事例コンテスト2020年-株式会社Tekuru

GWS ユーザー会 事例コンテスト 2020

第2位

株式会社Tekuru

代表取締役

武田 雅人 様

株式会社Tekuru

会社紹介:
株式会社Tekuruは “すべての学びを楽しく“をミッションに、Google Workspace で利用できる各種ソフトウェアやクラウドサービスの活用を学ぶオンライン教材の制作・販売、研修、コンサルティングサービスを提供しています。コンサルティングや研修の実績から、教材の改善や新たな教材の開発を行い続けるため、Google Workspace を活用した業務をしています。
Google Workspace / G Suite 導入エディション:Google Workspace / G Suite ベーシック

 

エディション選択の動機:自社でも Google Workspace をフル活用し、活用したノウハウをたくさんの方にお届けしたいと思っています。そのため、Google Workspace として世の中で最も多く利用されているライセンスの形態を選択し、そのライセンスの制約におけるベストな使い方を探りたいという想いから「Basic」を選択しました。

 

導入パートナー:なし
登壇スライド

新しい Google サイトでの制作をはじめたきっかけ

弊社では Google Workspace や Salesforce などのクラウドサービスの導入支援や、システム活用の入門教材の提供を行っています。サービスのプロモーションサイトや、教材内の資料配布リンクを従来の Google Sites(以下、旧サイト)で公開していました。新しい Google Sites(以下、新サイト)が発表されたことをきっかけに、これまでに旧サイトで作成していた公開用のサポートページのリニューアルを行うことにしました。

旧サイトにしかない便利な機能がたくさんあることや、旧サイトに集約したファイルやコメントの履歴などを移行することには弊社でも不安がありました。弊社のクライアントのシステム移行プロジェクトを行っている時に、従来のツールで使用していた管理項目や機能すべてを新しいシステムに求めたり、実装しようとするのでは活用の成功から遠ざかるといつも助言しています。クライアントに対しては新しいツールの良いところを活かすことを示唆しているのに、自分たちも「旧サイトの機能を再現できないことに課題を感じている」という矛盾に気づきました。新サイトだからこそできること、新サイト独自の制約といったことに目を向けることにしました。
これまでに慣れ親しんだ操作性、集約された情報すべてを移行することはとても困難なので、これから新しく作成するものについては新サイトでの制作を前提とするという挑戦を行いました。

環境変化はむしろチャンス!最新の機能への挑戦が大事

新サイトがリリースされた当初は、シンプルな編集画面で最低限の機能しかないのだなと感じていました。リリース当時のネガティブな印象が残っていて、旧サイトの機能を再現できる日は遠いだろうと考えていました。しかし、環境は常に移り変わるものです。過去の機能をそのまま実現することはできないけども、環境の変化を受け入れ運用を変化させることで、最新の標準機能の利便性を手に入れることができると考えました。

ないものを数えたらキリがありません。ファイルキャビネット、投稿機能、ページ内のコメント機能がないことを致命的だと考える企業や組織の方は多いかと思います。これらの機能を旧サイトで駆使してきた方にとって、ファイルの移行や旧サイト内の情報をそのまま新サイトに再現することはとても難しいです。旧サイトからの移行ツールが公式に用意されているとはいえ、すべての機能を再現できるわけではありません。まずは新サイトでなにができるのかを理解するため、これから作るサイトについては新サイトを活用して実装し、新サイトでの実装体験をしてから旧サイトをどのように移行しようかを考えることにしました。

新サイトの特徴は、Google ドライブから作成でき、Google ドライブの中でドキュメント / スプレッドシート / スライド / フォーム などと同じ次元での取り扱いができるということだと私は考えます。Google ドライブの特定のフォルダや、フォルダ内のファイルを新サイトに取り込むことでファイルキャビネットのような機能を構築することや、Google ドライブのファイル内での変更履歴やコメント、共同編集機能を活用することで旧サイトでは実現できなかったさらなる組織内のコラボレーションを実現できるようになります。

旧サイトからの完全な移行、機能を完全に再現するという視点では新サイトの機能には今でも不安があります。新サイトの機能をできる限り活かして、旧サイトの情報や機能を再整理・再構築していくことが重要なのです。

新サイトでできることを見極める

新サイトでのたくさんの実装体験を経て、新サイトは Google ドライブの中のひとつのアプリという認識、自社内の情報整理をするポータルとして活用できるというのが最大の強みだと考えるに至りました。旧サイトは、サイトそのものに情報を蓄えていき、管理者が整理し、サイトへのアクセスによって必要な情報を活用できるという特徴があると、新サイトの操作体験により気づくことができました。

新サイトでは、Google ドライブにアクセスできること、ということを前提として構築する必要がありこの特徴を活かすことで活用は成功すると考えます。旧サイトにできたことで新サイトにできないこととして、自社のドメイン以外の Google サイトやドライブなどにアクセスさせないというポリシーを設定している組織の方からのアクセスができないというものがありました。旧 Google Sites では一般公開されたサイトにはログインしている Google アカウントのドメインに関係なく閲覧することができました。

新サイトのこうしたある意味例外的な弱点を克服できれば、旧サイトでは実現できなかった利便性を手に入れられると思うことにして、前向きに今回のコンテストでのエントリー事例である「新サイトでの自社製品の公開ランディングページ」の制作を行いました。自社のドメインで新サイトによって作成されたサイトにアクセスできないということは、新サイトの特徴であるサイト内に Google ドライブからフォルダ構造やファイルを読み込ませることをすると、それらのファイルも表示させることができないという制約がありそうだなと考えられるようになりました。

新サイトで公開ページを作るなら、

  • 自社の Google ドライブからファイルを読み込ませない
  • 画像を使用するときは、外部の公開サイトから画像 URL を読み込ませたり、サイト内に画像を直接アップロードして Google ドライブを使わない
  • サイトを表示することができないユーザーがいることを念頭に、そのユーザーにはシークレットウインドウでアクセスしてもらうようにアナウンスする

などの運用上の工夫をすることで、Google サイトとしてレアな実装パターンである「一般公開サイト」の構築さえ対応できるという確証が持てました。

もちろん一般公開サイトだけでなく、社内のユーザだけが使用することを想定した「社内ポータル」やプロジェクト管理サイトも実装することができます。社内のドメインの Google ドライブ、Google カレンダーなどの情報を集約することができ、Google ドライブをファイル管理の起点としたポータルを実装すると、新サイトは力を発揮すると思っています。つまり、旧サイトだけで実現できていたサイト内だけで完結するという性質を分解し、データの格納や検索の機能は Google ドライブ、Google ドライブの混沌を解消するためにユーザーを補助するためにドライブを整理して視覚的に表現する機能を新サイト、というように複数のアプリケーションそれぞれの強みを活かすことが重要なのです。

新サイトだけではない、最新機能の活用の観点

新しい Google サイトだけでなく、Google Workspace を使っていると常に新しいアプリやリリース済みのアプリにも新しい機能が実装されます。旧サイトで実装していたプロジェクト管理サイトや新人研修のための社内研修ポータルを新サイトにどのように移行しようか、と悩んでいる組織からのお問い合わせを多くいただくようになりました。弊社ではこれまでに数十の組織でのクラウド活用の事例がありますが、これまでに使用していたツールでの実装内容を、新しいツールにそのまま移行させたいというのが、ほとんどのプロジェクト開始前の要求としてあげられます。

旧サイトの情報をそのまま新サイトに移行したいというご要望もたくさんあります。先に挙げた、研修ポータルについては新サイトではなく、Google Classroom というツールで新しい研修支援システムを実装することで旧サイトの再現では実現できない様々な機能を利用することができます。Google Workspace というクラウドのサービスを導入している以上、他サービスの吸収、新機能の開発によってレガシーなツールが利用できなくなるという環境変化に直面します。利用者、構築者にとっては必ずしも望ましいとは言えない変化も少なくはありません。しかし、そうした変化に対する挑戦する姿勢や、変化を事前に察知して対応する機転こそが Google Workspace 活用だけでなく、目まぐるしく変化するビジネス環境で成功し続けるには必要となります。

サーバーや端末にインストールして利用する形態のグループウェアではなく、Google Workspace を活用することの弱点でもありますが、最新の機能が頻繁にリリースされて従来とは異なる機能にアクセスできるようになることは最大の強みでもあります。変化、進化を前向きに受け入れて自社もともに進化していくという一環で、

  • これから作成するサイトは新サイトではじめる
  • 新サイトの特徴を理解し、旧サイトの構成要素を再整理する
  • 旧サイトで実現していた機能を分解して最適なアプリケーションで実装しなおす

というアプローチをすることで、旧サイトでの運用を超えられるメリットをきっと手に入れられると私は考えます。

受賞にあたって(ご自身の感想、社内での反応・反響など)

弊社は Google Workspace の導入や活用の支援のコンサルティングを行っており、これまでに数十社への支援の実績があります。私のポリシーに、「顧客に対して何かを提案 / 提供しているなら自社はその何かを徹底的に活用して素晴らしい成果をあげていなければならない」というものがあります。Google Workspace の標準機能や最新機能を活用することで、チームワークを発揮して生産性が高く組織のメンバーが個性を発揮してともに成果を出せる、と提案しているからには、自社ではそのようにできているんだろうな?という想いを常に抱いています。

Google Workspace は常に進化を続けていますので、その進化を察知しながら、その時点での自分たちにとっての Google の最高の活用の仕方はどのようなものだろう?と考えています。そのようにして常に、すでに構築した業務ツールや運用体制に進化の余地はないのだろうか?まだ見ぬ Google アプリは存在しないか、新しい機能でこれまでの不便を解消できないか、といったことを研究しています。自社での活用の考察がわたしたちだけでなく、どこに出しても示唆に富んだ事例であると今回の受賞によって社内みんなで自信を持つことができました。

年々 Google Workspace が多くの企業や組織に導入されていると実感します。2021年の教育界のトレンドに、GIGA スクール構想というものがあり、1人の児童生徒に対して1台の情報端末と1つの教育支援ツールのアカウントが付与されます。GIGAスクール構想を実現するための最有力なツールとして Chromebook や Google Workspace for Education がたくさんの自治体・学校で採用されており、コンテスト受賞時のスピーチをさせていただいてからたくさんのお問い合わせをいただくようになりました。

  • 学校の授業の資料やクラスの情報をわかりやすくするために新サイトの使い方を知りたい
  • 児童生徒が自分の学習成果を安全な環境で発表するために新サイトを使わせたい

今回の新サイトや、あるいは別の Google アプリを徹底的に活用しているという事例の共有を通じ、たくさんのお問い合わせをいただき情報交換させていただけるという機会に恵まれたことをとてもうれしく思っています。ぜひこの記事をご覧いただいた方で、学校・企業での Google 活用をもっと進めたい、悩みがあるという方はお気軽にお問い合わせいただけたらと思います。

株式会社 Tekuru 公式サイト:https://tekuru.com/

今年度の活用コンテストの受賞がゴールではなく、これからがまた新たな進化へのスタートだと思っています。また次年度もユーザー会でコンテストを開催していただけるなら「次のコンテストまで1年切った!」という想いで今年の自社を超えること、Google Workspace を活用されているユーザー会メンバーの方々に少しでも気づきを与えられることを目標に、日々さらなる Google 活用を研究・実践していきます。

この度は大変光栄な賞をいただき誠にありがとうございました。