開催報告:エネルギー分科会#3【エネルギー分科会 祝一周年!】

こんにちは。Jagu’e’rエネルギー分科会 運営の川島です。

本記事は5月10日(金)に開催したエネルギー分科会の第3回Meetupの活動報告となります。
今回は技術系の話が盛りだくさんの攻めたMeetupになりました!

ぜひ最後までご覧ください!

 

当日のアジェンダ

 

本MeetUpはGoogleさんの渋谷ストリームのオフィスとオンライン(Google Meet)のハイブリット形式で開催されました。

第3回イベントは総勢30名以上の皆様にご参加いただき、オフライン・オンラインとも盛り上がりを見せました。

 

エネルギー分科会について

エネルギー分科会は、エネルギーに関わる様々なテクノロジーの取り組み事例の共有のみならず、
逆に、テクノロジーカットからエネルギーに関連する領域への適用案の共有や提言、他の領域への展開なども含め幅広く交流・意見交換ができる場として生まれました。
世界が脱炭素や分散型モデルなど変化があるなか、テクノロジーを上手く組合せていくことで日本を元気にしていく新しいことにチャレンジするキッカケの場にしたいと考えています。

 

当日のプログラム紹介

特別講演:あらたな社会インフラを創るテックカンパニーを目指して / 株式会社enechain 青戸 了さん

特別講演として、株式会社enechainの青戸さんが登壇されました。

同社の規模が大きくなっていく中で生じた課題とそれをどう乗り越えたか。また、スタートアップのシステム開発について話していただきました。

 

enechainの事業概要

enechainさんは、国内最大のエネルギーのマーケットプレイスを運営するスタートアップです。ボラティリティ(価格変動率)の高い電力スポット価格に対してリスクヘッジできる流動性の高いマーケットを創出することを目指しています。
また、流動性のあるマーケットを作るために様々な顧客の課題を解決するプロダクトを展開しています。

 

テックカンパニーを目指して ~創業期~

創業期は「プロダクトを早期に世に出す」ために、開発スピードを最大化することが課題でした。事業開始時はなんとエンジニア未経験の2名で開発をスタート。
限られたリソースで開発を進めていくために、大きく3つの工夫がありました。

  1. アーキテクチャ設計:サーバーレス、マネージドサービスの利用を徹底し、管理のしやすい設計に
  2. 開発言語の選定:生産性を最大化すべく、フロントエンドとバックエンドの開発言語をTypeScriptで統一
  3. トイル削減:繰り返し行うタスクは自動化

これらを実施することで開発スピードを最大化。短期間でプロダクトリリースを達成しました。

 

 

テックカンパニーを目指して ~チーム拡大期~

チームの規模が拡大していくにつれ、次第に少人数・速度重視で構築した開発基盤にフィットしなくなってきました。また新規メンバーがドメイン知識を十分にキャッチアップできない問題も発生。enechainさんはこれらをどう解決していったのか?本講演では以下の4つを話してくださいました。

  1. GKEへの移行:アプリケーション基盤を一新し組織のスケールに対応
  2. デプロイフローの改善:プロダクトごとにバラバラだったデプロイフローを統一
  3. 組織全体でGKEを活用するための取り組み:社内ハンズオン等のオンボーディングを実施
  4. ドメイン知識獲得のための環境整備:社内教育やユビキタス言語のDB化を実施

GKEへの移行は実施タイミングについて社内でも議論になったそうですが、将来的なプロダクト・組織のスケールを見越して導入を決断したそうです。

Pod Security Admissionなどのポリシー制御によりプロダクト横断でのガバナンスが効きやすくなりフレキシビリティも大幅に向上。環境構築の自動化も容易となり効率化を実現しました。

また、GKEを組織全体で活用するためにハンズオンを実施。現在ではほとんどのエンジニアがKubernetesの利用を自走できている状態だそうです。その他、ドメイン知識をキャッチアップできる環境を整備したり、ハードを切り替える際にソフト面もしっかりと対策する重要性を実感しました。

 

テックカンパニーを目指して ~直近~

体験の統一や開発スピードのさらなる向上に取り組んでいます。複数のプロダクトを行き来した際に、見た目や使用感が統一されていることが重要らしく、デザインシステムの整備にも力を入れているそうです。開発スピードを向上させるためには、アプリ基盤チームを立ち上げ共通するサービスやライブラリとして提供しています。結果として、enechainさんらしいプロダクトを次々にリリースしています。

インハウスのテックチームを育てたことで得られた成果

当初2人から始まったテックチームも現在は63名(全社員の40%、2024年5月時点)にまで拡大。インハウスのテックチームを育てたことで得られた成果は、大きく2点あったそうです。

  1. 外部環境の変化に素早く対応できる
  2. 品質や技術力を継続的に向上できる

スタートアップゆえ外部環境の変化が激しく、プロダクト要件が変更になることもしばしば。事業優先度に応じて柔軟に体制を変えられるチームがあることによって確実に事業機会に繋げることが可能になりました。
社会インフラとして長く使われるサービスを提供するためには、品質とそれを支える技術力を高めることが必要であり、インハウスのテックチームでは、自発的にそれらを実現するための風土が醸成できたそうです。

会社の規模が変わっていく中で生じる課題をどのように考え乗り越えたか。リアルで学びのある講演でした!

 

LT1:エネルギー分科会の振り返り / フューチャーアーキテクト株式会社 住 健太さん

続いてのLTはエネルギー分科会リーダーであるフューチャーアーキテクト株式会社の住健太さんからエネルギー分科会の活動を振り返っていただきました。

2023/3/30に発足後、これまで2回のMeetup開催、展示会見学、Jagu‘e’r Park Winter‘23に参加しました。

分科会立ち上げ時の「エネルギー×テクノロジーで日本を元気にしたい」、「新しいことを始めるきっかけを作りたい」という思いは変わらずに
これからも参加者の皆様とのつながりを広げていきたいと思っています。引き続きエネルギー分科会をよろしくお願いします!

LT2:再エネ事業会社様事例紹介 / 株式会社primeNumber 庵原 崚生さん

最後のLTを飾ったのは株式会社primeNumberの庵原崚生さんです。

テーマは再エネ事業会社様事例紹介と題して、データ基盤の構築とそれを通しての学びを共有していただきました。

本ブログでは共有いただいた事例から1つを抜粋してご紹介しようと思います。興味のある方はぜひイベントにご参加あれ!

 

primeNumberの事業概要

primeNumberさんは、「あらゆるデータを、ビジネスの力に変える。」をビジョンに掲げているデータテクノロジーカンパニーです。データエンジニアリングにフォーカスしたサービスを提供しています。今回はデータ統合を自動化しデータエンジニアリングにかかる工数を削減するフルマネージドETL/ELTサービス「TROCCO」を用いた事例を紹介してくださいました。

 

事例紹介:蓄電池電力取引最適化プロジェクト

蓄電地制御システムの安定かつ円滑な運営と電力取引の最適化のために、最適化計算の利用とデータの高度連携をBQ/GCS/CloudFunctions/TROCCOを通じて実現した事例になります。
構築に際して、

  • 利用するシステムが多かい、大規模プロジェクトであった
  • データの待ち合わせや計算ロジックなどのデータの扱い方が難しかった

などの点で苦労したそうです。その分得られたことも多かったようで、

  • 電力系の大規模データ基盤構築のプロジェクト推進
  • システム設計・構成・開発方針
  • サービス理解(BigQueryの利用に際してのベスプラの再認識とTROCCOの優位性と弱点の理解)

を学べたとのこと。様々な業界・企業の皆様の事例を聞けるのはJagu’e’rならでは!と改めて感じました♪

 

懇親会の雰囲気

今回はGoogleさんで懇親会を行いました。おしゃれな空間にテンションが上がりました笑
様々な業界・業種の方々と交流でき、とても刺激的で楽しい時間を過ごすことができました。さらなる学びと成長をしたい。そう思える素敵なイベントでした!

今後もイベントを開催予定ですので、ぜひご参加ください♪

さいごに

特別講演 青戸了(株式会社enechain)
LT1 住健太(フューチャーアーキテクト株式会社)
LT2 庵原崚生(株式会社primeNumber)
運営 住、杉田、久保、笹口、川島、山時、堀地
※このブログに掲載している内容は参加者個人の見解であり、その組織を代表するものではありません。