事例コンテスト 2019年 – 東京書籍株式会社

G Suite ユーザー会 事例コンテスト 2019

第3位

東京書籍株式会社

情報システム部

石井 貴大 様

東京書籍株式会社

会社紹介:
東京書籍は、わが国の教科書出版のリーディングカンパニーとして世界でも有数の教科書会社です。『より良い教科書をより多く発行することで、日本の未来を担う人材を育成する』、これが教科書会社の社会的使命であると考えます。さらに、時代の変化や要請に対応して自らも変革していく必要があります。私たち東京書籍は今、活字分野から映像・コンピュータソフト・電子出版・インターネット等のデジタルサービス分野まで事業領域を拡大し、時代の変化に即応した活動をしています。
G Suite 導入エディション:Business

 

エディション選択の動機:容量無制限のため

 

導入パートナー:KDDI株式会社

G Suite 導入前の背景

弊社では、これまで備品である蔵書の管理に Access を利用していました。社内 PC の更新や Access 管理者が不在となる等の事情から、新たな蔵書管理ツールが必要とされていました。ローコードで開発や運用が可能な点、使い慣れたスプレッドシートをデータベースとして用いることができる点、OS を問わずに利用できる点などから App Maker を用いて Web アプリを開発することになりました。

東京書籍としての G Suite 導入概要

データの入力をスプレッドシートに行い、App Maker で作ったページにそのデータを表示します。
スプレッドシートに入力されたデータは App Maker 内のデータベースにアップロードされます。ページから参照するのはこのデータベースで、外部から見えにくいため、スプレッドシートを併用するという形をとっています。データの編集内容は自動でデータベースに反映されると同時に、スクリプトによってスプレッドシートにも反映されます。
ページは蔵書のリストと検索欄からなり、検索欄に条件を入力するとリストが絞り込まれます。リストからは各蔵書の詳細な情報を見ることができ、情報の印刷や配架の確認、さらに管理者は貸出処理や登録情報の編集を行うことができます。

導入に際し工夫した点

スプレッドシートにおいては、GAS を利用した自動入力を導入しています。登録のための連番を表から取得したり、日本十進分類の数字から日本語の分類名を取得したりしています。内容が定型のデータを自動で入力させることで、作業者の負担を減らすとともにデータの正確性を高めています。他にも見た目では気付きにくいデータ型の変換も行うことができ、数字を数値型と文字列型に変換してそれぞれをデータとして保持しています。
App Maker では権限設定に工夫をしました。ボタンやテキストボックスといったウィジェット単位で入力の可否や表示の有無、押せるか否かといった設定を細かく行うことができます。一般ユーザーとアプリ管理者で別々のページを用意する必要がなく、メンテナンスを効率的に行うことができます。

導入の成果

蔵書およびそれらの貸出データはこれまで複数のデータベースで管理されていましたが、これらを統合し、同一の画面で検索・閲覧・編集を行うことができるようになりました。データもファイル自体をコピーして共有していましたが、Web 上でデータを編集すればどこでもそれを確認できるようになり、データの一貫性も高まりました。

受賞にあたって

GAS の機能や App Maker については、知らない機能がまだまだたくさんあります。今振り返ってみても、ああすればもっと少ないスクリプトで同じ動作ができた、こうすればもっとユーザーに分かりやすい表示にできたなど、改善点は絶えることがありません。この Web アプリの保守運用に留まらず、GAS や App Maker のポテンシャルを最大限に引き出し、これからもよりよいアプリ開発ができるよう勉強をこれからも続けていきます。

社内での反応

作業担当者と使用者からは、画面の見やすさや検索のしやすさ、動作の安定性などについて好評をいただきました。また、G Suiteで完結し、別途ソフトウェアを用意する必要がないという点も好評でした。

最後に

Web アプリ開発に際して大きなハードルといえば、個人的には始めの一歩が踏み出しにくいことだと思っています。ローコード開発は、そんなハードルを大きく下げてくれる注目のツールです。プログラミング未経験の私でも3ヶ月でここまでのものを作ることができました。より多くの方が App Maker に興味を持ち、活用するユーザーが増えることを願っています。