラウドエースでは、「正直力」や「Working Out Loud!」といったキーワードが繰り返されており、これがメンバーの共通認識となっています。何がよくて、何が良くないのか?これが全員の共通認識となることで、それが文化となり、メンバーのオープンなコミュニケーションに繋がります。リモートワークであるからこそ、大事なポイントです。

次に、「2. 戦略的なPJアサインによる成長支援」です。メンバーのキャリア形成を考慮して、本人がキャッチアップしたい技術領域に関われるようなアサインを検討するほか、ジュニアメンバーはシニアメンバーとセットでアサインする、人間関係を考慮したアサインを行うなど、プロジェクトアサイン時にさまざまな点を考慮してアサインを決定しているそうです。

ただし、アサインはプロジェクト状況や予算など、さまざまな外的要因にも左右されます。この点が悩ましいことは、アサインを検討する立場である筆者も、とても共感できる部分です…。ただし、マネージャーは少なくとも、各々のキャリア形成(進んでいきたい方向)をしっかり意識してアサインを検討することがとても大事だということは、強く共感しました。

続いては、「3. メンバーに対するFBサイクルの形成」です。コンフォートゾーン、ラーニングゾーン、パニックゾーンの3つのゾーンのうち、最も成長が見込める心理状態が「ラーニングゾーン」です。この状態をできるだけ維持できるよう、1 on 1などでフィードバックを行っています。1 on 1が効果的に行えるよう、マネージャ間で勉強会をしたり、1 on 1チートシートを作成するなど、さまざまな工夫をしています。

「コンフォートゾーン、ラーニングゾーン、パニックゾーン」については、筆者も部門のエンジニアに向けて、成長のための心づもりの説明に使ったことがあります。易きに流れすぎず、かといって過酷すぎでもない心理状態に身を置くには、上長とメンバーの双方が同じ認識をもっている必要があります。

次に挙げたのは、「4. 共通言語・標準の形成」です。クラウドエースで社内勉強会を開催する理由の1つとして、メンバー間の共通言語を形成する、というものがあるそうです。勉強会や輪読会を通じて、チームを通して共通認識ができるので、コミュニケーションが円滑になります。

ただし、勉強会には「マネージャーが主導するとトップダウン感が出てしまう」「準備が大変」などの課題があります。それを解消するために、GitHub による勉強会基盤を構築したそうです。ボトムアップで勉強会を開催するハードルを下げるため、この基盤が利用されています。ボトムアップの勉強会の開催には「会社の勤務時間を使って、本当にこの勉強会を開催してもよいのだろうか」という心理的ハードルを感じる人がいます。勉強会基盤に承認フローを組み込むことで、このような悩みにも対応し、かつ上長の支援を受けることもできるようになっています。

「1.」〜「4.」の施策を通じて、メンバー1人1人をラーニングゾーンに誘うこと。これが組織と部門を越えた育成環境の構築のために行われている工夫でした。齋田さんの発表からは、これまでの組織としての苦悩や奮闘が見えてくるようでした。

(株式会社G-gen / 杉村 勇馬)

人材育成の事例LT②「精神と時の部屋の入室方法」

LT2本目は G-gen の山崎さんから、ステキタイトル(某ドラ○ン○―ル)な内容です。

2024年1月に G-gen に Join されたとのことで、主に前職時代のお話だそうです。

まずは、生産性を向上するための法則が共有されました。
何も理解せずに、言われたままタスクを行った場合の生産性を1とした場合、背景や目的を理解してやると1.6倍になり、自分から進んでやると1.6の二乗になるそうです。
その状態(ゾーン)に近づくことが高い成長に繋がるとのこと。

How Google Works を読了された後、これから始まる案件で、ご自分の裁量の中でやれることがないか考えられ、「この案件が終わった時に、どうなっていたいですか?」と投げかけられたそうです。
そうすると、想像している以上に意見が出てきてビビられたそうです。

その中で特に成長された人は、コンサルとか要件定義しかやっていなかった人が、設計や実装をしたいと声を上げてくれたので、試してみてもらったところ、詳細設計レビューや受入試験もやってみたいとスゴイ勢いでどんどん成長されたそうです。
案件終了後、「毎日がいつも新鮮で、こんな成長空間は数年振りでした」と素晴らしいコメントをいただいたとのことです。

その成功について、振り返られたところ、バックキャスト思考でアプローチされたのが良かったとのことです。
バックキャスト思考とは、実現したい未来を起点として、その未来像を実現するための道筋を作成する手法となります。
案件終了時点でのなりたい自分が起点となるため、実現性のある議論ができ、また意見も出やすかったとのことです。

前職の話に続き、G-gen での話もしていただけました。
G-gen に入社するきっかけは、CTOからの発言とのことで、タイトルの回収ですね。

G-gen は、自ら進んでチャレンジできる環境があり、メンバー全員で活動をリスペクトしている人たちである、とのことです。
それにより、好循環のサイクルが生まれ、精神と時の部屋の入室者がどんどん増えるとのことです。

入室のカギは「ワクワクする気持ち!
チームとしての成長も、個人としての成長も、常にワクワクしながら成長していこうと思います!
素晴らしいLTありがとうございました。

(CTCシステムマネジメント株式会社 / 古林 信吾)

パネルディスカッション「明日から使える人材育成方法論~リーダー/実践者から学ぼう~」

ここからは以下のメンバーによるパネルディスカッションをダイジェスト形式でお届けします。

  • ファシリテーター:
    • 根本 泰輔さん (クラウドエース株式会社 技術本部 システム開発統括部 統括部長)
  • パネリスト:
    • 廣山 豊さん (アイレット株式会社 クラウドインテグレーション事業部副事業部長兼内部統制推進室室長)
    • 和田 剛さん (大日本印刷株式会社 情報イノベーション事業部ICTセンター ICTDX本部 DX推進部部長、生成AIラボ リーダー、ITアーキテクト(主席技術員))
    • ラリオス 川口さん (クラウドエース株式会社 エモーショナルエバンジェリスト)

冒頭、本企画の発案者でもあるファシリテーターの根本さんから、「パネリストは、ベンダー側の立場、ユーザー側の立場、トレーナーの立場のそれぞれから招くことができた」と紹介がありました。
そんな、日々人材育成の現場でご活躍の方々が、実践を通して得た学びを共有してくださるということで筆者もとても楽しみにしていました。大変金言にあふれたパネルディスカッションになっておりますので、最後までお楽しみください!

まず最初のディスカッションテーマは「人材育成で各パネリストが意識されていること」です!
ベンダー側(エンジニアが多い企業での人材育成)、ユーザー側(デジタル人材育成)、トレーナー(OFF-JT、OJTでないところのトレーニングをどのように捉えているのか)といった観点からお聞きしてみました。

廣山さん:(ベンダー側から)技術が商品であり技術をお客様に提供するのがミッションなので、エンジニアの勉強はお客様の方を向いていないといけないと思う。文化はトップダウンでは育たない。トップダウンでできるのは統制をきかせること。自分のできることは企業がなってほしい文化にナビること。メンバー醸成はボトムアップ。技術力を上げて欲しいので資格に対する制度作りや勉強に対し補助金をだすところをやっている。技術を話すことによって勉強になるので、社内にiretテクニカルアンバサダー制度を作って色々なところに登壇したり、ブログを書いたりといったことを評価する制度を作っている。

和田さん:(ユーザー側から)人材育成を広義に捉えていてソフトスキルを大切にしている。技術はどんどん新しくなっていくのでそれをどう扱うか、どう向き合うかといったヒューマンスキルが大事だと考えている。それが根付いていれば資格などのハードスキルが変わっていったとしても上手く向き合っていけると考えている。最終的には事業・サービスへ持って行かないといけない。技術的な勉強をするとしてもそれがどのようにサービス・事業の形になっていくかといったところが大事。その過程にある資格も大切だと思うが、その資格を取得して何に使うのか、どのようになっていくのかといったところを見失わないように人材育成をやっている。

実践重視か知識重視かは葉の色が違う程度で本当に大切なのはマインド。

ラリオスさん:(トレーナーとして)主に初級向け、はじめてGoogle Cloudに触れる人に対して行うトレーニングが多い。帰るときに少しでもGoogle Cloudを好きになってもらいたいという意識でやっている。気を付けていることは。まず第一に準備をしっかりとすること。どれだけ分かりやすい言葉に置き換えられるか。デプロイという言葉さえ分からない方がいらっしゃる。(デプロイだったらたとえば「アプリケーションをちゃんと使える状態にする」ことなど)

根本さん:共通言語を作っていくのはどうしているのか。エンジニアで同じ属性を持ってればまだしも、そうでない状態で共通部分をどのように作っていくのか。

和田さん:弊社はIT企業ではないのでITに明るい人は10%もいない。そのため共通言語作りが必要。ラリオスさんがおっしゃる通り、これまでITに触れたことのない方でもわかるような言葉で、IT用語と社内用語をマッピングさせるIT基礎講座のようなものを作って教育をやっている。IT試験のエントリーレベルよりも下のレベルの言葉が通じるようになるための社内研修をつくっている。

廣山さん:実践的な育成としては、手を動かしてよくあるアーキテクチャーを作っていくようなコンテンツを用意している。また、知識は、人に教えたり、説明することで自身の身につくことが多い。先ほどの「デプロイ」という言葉一つとっても、最初はその言葉だけ覚えて、あやふやな理解から入るが、非エンジニアにも伝わるようにきちんと伝えようと思うと、自分自身がしっかりと理解しないと説明できない。そのため、社内勉強会を開く等、自分の言葉で人に話すような場を設けるようにしている。そうすることで、社内勉強会の受講者だけでなく、登壇者自身の育成にもつながると考えている。

2つ目のディスカッションテーマは「ノウハウや経験を継承する方法」です!これまで実践してきたことや考えている取り組みをお聞きしました。

廣山さん:文章化して見えるところに置かないと経験は継承できない。自分一人の経験からのナレッジだけだとたかが知れている。全員の得てきた経験を共有すればもっと良いナレッジになる。特に大事だと思う経験は失敗の経験。M1 (Mはミス、MistakeのM)を行ってこれまで自分がしてきた失敗をプレゼンする大会をしたりしたこともある。心理的安全性のためにも、まずは自分がやった一番大きい失敗を全社員に向けて発表した。それで、自分の管轄だけで良いのでこんな感じにやろうと言ったら一気にハードルが下がりとても盛り上がった。

和田さん:社内で勉強会を頻繁に行っている。月に2~3回のペースで、LT大会のような形で自分の経験を良いことも悪いことも発表する場を設けている。入ったばかりの人でもどんどん発表できるような風土を作っている。一人で学ぶのではなくみんなで体験として学ぶ。資格にしてもみんなで受けたり、ハッカソンのようなことを行ったり。知識と同時に体験を通して体に覚えさせることを大切にしている。それを通してベテランから若手へと自然にノウハウが伝わっていくようにしている。意識をして伝えるのは大変。自然に気が付いたらノウハウが伝わっていたという場作りを心がけている。

ラリオスさん:自分自身がこれまでどのようにノウハウを得てきたかというと、とにかく「パクる」ことだった。Steal with Pride (プライドを持って盗め)という言葉がGoogleにはある。感謝をしながらパクらせていただいて、上手くいったら繰り返していくということを続けてきた。それを体系立てて継承していくということはまだできていないが、トレーニングにサポートではいったときには「こうしたらもっとよくなると思うよ。」という伝え方をしている。トレーニングチームとしては、認定トレーナーになるためのGoogleのレビューの前に社内レビューを開催し、先輩トレーナーの知識やノウハウを伝えている。

3つ目のディスカッションテーマは「若手が意識した方が良いこと」です!

廣山さん:若手だからといってあまり違いを感じたことはない。1年も経てば後輩もできるし、生成AIやプラットフォームエンジニアリングが爆発的に広がっているように、新しい技術が次から次へと出てくる。つまり、みんなにほぼ平等にチャンスがあると思う。若手の方も先輩の方をみて「自分はここまでできていたら十分だろう。」というcap(キャップ)を作ってしまったりするかもしれないが、それはすごくもったいない。もっと視野を広げてコミュニティやグローバルの世界を見て、若手ということを意識せずに自分のやりたいこと、興味のあることを伸ばしていくと良いと思う。テーマの意図から少しずれてしまったかもしれませんが…

根本さん:自分から「精神と時の部屋」にはいっていく感じだと思います(笑) 今日のLTともつながって良かったと思います。ありがとうございます。

和田さん:若手、中堅、ベテラン、みたいなカチッとした世界にいるが、10年先輩の人を見て、自分が10年後この先輩を超えられると思ったらそれはもう「勝ち」ではないか。今の時点よりも未来を見て、今自分が若手ということをあまり考えなくて良いと思う。リテラシーは若い人ほど高い。ベースで勝っているので、努力すればするほど勝っていくと思う。あるクラウド事業者のブートキャンプ(2か月で160時間)を若手からベテランまで皆で受けたとき、最後に評価軸として、そのクラウド事業者の採用基準で「この人が人として欲しいですか?」というランキングをつけていただいたところ1位は若手だった。今業界が求めている人物像が若い方なので、好きなように学んで、好きなようにパフォーマンスしていただけば良いのではないか。ベテラン(=シニアエンジニア)みたいな重鎮は、自分の持っている知識を共有しようとしない、相手のコメントにポジティブなフィードバックをしない、などが理由でGoogleの評価軸だと底辺にいく。古い日本の企業だと成り立っていたがこれからは通用しない。今はオープンマインドが求められていて、そういう企業が成長している。

ラリオスさん:まだ若手だと思っているのですが(笑) 新しい技術の前では皆が同じスタートラインにいる。年齢などは関係なくなる。なのであまりそういうことを気にせずに、先輩だから後輩だからということは抜きにしてストレートに技術に向かい合うのが良いと思う。

4つ目のディスカッションテーマは「生成AIが人材育成に与える影響」です!

廣山さん:これはよりマネジメント層が意識すべきテーマだと思う。例えば、評価に関わる成果物が生成AIを使って作られていて、それが人の手で作るよりも良さそうに見えるかもしれない。それを見抜けるようにマネジメント層も勉強しないといけない。

根本さん:でも生成AIを上手く活用してパフォーマンスが向上することもあると思う。AIの成果物をただ使うだけの場合と、上手く活用する場合の境目はあるのでしょうか

廣山さん:チューニングやプロンプト設計まで含めて使いこなしているのであれば、上手く活用していると言えると思う。また、今の生成AIでは、そこまで考えて使わないときちんとした成果物は出来上がらないと思っている。

和田さん:AIが出力する結果をただ貼るだけでなくて、なぜその結果になるのか深掘りしていくとそれがノウハウになる。つまり、結果へのプロセスを学んでいくことが重要。また、マインド、知識、実践の3つの観点で考えると(テーマ1で登場した木のイラスト)、生成AIは知識と実践を効率化するための手段になる。知識と実践の根になるのはマインドなので、生成AIによって効率化されるとマインドを育てる時間を多く割くことができるので良いことだと思う。

根本さん:生成AIに関して発信していることはありますか

和田さん:対外的な発信はあまりしていないが、画面設計やテストデータなど既に活用している分野がある。工数だけがかかるような作業は減っていくと思うが、最後に判断するのは人間なので、その判断ができる人間になりましょう、という呼びかけをしている。

ラリオスさん:知識の部分はAIが圧倒している。今はトレーニングを受けて生成AIで知識を補完する、という使い方だがいずれは逆になるかもしれない。トレーニングの在り方も変わってくるだろう。

根本さん:トレーニングを受ける人に求められるスキルも変わりますか

ラリオスさん:生成AIを活用するために、わからないことを言語化するスキル、よりコミュニケーション能力が求められるようになる。自分の欲しい答えを導くためのプロンプト設計力が求められるだろう。

和田さん:DNPでは基本社外研修をしないが、例外としてラリオスさんの研修は多くの社員に受けてもらっている。なぜかというと知識ではなくて、どのように教えているのか、教え方を学ぶためにそうしている。実際にトレーニングを受けると参加者を飽きさせないテクニックなどラリオスさんのGoogleCloud愛が伝わってくるが、ここはAIには真似ができないところ。トレーニングの形が変わっても人間のトレーナーは絶対に必要で、超えられない壁がある

5つ目のディスカッションテーマは「学習し続けるモチベーションはなにか?」です!
認定資格をはじめ、様々な学びの形があると思いますが、学び続けることへの姿勢に対するご意見を伺いました。

根本さん:みなさんがより高い目標を目指すモチベーションは、どういったものでしょうか

廣山さん:資格はマイルストーンの1つ。資格を取って何をするかが重要だと思っているので、資格はゴールではない。技術が商品であるベンダーの立場からすると、技術の進歩によって、勉強した部分がどんどん更新されていくのは当たり前のことなので、モチベーションが切れて学ばなくなるというのは無いと思う。もしモチベーションが切れてしまうのであれば、ゴールを間違えている可能性がある。周りとも会話しながら見直していく必要がある。

和田さん:資格合格といっても、どのレベルで合格できたかはわからない。なので、自分の学びの再確認も兼ねて人に教える機会を作る、ということをやっている。様々なレベル感の人に教えることで新たな気づきがある。カルチャーも重要で、なぜGoogleからこのサービスが生まれたのかを考える、という取り組みもしている。

根本さん:ラリオスさん、トレーニングの中で参加者のモチベーションを上げるにはどうしていますか

ラリオスさん:最初に必ず、こういったトレーニングですということをしっかりと伝えて、期待値コントロールをしている。これは1on1などチームメンバーへの人材育成という観点でも同じ。他には、参加者のことを良く知ることも重要で、スキルや経験などをあらかじめ聞いて、参加者のレベル感によって講義内容を変えている。そこにクイズや動画コンテンツなども加えることで飽きさせないようなトレーニングにしている。

パネルディスカッションは以上です。皆様、素晴らしいトークをありがとうございました!

(TD SYNNEX株式会社 / 吉川 洋太郎、株式会社電算システム / 松原 颯)

クロージング

皆様、いかがだったでしょうか?
ベンダー、ユーザー、トレーナーの代表者が揃うパネルディスカッションから素晴らしいLTまで、非常に濃い時間になったと思います。

最後にはいつものジャガーポーズで記念撮影をしまして、本イベント「明日から使える人材育成方法論 〜リーダー/実践者から学ぼう〜」は終了となりました。
登壇者・参加者の皆様、素敵な時間をありがとうございました!

人材育成分科会では、引き続き皆様のキャリアアップを支援するイベントを企画していきます。
初めての方も、常連の方も、皆様とお会いできることを楽しみにしております!

(株式会社電算システム / 松原 颯)