アドベントカレンダー実施の極意。Jagu’e’r Tech Writers 分科会 Meetup #2 を開催しました!
Jagu’e’r Tech Writers とは?
Jagu’e’r Tech Writers (以降 Tech Writers) は、Jagu’e’r (Google Cloud のエンタープライズユーザー会) の情報発信を盛り上げる!をテーマに発足した分科会です。2023年8月に立ち上げました。
Tech Writers では、情報発信を盛り上げるための様々なアクティビティを実施予定です。分科会に参加することで、スキル、ナレッジ、ノウハウ、コツなどを楽しみながら高めあえる場を目指しています。
Jagu’e’r Tech Writers Meetup #2 を2024年2月2日(金)にオンラインで開催しました。第2回目は年末に繰り広げられた「アドベントカレンダー」をテーマに、Google Cloud に関するテックブログをはじめとした情報発信を積極的に行っている Google Cloud パートナーさん、そして Google Cloud Japan のエンジニアチームから LT 会を行いました。本ブログでは各セッションをレポートします。
なお、第1回目は社内の情報発信文化について発表しました。レポートがありますので、ご興味のある方はこちらもご覧ください!
Google Cloud Japan での Tech Blog from Sho
Google Cloud のパートナーエンジニアの Sho さんから、Google Cloud Japan で企画したアドベントカレンダーのテーマと、投稿された記事の内容について紹介いただきました。
Google Cloud Japan では 2022 年と同様、2つのアドベントカレンダーを企画しました。
Google Cloud Japan Advent Calendar 2023 (通常版)
https://zenn.dev/google_cloud_jp/articles/65eb509ce7dc91
通常版は新サービスや最新アップデートの使い方などを中心に紹介しています。2023年にローンチされた注目のサービス・アップデートについて効率的にキャッチアップできるようになっています!
Google Cloud Japan Advent Calendar 2023 (今から始める Google Cloud)
https://zenn.dev/google_cloud_jp/articles/65eb509ce7dc91#今から始める-google-cloud
「今から始める方向け」と題して、Google Cloud が提供するサービスの基本的な内容をまとめたアドベントカレンダーです。幅広いエンジニアの方に興味を持ってもらいたいという点もありましたが、この取り組みは社内での書き手を増やすといった効果もあります。
ブログの内容の傾向
次のグラフは各記事で取り上げているサービスのカテゴリ別の割合です。
まずは入門版 (今から始める Google Cloud) から。Cloud Run をはじめとした AppMod (アプリケーション モダナイゼーション) のカテゴリが最も多い結果になりました。アプリケーションをクラウドで動かす上ではクラウドネイティブなサービスがおすすめですので、とっつきやすいという意味で入門として多く取り上げられているのも納得です。
通常版も AppMod が最も多く、続いて AI と DB という結果になりました。2023 年は生成 AI 系のサービスのローンチが数多くあったため、それらをテーマとした記事も多かったです。
記事 Pick up!
通常版・入門版あわせて、特におすすめの記事をご紹介。
Google Cloud をゼロから学ぶならこれ! おすすめの学習リソース
https://zenn.dev/google_cloud_jp/articles/6a8a0e571841ef
- Google Cloud 始めてみたい、でも何から始めたら良いか…という方にピッタリの記事
- サービス比較ドキュメントでは、AWS / Azure ではこれ!といった比較表が便利
- いきなり触ってみるのもオススメ
- クレジットカードの登録が必要だが、$300 のクレジットがあるので、いきなり課金されることはない
- クイックスタートを見て、迷わず始めよう
- Compute Engine で Linux VM インスタンスを作成する
Cloud Run で Pull Request 毎の確認環境を作ろう
https://zenn.dev/google_cloud_jp/articles/f7469868d64802
- Cloud Run をアプリ基盤ではなく、開発用途で利用する事例のご紹介
- GitHub Actions を利用して、Pull Request のマージをトリガーにして Cloud Run へデプロイ
- マージされた内容をすぐに試せます!
DORA 2023 度版 State of DevOps Report
https://zenn.dev/google_cloud_jp/articles/state-of-devops-report-2023
- 昨年度に続き DORA のレポートをまとめた記事
- DORA とは、DevOps を軸に、組織で高い IT パフォーマンスを実現する方法Software を効果的、効率的に開発、運用するための方法の変化を捉え、改善指針を得ることを目的に調査研究をする Google Cloud 内のチームです!
- 2023 年サマリー(詳細が気になる方はご一読を!)
- 開発速度と製品の安定性は両立可能
- ユーザフォーカスは、パフォーマンス改善につながる
- 健全な文化は、組織のパフォーマンスを改善する
- 質の高いドキュメントは、DevOpsの成果を後押しする
- クラウドは使うだけではなく、柔軟性を活かすべき
Visual Studio Code で Duet AI を使ったコード生成を行う
https://zenn.dev/google_cloud_jp/articles/duetai-vscode
- 今流行りの生成 AI で、コード生成を試してみた記事
- 本記事では、エディタとしても人気の高い Visual Studio Code を取り上げている
- Duet AI は、AI 単独で業務を完結させるものではなく、人間のタスクの一部を任せたり、AI と共同で作業をこなしていく、という思想で開発されている
- 2023/12/7 以降、Google Cloud プロジェクトがあればどなたでも利用いただけます!
- ペアプロをする感覚で Duet AI を使い始めてみるのはいかがでしょうか?
GKE をこれから学びたい・詳しくなりたい人向け!おすすめ学習リソース集
https://zenn.dev/google_cloud_jp/articles/gke-korekara-learning
- Google Cloud の中でもちょっと難しそう、と感じるプロダクトといえば GKE じゃないでしょうか?
- 本記事では、オススメのブログ記事や動画、事例などをご紹介しています
- エンジニアの方向けにサンプルコードやベストプラクティスにも触れられています
- 実践がお好みの方向けに、定期的にハンズオンも提供されています!
- 本記事を読んで、GKE Editions が登場したりとますます盛り上がっている GKE に是非入門してみませんか?
Google Cloud Champion Innovators Advent Calendar
https://adventar.org/calendars/9217
今年は上記以外に、Google Cloud の Champion Innovator の方々によるアドベントカレンダーも実施していました。Champion Innovators は、Google Cloud のプロダクトやサービスの技術エキスパートである Google 社員から指名された 500 人を超えるプロフェッショナルのグローバル ネットワークです。
Champion Innovator 目線でしか語れない Google Cloud の魅力がたっぷり詰まったアドベントカレンダーになっています。ぜひチェックしてみてください!
Advent Calendar を書いてみて、読んでみて
- 個人として
- 知識のアウトプットをすることで、理解の整理に繋がった
- わからないところがわかるようになった
- 全体を俯瞰してみて
- 見て(Likeして)くださっている記事により、トレンドがわかるようになった
- 「この人にこの記事を書いてほしい」というモチベーションが生まれた
ひとり Cloud Run Advent Calendar 編集後記 from Swacchi
私、Google Cloud のカスタマーエンジニアの諏訪は初めてひとり Cloud Run Advent Calendar を実施し、無事完走できました。
なぜひとりアドカレをやったのか、なぜ Cloud Run をテーマにしたのか、そしてやってみた感想や気づきなどをシェアしました。
ひとりアドベントカレンダーを実施した背景
個人的にはひとりアドベントカレンダーを初めて実施したわけですが、その背景は ひとりアドベントカレンダーをやってみたかった に尽きます。めちゃめちゃシンプルな理由です (笑)
テーマを Cloud Run にした背景としては次のような点があります。
- TAP を通して紹介した Cloud Run の機能を広く伝えたかった
- TAP を実施する上でのリソースを作りたかった
- 改めて Cloud Run の知識をまとめたかった (今年のアップデート含め)
- もっと多くの人に Cloud Run の良さを知ってほしい
TAP とは Tech Acceleration Program の略で、アプリケーション開発を内製化したい企業様向けに提供している3日程度のワークショップです。2023年は多くの企業様に提供し、その中で「ここがわからない」「こういうリソースがあると嬉しい」といった声を多くいただきました。そのアウトプットをするために Cloud Run をテーマにしました。
ひとり Cloud Run アドベントカレンダーのコンセプト
アドベントカレンダーはコンセプトも設けて書きました。それは「Cloud Run の基本を触って覚え、アーキテクチャが構成できるようになる!」というものです。Cloud Run の基本的な機能の紹介と最近のアップデートで使えるようになった便利な機能の紹介、そしてそれを踏まえていくつかのユースケースに沿ったアーキテクチャと実装手順なども解説しています。
記事の投稿順は本来であれば順を追って書ければ良かったのですが、執筆時間の関係から順不同で紹介しています。後日改めて、何らかの形 (例 : Zenn の Book など) で再編集版を公開できると良いなと思っています。
毎日書くためのテクニック的なこと
ひとりアドベントカレンダーを実施するにあたり、11月中に半分くらい脱稿していると理想だなと思っていましたが、実際には12月中に毎日その日の記事を書いていました。毎日書き続けるには「どのように執筆作業を効率化するか」が大事になってきます。今回は書くにあたり、次のような点に留意しました。
- 各記事のテーマはあらかじめリスト化しておく
- あくまで目安のため、実際には微調整 (入れ替え、分割など) しながら書く
- ローカルで VS Code + Zenn CLI でプレビュー
- Web プレビューよりも高速に確認できる
- テンプレ.md から記事を作ることにより、タグ設定などの手間を省力化
- キャプチャ画像編集は Mac のプレビューでクイックに
ちなみにひとりアドベントカレンダー以外のアドベントカレンダーにも参加していましたので、アドベントカレンダー期間中は1日1本以上書いていました。
- Google Cloud Japan Advent Calendar (通常版)
- Google Cloud Japan Advent Calendar (入門版)
- Digital Identity技術勉強会 #iddance Advent Calendar 2023
そのくらいの頻度で書くには上記のような省力化・効率化するための工夫が必須になるので、ぜひ実践してみてください。
ひとりアドベントカレンダーを行ってみて
- 健康的に完走したい場合は前月(11月)にどう動くかが重要
- 突発的な状況変化があっても対応できるように余裕を持っておく
- 途中でインフルエンザに罹った時期があり、大変だった…
- レビューが必要な場合はより前倒しで書く必要がある
- アドベントカレンダー (毎日投稿) の場合は休日・祝日も含まれる
- レビューを休日・祝日にお願いする形にならないようにする
総じて、いっぱい書くと良いことしかないに尽きます。2024年もアドベントカレンダーに限らず、年間を通してたくさん書きたいと思います!
人はなぜひとりアドカレをするのか from AoTo
Tech Writers 分科会の新しいコアメンバー、Datadog の木村さんもひとりアドベントカレンダーを無事完走された一人。
なぜひとりアドカレをする経緯に至ったか、またやってみた感想などをシェアいただきました。なおアドベントカレンダーを実施してみた感想はアドベントカレンダー25日目の投稿としてまとめられているので、こちらもあわせてお読みください。
アドベントカレンダーとは
- クリスマスの期間に日数を数えるカレンダー
- 起源
- 19, 20世紀、プロテスタントの最大宗派であるドイツのルター派
- 目的
- キリスト教の最大級のイベントであるクリスマスまでの24日のカウントダウン
- 派生
- プレゼント(コスメ・お菓子 etc)、ブログ、スポーツなど
- さまざまな会社がプレゼント用のアドベントカレンダーを販売している
- クリスマスプレゼントとは違って、毎日何かあるお得感がある
- 起源
- 技術ブログ
技術ブログのアドベントカレンダーが2000年から始まっていたのは初耳でした。そんなに前から行われていたんですね。
Qiita Advent Calendar とは
- 2011年から始まった、技術テーマに沿って毎日参加者がブログを投稿する形式のアドカレ
- アドカレへの投稿は Qiita への投稿以外に、リンクを貼るだけでも良い
- 完走賞がある (Qiita に投稿している場合のみ)
- 条件を満たすことで全員に景品やデジタルバッジがプレゼントされる
- 特に魅力的なのは Qiitanぬいぐるみ (ニコニコver)
- 2023年は120名以上が達成
Qiita に投稿すると完走賞があることも、初めて知りました。もらえるかと思いきや Qiita 投稿のみなので筆者は対象外でした…。
AoTo Advent Calendar とは
-
- AoTo さん個人のアドベントカレンダー
- アウトプットへの苦手意識の克服
- ブログを書く習慣づけ
- 「自分」の技術ポートフォリオの提示
- 気になっていたことをまとめる機会
- テーマ
- Datadog, Observability, SRE, AWS, Google Cloud, Azure, OpenTelemetry, Prometheus, Kubernetes
- 事前に用意しているものはなく、全て当日に執筆
- 執筆後の影響
- AoTo さん個人のアドベントカレンダー
- 多くの人に見てもらい、反応を貰いたまに少しバズった
- 関係者や知り合いにも関連の話題をする際に紹介できる
事前に何も用意せずに当日に執筆したとのこと。何も用意せずとは…凄すぎます。
関連の話題をする際の参照先に使える点はブログを書く上での大きな効果の一つですね。業務に関わりの深いテーマだと、1つの記事が複数のお客様へのご案内に使えるので効率的です。
分析
AoTo さんは Datadog に所属されていることもあり、Datadog やオブザーバビリティに関するテーマの記事を中心に執筆されていました。最新のアップデートも抑えられているので、必見です!
まとめ
- アドベントカレンダーはアウトプットをする良い機会
- ひとりアドカレはさらに成長する良い機会
- ひとりアドカレの目的はそれぞれ
- 自分は「技術ポートフォリオ」を作ること
- アドカレへの参加から初めてみましょう🐶
- 2024年は Jagu’e’r TechWriters 分科会でアドベントカレンダーをしたい!!
ひとりアドベントカレンダーはアウトプットするスキルが上達するだけではなく、取り上げるテーマに触れる機会が必然と増える (触ってみたり、細かく調べたり) ので、成長する良い機会だと本当に思います。
アウトプットにまだ慣れていない・まだやったことない方はいきなりひとりアドベントカレンダーをやるのではなく、すでにあるアドベントカレンダー企画に参加するところから始められると良いと思います。Qiita のアドベントカレンダー一覧 (2023年のものはこちら) から、関心のあるテーマを見つけるのもおすすめです。とはいえ2024年のアドベントカレンダーの時期はまだ遠いので、いまの時期としては別な機会で始めた方が良さそうですね。
まとめ
アドベントカレンダー自体は12月に実施するものですが、このような「ブログをリレー方式で書いていく」という企画自体は12月に限らず実施すると良いんじゃないかと思っています。毎日とは言わず週1回の連載形式でも、定期的、継続的に書いていくことが習慣化されていくための取り組みとして有効ではないでしょうか。
今回の Meetup は2人が “ひとりアドカレ” の実施者だったので、ひとりで書きまくるナレッジに偏りましたが(笑)、とはいえひとりでたくさん書きたい方もいらっしゃると思います。そういったナレッジもぜひ参考にしてください。
次の Meetup の予定
Tech Writes Meetup はこれからも月1回ペースを目標に開催していく予定です。次回は3月29日に開催します!テーマは「シェアしたい Tips」で、ブログなどの情報発信において知ってほしい Tips をシェアしあいます。スピーカーも募集しますので、興味のある方はぜひご参加ください!
- 日時 : 2024年3月29日 16:00 – 18:00
- 場所 : オンライン (Google Meet)
- 参加方法 : Jagu’e’r に参加の上、ご登録ください。
皆さんのご参加、心よりお待ちしております。