活動報告: データ利活用分科会 第五回イベントレポート

みなさまこんにちは!

長い GW、いかがお過ごしでしたでしょうか?

今年は最長10日、かつコロナな世の中もだんだん収束に向かいつつあり、久々に遠出された方も多かったのではないかと存じます。

さて本稿は、そんなながーい GW 明け3日目に開催されたデータ利活用分科会 #5 お悩み相談会の模様をお届けします。

今回のイベントはデータ利活用のための組織教育に悩めるみなさまに向けて、ヤマハ発動機藤井さん、澪標アナリティクス井原さん、大阪ガス岡村さん、アクセンチュア青柳さん、横山さんの5人の方に事例をご紹介いただきました。

これまでの当分科会のイベントで反響の大きかった面々の方々…

まさに「お悩み相談会」に相応しい!いつもありがとうございます!

 

また、事例紹介後は本イベントは当分科会では初となる、ブレイクアウトルームに別れてのディスカッションを実施しました。

そちらでの内容も、お伝えしていきたいと思います!

LT のご紹介

LT1: ヤマハ発動機 藤井 北斗 様
「ヤマハ発動機のデータ分析人材育成事例 」

最初の LT は第一回イベントで非常に反響の大きかったヤマハ発動機 藤井さんより教育事例のご紹介です!

教育の粒度細かい教育カリキュラムの内製が印象的だったのを覚えています。
今回は、一部その紹介がありつつ、去年の成果、社内での啓蒙活動までお話ししてくれました。

藤井さんはヤマハ発動機で自動運転システムの開発を経て、現在はマーケティングから製造現場まで非常に幅広いデータを扱うデータサイエンティストとして活動してらっしゃいます!
データ分析だけでなく、製造業である会社にとっては非常に幅広い知識をお持ちなようで、素晴らしいですね。
筆者も製造業で生きているので、現場あるあるとか、一度語り合ってみたいです!

そんな藤井様が所属していらっしゃるデータ分析 Gr. は、「ヤマハ発動機をデータを当たり前に使いこなせる会社に変える」ことを Vision に、データを活用した意思決定やアクションを全世界の事業部門と共に実行しており、また、全社でデータ分析の民主化推進を実施しているそうです。

まずはデータ分析と言っても、「社員がデータ分析によって何を実現したいのか」、「なぜ現実的にはできていないか」の分析。

こういった部分からしっかりデータを取り分析しているところ、徹底しているなと思いました。

内部に近い人間ほど、こういった声を、「わかっているつもり」で流しがちだからです。
アンケートを取り、何を求めているかを今一度しっかりと可視化して向き合っているところからも、成功の所以が伺えますね。

さて内容はというと、現場はデータを活用することで、「市場データの活用」や「部品の予測」をやりたいなど、アンケートからやりたいことは明確に持っていると見えたとのこと。

ただし、やりたいことが明確にも関わらず現実がついてこない時には、その理由があるもの。

理想と現実のギャップは、「分析ツールが会社でオフィシャルに導入されていないこと」「そもそも分析・解釈のための知識が無い」ことだと見えてきたのだとか。
なので、藤井さんのチームでは「データ分析教育・ツールの整備」をやっていこうと決めたそうです。

そこで考えたデータ分析のためのレベル別研修。難易度、到達レベルを細かく設定し、それぞれにあった研修内容を提供。
しっかりとした手厚い初学者向けの教育から、オンラインでの自己学習、OJT まであります!なんと2021年には741名の方が受講されたのだとか。組織内だけでこれだけの方が受講されているのはすごいですね!

また、このレベル別研修を通じた内容も一部紹介してくださいました。
データサイエンティスト見習いレベルが受講するブートキャンプでは、実際の事例、フォーマットのデータを活用した実践的な演習を実施しているようです。
研修の演題として、社内の事例が取り上げられていると、受講生も親近感が湧くのですごく良いですね!!

そして社内での事例紹介のためのイベントも開催しているようです!啓蒙活動にも抜かりない…!!
私もどうにか潜り込んで、是非聞いてみたくなりました!

特に、成功事例も重要ですが失敗事例はもっと重要ですよね。失敗は単に「できなかった」ではなく、「なぜできなかったか」の教訓がその後の組織に確実に活かされるからです。
失敗をちゃんと共有できる組織は強いですね。素晴らしい組織文化だと思います!

着実に実績と事例が積み上がっているヤマハ発動機さん、そんなヤマハ発動機さんの悩みはデータ分析に関しては着実に進められているが、システム実装側の教育がなかなか進められていないそうです。
こちらの内容につきましては、ブレイクアウトルームの方で語り合いましたのでそちらの記録でご覧ください!

藤井さん、ご登壇ありがとうございました!

(シスメックス / 増森 聡明)

LT2: 大阪ガス 岡村 智仁様
「大阪ガスのデータ分析人材育成について」

Jagu’e’rのコミッティとして参加いただいている大阪ガスさんから、今回は人材育成についてお話を頂きました。(いつも、ありがとうございます!)

データ分析組織に入ってきた新人の育成。データサイエンティストの「見習い」の育成ということで興味深い内容ですね。

DX企画部の内部組織として「BAC:ビジネスアナリシスセンター」というのがあり、全組織+関係会社向けにソリューションを提供することがミッションであり、約20名弱で年間約30プロジェクトを回しているとのこと。すごいですね。具体的には次の3つのアクションを進めているようです。

  1. ビジネスに役立つ分析課題の「発掘」
  2. ビジネスを意識したデータの「分析」
  3. ビジネスに役立つ迄支援し「見届ける」

ここまでは組織のお話で、これから具体的な人材育成のお話になります。
まずはじめに「データ分析人材に求められる能力とは?」・・・

これらの能力の中で一番大事なのは、ずばり “知的好奇心“ これに尽きると断言されていました。理由を探りましょう。

「事業会社においてデータ分析をする理由は、ビジネス課題があるから」(シンプルで深い)

ビジネスを進めているのは事業部で、どういう風に困っているのか?どうしたらうれしいのか?を好奇心を持って聞いていくことがとても大事であると、特に強調されていました。同時に、ITやデータ分析の手法やツールなど、そういったところにも好奇心を持つことも必要とのこと。

いろいろと好奇心を持つことがとても大事であることを、あらためて学びました。私個人の感想になりますが「それを楽しめるのか?」というメッセージも同時に頂いたと感じました。

続いて「求められるスキルはなんなのか?」・・・

ビジネス力/数学力/IT力という基本的なスキルに加えて、領域別のスキルのお話が印象的でした。

具体的にどういう風に、人材を育成しているのか、続けてお話がありました。
その方針は… ずばり「任せる」

これは、覚悟が必要ですが、大阪ガス様は強い意志を持って進めている印象をとても感じました。すごいですね。
加えて「データ分析はあくまで手段」であることも強調されていました。そのため、動機付けをしっかりと教えているとのことです。

これを、入社後の最初の3ヶ月(基礎教育+実践教育)と、その後OJTでテーマを与え、実務を通じて教育をみっちり行っているようです。

実践編の後に勉強会を定期的に開催して、その後のフォローアップもカリキュラムに組み込まれているようなのですが、特に「先輩社員のスキルアップにもつながる」は、「なるほどー」と思いました。

最後に「中堅社員(入社4年目以降)」についてのお話もありました。

「データ分析で活躍していきたい」というメンバーについては

「何の分野でスペシャリストとして、唯一無二の存在になるか?」

をコミットしてもらっているということでした。

そうすると、自分が極めたい領域について、社内外にも活動の領域を広げ、社外の知見が社内にも入ってくるという成長サイクルができあがるという話は、是非、私の会社でも真似していきたいと思いました。

(フューチャー / 柴田 健一)

LT3:澪標アナリティクス 井原 渉様
「AI人材育成について」

澪標アナリティクス株式会社の代表取締役、井原様に「AI人材育成について」という題目でご登壇頂きました!
今回は、社員のほとんどがデータアナリストで占める受託データ分析企業として、未経験者にどのような社内教育を行っているか、そのポイントをお聞かせ頂き、非常に興味深いご発表内容でした。

澪標アナリティクスでは、データサイエンティストを育成するためのロードマップとして、ステップをレベル分けしており、LV1の段階ではひたすらSQLをマスターしてKPIレポーティングなどの可視化からはじめるとのこと。

統計やpythonよりも先に基礎となる集計技術を磨き、SQLで基礎的な課題が解決できるようになったところで、python等を用いた多変量解析を導入していくとのお話でした。
最小限のツールで課題解決の考え方をまず学んでもらうという方針が非常に地に足の付いた教育方針だと感じました。

<ゲームを研修題材とする理由>

ゲームの特性について・・・

  • 高速PDCAが可能
    • 施策提案~反映~効果検証といろいろな経験を高速に積ませることができる
  • データが膨大
  • 分析テーマが不変
    • ゲーム内環境変化に併せて効果検証等繰り返し分析する必要があるのでノウハウが定着する
  • 論理立てて説明が困難
    • 分析結果からプロデューサーに納得感を持ってもらうことが難しいケースもあり、それをどうデータと仮説思考を元に深い分析につなげていくかという経験ができる
  • ドメイン知識が豊富
    • ゲームは誰でも知っている。固定のドメイン知識で学習が効率的

<研修スケジュール>

3ヶ月間の研修期間はOJTではなく、独自の教育コンテンツを用いたOFFJT研修を実施されているとのこと。
未経験から現場で配属されるまでにかなり手厚い研修カリキュラムが組まれていることに驚きました!

<SQL研修:MIOチャート演習>

いきなりSQLを書くのではなく、SQLの設計図の書き方を教え込むことで、クエリの処理の順番や構造を理解できるようにしているそうです。
その上で、SQLを書いてもらい、解答例と照らし合わせて研修講師からレビューを行うとのこと。

やはりどんなAIモデルでも最初の集計の精度は大事で、だからこそこの段階を丁寧にデザインされているのだなと感じました!

統計解析の学習段階では、pythonを使える人でも一旦おいてもらい、SPSS Modelerというツールで覚えてもらうとのこと。
その理由は、GUIベースでやっていることが直感的に分かりやすい点もさることながら、チェックする側がチェックしやすいということもあるのだとか。

教える側がチェックをしやすいということも、教育をドリブンしていくのに重要なんですね!これは盲点でした。

GUIベースのツールで統計モデルの使い方を教えた後、アルゴリズムについてや、分析手法の使われ方、メリデメを教えているとのこと。
確かに、手を動かして基礎的な使い方を覚えた後に細かいロジックを学ぶのは定着しやすそうですね!

これらの学習をした上で、実際に課題分析をさせてみて、プレゼンまで含めた模擬報告会を講師相手に実施しているとのこと。そこで現場の感覚に近いフィードバックを受け研修が終了し、分析現場でのOJTに移っていくのだそう。

ステップごとの流れがきれいにつながっているのがすごいですね!
それにしても、ここからがOJTとはやはり未経験者の育成はこのくらい段階を踏むことが重要なんですね~!

社内でkaggleのような分析コンペを実施されているとのこと。身近な仲間と競い合うのは良いモチベーションになりそうですね!
上位入賞者は手の内を明かすアフター勉強会を開催されているということでこちらの内容も非常に気になりますね!

このような形で、澪標アナリティクス様のリアルなアナリスト教育内容をご発表頂きました。
教育の各ステップごとにコンセプトがしっかりと込められているのを感じることができ、とても参考になりました!
最後に付け加えられていたのが、教育サービスの外販もされているとのこと。ご興味ある方はご相談されてみてはいかがでしょうか!?

井原様、ありがとうございました!

(澪標アナリティクス / 藤原 伸哉)

LT4: アクセンチュア 青柳 雅之 様、横山 祐樹 様
「データ系人材の育成」

アクセンチュアの青柳様、横山様から研修概要と、その中の支援の観点から豪華2本立てで人材育成について紹介いただきました!
試行錯誤する前に、まずは業務でやる内容を身をもって知ることに注力する、という研修の進め方が目新しかったです!
また、オンラインならではの録画の活用や休憩の工夫などをお話しいただき、参考になる点が多いと思います!

はじめにアクセンチュア様のデータエンジニア向け新卒研修の統計が紹介されました。
データエンジニアらしく数字から入るのが良いですね!

対象者の半数ぐらいは文系の方で、全員この研修の前に1.5ヶ月ぐらいのテクノロジ系の研修を受けており、SQLも含まれているとのことです。
対象者が2桁台であることを考えると、多くのセッションが用意されているように感じました。

  • 新卒社員: 2桁台 (うち半数ぐらいは文系の方とのこと)
  • 協力者: 27人
  • セッション(座学数): 29セッション
  • 成果物: 26ファイル
  • トレーニング時間: 3日間

研修は3日間のトレーニングでできており、データエンジニアリングに必要なスキルがカバーされているとのことです。

短期間に戦略やDWH、データ統合、可視化、MLが組み込まれた濃密な時間が過ごせる内容になっており、非常に興味深いですね!
(実際にデータグループの中も同じ5つの分類で分かれているそうです。)

これだけの内容を3日間に組み込むために、前述の通り、多くの協力者に協力してもらい、コンパクトにまとめているのだろうと想像しました。

ハンズオンでは、BigQueryのpublic datasetに含まれるeコマースのデータと、独自のCRMデータを利用して行うとのことです。

GA360とCRMのデータを名寄せし、BigQuery MLで予測やクラスタリングするとのこと。

BigQuery MLはSQLでMLのモデル作成、推測ができるため、BI等からデータを予測と合わせて見たい際に私も重宝しています!

セグメンテーション、予測を行い、BIツールでドリルダウンし、ETLも行っているとのこと。

分析、可視化、データ処理すべてが詰まった素晴らしい組み合わせですね!

BigQuery MLは事前にBigQueryの保存したクエリを利用して答えを用意しておき、実行してもらう形式にしているとのこと。

前段のテクノロジのトレーニングで、はじめに躓いてしまった複数の方が直し方が分からずに残りの時間何もできなかった方がいた、という話を青柳様が聞き、この方式を考えたとのことです。

答えが用意されているので、短期間にたくさんのクエリに触れられるため、このハンズオンを行った後に座学を行うことで、業務フローの全体像をつかんで詳細を学ぶため、頭に入って着やすいとのことです。

全体の概要を掴んでもらうために実際に処理を実行してもらうのは効果的ですね!

アクセンチュア様の_FORM_と呼ばれるフレームワークのうち、デザイン思考をリモートで行っているとのことです。

普段は模造紙と付箋を使ってるそうですが、リモートで行う際は、オンラインでコラボレーションできるMuralを利用されています。

 

ここから横山様にバトンタッチです!
リモートでトレーニングを行う上で注意した点や、その後のアクションで良かった点を説明いただきました。

はじめに、リモートでトレーニングを行う際に注意した4つの点を紹介いただきました。
全般的に、オンラインでトレーニングをするに際し、オフラインでトレーニングを実施するのと似せた形で実現する工夫がされています。

1つ目は雑談タイムです。
メンバーのみが参加可能な雑談タイムを設けることで、実は聞けなかったけど同じ質問があったり、トレーニングと関係ない社内手続きの話などを気軽に取れる時間を明示的に取ったとのことです。
オフラインで実施する際は休憩時間にメンバ感で会話できるのを擬似的に模倣していて、フィードバックでも評判が良かったとのこと。
是非参考にしたいですね!

2つ目はオンラインのトレーニングでは、休みを取らずに没頭してしまう方もいるため、あえて頻繁に強制的に休憩を入れたとのことです。
言われてみると、私も気になったことに没頭して、休みなく続けてしまうことが合ったため、有効な手立てだなぁと思いました。

3つ目はオンライン飲み会は有志のみとしたにも関わらず、参加率は高かったそうです。
業務時間には聞きづらいことを気軽に聞ける場として使われていて、先輩社員側から歩み寄ってケアしていく場として利用されていたとのこと。
横山様としてはこれが一番大事だったとのこと!
コミュニケーションってやっぱり大事ですね!

4つ目は先輩社員紹介です。
新卒の方は現場に出てから不安が大きい、ということがサーベイで分かっていたとのことで、特に年の近い先輩社員がどのようなキャリアや働き方ができるかを共有されていたそうです。
特にリモートだと働き方のイメージが掴みづらいため、有効ですね!

トレーニングでありがちな話ですが、昨年度までは様々な専門家の講師にセッション登壇をお願いしていたため、時間の調整や内容の順番の考慮が大変だったそうです。
そこで、今年度はあるセッションを事前に録画し、トレーニングの時間に流すことで効率化を図ったとのことです。

さらに、録画したセッションは全社に展開し、オンデマンドに見られるようにすることで社内の様々な方に閲覧いただいたとのことです。
トレーニング用の録画をより広い方々に使ってもらうことで費用対効果も高まったとのこと。

講師の方も予定の調整や複数回同じ講義を行う負荷を考えると、オンラインを有効活用した例で感心です!

録画等によってオンライントレーニングのメリットを活かしつつ、オンラインで課題となりがちなコミュニケーションや休憩といった点にきちんと配慮して行うことでトレーニングを成功させていると感じました!

短期間で多くの内容をカバーできていることからもそれが伺えます。

ぜひオンラインのトレーニングを設計する際に参考にしていただければと思いました!

(NRI / 米川 賢治)

ブレイクアウトルームの雰囲気

ヤマハ藤井さん

藤井さんが最後に投げてくださっていた、「エンジニア取れない問題」をどうするのかについて、取れないなら「どんな教育をしていくべきか」について話していました。
エンジニアの人材確保はどこも共感を集める問題なんですね!

興味深かった話題についてまとめたいと思います!

データサイエンティストとソフトウェアエンジニアの教育の違い

まずは、データサイエンティストとソフトウェアエンジニアの学習方法の違いについて議論がありました。
システム構築やアプリケーションを作れるエンジニアを教育するには、データサイエンティスト教育と比較して、お金も時間もかかると考える方が多いようでした。

項目 データサイエンティスト クラウドエンジニア
学習環境 無償のものが多数 プラットフォームへの課金、オンライン講習など、有償が多い
学習中の感覚 アウトプットが見えやすく、活用の実感を感じるまでが早い。 一つサービスやシステムを自分で作ってみないと実感が湧かない。
実践に投入できるようになるまでの学習期間 短い (3ヶ月くらい) 長い (1年以上)

今回の参加者の中にいた、インフラ、アプリケーション側のエンジニアの方も、「システムを1つ、作り切ってみないとなかなか実感が湧いてこない」と仰っていました。

どうやって人材確保に向けた取り組みをするのか

いろんな会社さんからお聞きしますが、中途採用はなかなか難しいとのこと。
なので教育を以下のように工夫してみたり、計画をしているそうです。

  • 新卒社員にシステム側から教育し、まずはシステム側を扱えるようになってもらう
  • 会社で自由に使えるクレジット、環境を用意し学習・実践環境を整える
  • システムに強い別会社との人材交流、交換を実施し、お互い不足している部分を教え合うような取り組みを行う

筆者はどちらかというと製品向けのシステムの経験の方が多いですが、会社で自由に使える、遊べる場所が提供されているのは非常に大きいですね!

この辺りの話題は、それぞれのサイドの方で意見が色々ありそうな感じがしました。
もし、読んでいる方で「うちはこうしているよ!」などあれば是非是非 Slack チャネルででも議論しましょう!

藤井さん、ルーム参加者のみなさん、すごーく聞き入ってしまいました。
ありがとうございました!

(シスメックス / 増森 聡明)

大ガス岡村さん

たくさんの質問が飛び交いました。簡単ですが、いくつか質疑のポイントを記載しますね。

1.「知的好奇心が一番大事」はとても印象的。年間30プロジェクトを進めているということだが、始まりはどんな感じなの?

→ 事業部から相談が来ることもある。その中で、次の2つは必ず確認している
→ 成功のビジネスインパクト(=インパクトが小さい。しょぼかったらやらない)
→ どのタイミングで、どんなデータ分析結果を出したら、具体的にどんなアクションをとるのか?(=アクションに繋がらないならやらない)

(なるほどー)はじめに、やらないこともしっかりと議論していることが、とてもすごいな、と思いました。

2. データ分析の人材育成をより加速化・共有化していくためのルールや制度はあるの?例えば、人事評価に組み込むとか
→ いま、まさに今期から取り組むべき準備をしている。ポイントは2つ
→ 1)どの領域で、どんなスキルが必要とされるか?整理をした
→ 2)具体的な役割を示して、役割に必要なスキルを明確にした

(なるほどー)データ分析でスペシャリストになるには「何を目指すのか?」というキャリアプラン(ゴール設定)をしっかりと考えられているのですね。すごい!

(フューチャー / 柴田 健一)

アクセンチュア 青柳さん、横山さん

早速ご紹介いただいた内容の実践から始まり、研修内容や環境について様々な質問が飛び交っていたのでポイントを紹介します!

 

  • BigQueryの保存したクエリ
    セッション内で紹介されていた、BigQueryの保存したクエリを速攻触ってみた!という方もいらっしゃいました。
    早速効率化ができて良いですね!
    実は、研修中に講師がライブコーディングしてクエリを間違えてしまうという課題も合ったため、保存したクエリを活用することを思いついたそうです。

 

  • 教育環境について
    研修で利用しているGoogle Cloudのプロジェクトはどのように管理されているかの質問が出ました。
    データエンジニア向けの研修では1つのプロジェクトを共有して使っていて、研修が終わり次第不要なリソースや権限を削除し、特に問題になったことは無いとのことでした。
    リソース名やクエリ等、同じ名称を利用するものは名前をつけてもらう等の工夫を行っているとのことです。

    逆に1つのプロジェクトに集約するのが難しいケースも追加質問で出ていましたが、研修に関しては特に無いとのこと。
    一方で、クラウドネイティブ分科会でご紹介いただいた、GitHub等にあるハンズオンをみんなで実施するような場合だと、プロジェクトを分けないとコンフリクトが起きることがあるので気をつける必要がある、とご紹介いただきました!
    Google Cloudではプロジェクトを作るハードルが非常に低いので参考にしたいですね。

 

  • リモートデザイン思考ワークショップ
    参加者の頭の中を引き出すためにデザイン思考を使うようになったとのことです。
    メリットとして、年次や役職に関係なく意見や優先順位が吸い上げられる様になるとのこと。
    新人だと中々アイディアが出ないことも多いそうですが、3日間のデータエンジニア向けの研修を受けた後に行うと色々意見が出るそうです!(研修の効果が見えて非常に良いですね!)

質問に対する回答にまた質問を呼び、色々なお話を聞けました!
クラウドネイティブ分科会でご紹介いただいた内容についても幅を広げて回答いただきありがとうございました!

(NRI / 米川 賢治)

全体を通した感想

今回はデータ利活用人材の教育について、各社様々な視点から取り組みの工夫や知見をお聞きすることができました。

いずれの企業でもステップごとに教育コンテンツをデザインされていて、それまでのご経験が詰まったコンテンツを展開されているなと感じるとともに、非常に参考になりました!
参加された皆様も、社内で試してみようかな?と思うような事例や気づきもたくさんあったのではないでしょうか?

ご登壇者の皆様、ディスカッションにご参加頂いた皆様ありがとうございました!

(澪標アナリティクス / 藤原 伸哉)