活動報告: データ利活用分科会 第二回イベントレポート

今回からレポート作成に参加させて頂きました、平野と申します。
第1回からレポート作成頂いている増森さんとレポート作成の運営のお手伝いできればと思います。(優しい目で見てください。)

さて、2021年10月14日 12:00-13:00 データ利活用分科会 第2回イベントが開催されました。

分科会2回目としてのイベントは、第1回と同様に多くのご参加を頂き、
また各発表者の大変、学びのある充実した内容で「知の共有」としてイベントは成功を納めました。

今回ご登壇いただきました

  • 澪標アナリティクス 井原 渉様
  • ちゅらデータ 真嘉比 愛様

本当にありがとうございました。

以下、イベントの模様を一部抜粋してご紹介いたします。

LT のご紹介

LT 1. 澪標(みおつくし)アナリティクス株式会社 井原 渉 様
「データ利活用事例のご紹介」

TISインテックグループでデータサイエンスを専門としてご活躍されている企業様になります。
ご紹介は代表取締役の井原様より行われました。

新規流入プロモーションのゲーム内データを使った最適化


ユーザーの行動統制からクラスタリングを行い、継続率/課金率/Life time value を抽出、
「広告媒体、経路毎にどのクラスタがどの程度の割合で流入をするのか?」を
可視化して広告の効率化(費用対効果の向上)を実現されたそう。

検証期間は、広告代理店側の広告とゲームプロデューサーが分析結果を参照しながら実施し、
後者のほうがよい結果を得られたとのこと。

プロを超える結果がでたという事実は驚きでした。

現在の運用段階では、広告代理店が分析結果を参照しながら広告を展開することで好循環な広告展開ができているとのことでした。
すばらしい!

Mobcast広告のPDCAを高速化

通常90日間かかっていたCV(コンバージョン:成果)測定を7日間での予測分析を実施し、広告の改善活動を高速化。

結果として、課金率が2.6倍!、客単価が1.8倍!、売上が5.2倍!と
エグい・・・素晴らしい成果を実現されていました。

クレジットカード配信クーポン最適化

企業からの依頼は当初、「予約する確率が低い人を探したい」だったそう、
たしかに低い人にはクーポンを送る費用はかけたくないですよね。

しかしながら、得られた分析結果は、低い人を抽出することはできないかったが、
予約する確率の高い人の抽出はできた。(ここからが大事!)

その分析を元に、予約確率の高いユーザーに対し、クーポン配布をする、しないのAB分析を実施されたそうです。

その結果、売上自体は6%の減少を見たが、キャンペーンでの利益が40%改善したとのこと。

捨てていた4割が残るって結構な利益創出ですよね。

 

その他にも多く事例をご紹介頂き大変勉強になる内容でした。

非常に感銘をうけたところは、

「達成したい目的(売上や費用対効果向上)に対して、
分析によって得られた結果をどう活用するか?(できるか?)を探求し、
再分析を繰り返すことで目的を達成する。」

といった趣旨のご案内でした。

LT 2. ちゅらデータ株式会社 真嘉比 愛 様
「Vertex AI AutoML Vision Edge を利用したリアルタイム物体検知の事例」

今回2つ目の LT は「『最高に面白い仕事』を沖縄に創りたい!」
ちゅらデータ代表取締役である真嘉比 愛様による、Edge 端末での物体検知 です。

ちゅらデータ株式会社

データ活用に関するコンサルティングを行っており、

  • 基盤構築
  • 収集
  • AI モデル構築
  • システム開発
  • 運用保守

それぞれのスペシャリストを擁し、一貫してサービスを提供できることを強みにしているそうです。

Edge 端末を使ったリアルタイム物体検知

そんなちゅらデータ株式会社の真嘉比様がご紹介してくれたのはリアルタイム物体検知の事例。

なんと登壇時には、「人がマスクをしているかしていないかの判断をする」デモアプリを事前に作成し、実演してくださいました。
以下がそのデモアプリケーションの構成です。

リアルタイムの物体検知の場合、サーバーにアップロードする手間を省きたいため、
Edge 端末(ユーザの端末)上で直接物体検知を実施する必要があるのがポイント。
Edge 端末上で物体検知のモデルが動くように構成しているそうです。

Edge 端末上でモデルを動かすには、以上のように通信によるレイテンシを抑えられる他にも以下メリットがあります。

  • コスト
    • アップロードに伴うネットワーク費用が発生しない
    • GPU サーバーの待機時間が不要のため、運用のランニングコストが安い
  • データの外部転送が必要ない
    • プライバシーに配慮した運用ができる
    • ネットワークから切断された場所でも使える

 

そんな良いことづくめに見える Edge 端末での処理ですが、動作環境の制限から、
「実現したい精度に対して上手く設計をしなければならない」という、難しい課題もあります。

そのため、なかなか敷居が高く、案件に対し実施検証するにも頭を悩ませることも多いのだとか。

AutoML Vision Edge

課題もある Edge 向け AI モデルの開発ですが、AutoML Vision Edge を使うと最初の第一歩が非常に気軽にできるようになるそうで、
今回はこちらの技術を紹介いただきました。

データを準備し、モデルを選んで学習し、端末を選ぶだけで簡単に Edge 端末向けのモデルが作ることができるそうです。
学習結果についても、クイックに確認できるところが、真嘉比様はお気入りだそうです。

「お手軽に試すことができるので、実施検証を非常に低コストで実現できるのが良い!」と、
真嘉比様はこの AutoML Vision Edge を強く推していました。

私も今度、使ってみようと思います!

全体を通して

今回も、第一回イベントに続いて、登壇者様の非常に興味深いセッションと、
積極的に質問やコメントをチャットで投げかけてくれる皆様のおかげで大成功でした。

ありがとうございました!

個人的な感想としましては、

井原様の LT では、「お客様が達成したいこと、なんのためにデータ分析を行うのかに立ち返って最適な提案をする姿勢」に感銘を受け、
真嘉比様の LT からは、普段自分があまり使わない技術に関する貴重な情報が得られて、

非常に質の高いランチタイムになりお腹いっぱいになりました。
お二人とも、ごちそうさまでした。

次回開催告知!!

毎回素晴らしい学びを得られるデータ利活用分科会のイベント、第3回が早くも開催決定です!!

次回は 2021年12月15日夕方の開催で、年内最後のイベントとなります!!

年末2時間スペシャルはすでにご登壇者様も決まっております。
第一回目、反響の大きかった「あの方」です。

皆様、お楽しみに。そして、今からご予定の確保をお願いいたします…!!

また、本記事を読んでいただき「参加したい!」と思っていただいた方も、このタイミングで Jagu’e’r 及び、分科会への参加、また、演題提供大歓迎でございます。
分科会運営のお手伝いをいただける方も募集しています。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。