オーティー情報システム株式会社

G Suite ユーザー会 事例コンテスト 2019

第2位

オーティー情報システム株式会社

システム事業部

取締役

井上 裕太 様

会社紹介:
「自由をカタチに」を合言葉に、大阪トヨタ自動車株式会社の情報システム部門として販売店独自システムの開発、グループウェア(メール・カレンダー)の導入からネットワーク・セキュリティ環境構築などITに関することならなんでも解決し、トヨタ自動車株式会社の販売店用システムの開発にも参画してきました。私たちの強みは含蓄された自動車販売店業務知識とそれを活用したシステム開発の経験値です。
G Suite 導入エディション:Basic

 

エディション選択の動機:
【Google Apps導入の経緯】
1988年より富士通TeamWAREを導入していたが、働き方の変化に対応出来ないソフト構造となっていた。
具体的には
・社内パソコンでしかメール・カレンダーは確認できない
・メール容量も50Mバイト/人
・専用ソフトが必要でセットアップの手間が発生
・セキュリティは自社で防御が必要
制限が多いものであり、使用する上で限界を迎えていた。導入前グループウェアと比較して遜色が無く、まずはベーシックから始めて利用後、ビジネスへのアップグレードを検討

 

導入パートナー:ソフトバンク株式会社

G Suite 導入時の失敗

G Suite 導入の目的の一つに働き方を変えることがありましたが、導入時に前グループウェアの機能を踏襲したことが制限となってしまいました。
具体的に、利用サービスはメールとカレンダーのみで社内パソコンのみを使用可能という制限内容でした。
利用者にとってツールが変わっただけで、G Suite の利便性が享受できていませんでした。

導入の経緯

2015年頃から弊社(オーティー情報システム)、2017年頃から大阪トヨタの一部部署が G Suite 全機能を使い始めていました。
その中で、特にチャットでのスピーディーな情報伝達とスプレッドシートの共同作業など利便性を実感していたことと、2019年1月に会社用に支給された iPhone の導入をきっかけに、全社 G Suite を開放し、「いつでもどこでも」をキャッチコピーに展開を始めました。

導入に際し工夫した点

【Googleの信者を増やす】
利用者への普及活動の為、まずは全社員がメンバーになっている Chat Room を開設し、G Suite の機能を紹介しました。そして、 iPhone の導入予約表をスプレッドシートで展開し、利便性を体感させました。
加えて、『これは便利』といった内容を盛り込みながら活用講座を実施し、現状の働き方や考え方がいかに非効率かを説明したうえで、便利な機能と効率的な作業を実体験させました。また、受講者が持ち帰った際に、部署内で便利な機能を利用してインフルエンサーとして利用の輪を拡げてもらっています。

意識変化としての成果

2013 年に導入して以降、ほぼメールとカレンダーのみの使用に留まっていたので、前グループウェアからのはっきりした成果は特段見受けられていませんでした。2015 年頃から弊社、2017 年頃から大阪トヨタの一部部署が G Suite 全機能を使い始め、利便性を実感していた事から、2019 年 1 月に全社 G Suite 開放に至り、比較的スピーディーに浸透してきています。
特に、チャットの利用が急速に進み、スピーディーな情報伝達と情報共有に寄与しています。
また、「100 年に一度の大変革」に社員自身がどのように変化すればよいかが見えていませんでしたが、G Suite を活用して働き方を変えていこうという意識が芽生えてきました。

受賞にあたって

G Suite 浸透についての苦労は計り知れないものがあります。
本来、IT ツールについては iPhone に説明書が無いように、使いながら(ググりながら)スキルアップをしていくものと考えてはいますが、IT への苦手意識が前面に出て各々アレルギー反応を起こしているのが現状です。
今回の受賞発表プレゼンテーションについては、そのような初歩的な資料作成の機会となりましたが、Google 社に評価された事は大変光栄であり、根気強く浸透を図ってきた努力が報われた気持ちでいっぱいでになりました。
社内での反応については、全国2位ということが偉業として評価され、関係者からは喜びと称賛の声をいただきました。
ある程度までは、根気強く今の活動を続けていくと、どこかのタイミングで一気に加速する予感を感じます。
その理由は社員の受講アンケートに目を通したときに「変化を望んでいる」と思ったからです。

最後に

私自身は、いろいろな IT ツール、いわゆるモノだけを導入することが IT 化や働き方変革につながるとは思っていません。また、今までは「人にITが合わす」であったが、これからは「人がITに合わす」必要があると考えています。
「なぜ変われないのだろう」という疑問について、「なぜなぜ?」を繰り返した結果、働き方を変える最適なツールは G Suite であり、G Suite の機能にこちらが合わしていくことこそが働き方変革への近道という答えに辿りつきました。
何かが悪化すれば、その事象を解決する IT ツールを導入したがります。
それは市販の鎮痛剤と同じで、頭痛はごまかされて無くなっていますが、根治にはなっていません。
また、収益状況が悪化すると真っ先に削減されるのが、費用対効果が見えにくい IT 投資であります。
しかしながら目先の事象を解決する為に、必要最小限の IT 投資を繰り返し、まさに麻薬中毒のように瞬間的に(一瞬は)解決したように見えます。いわゆる IT 中毒にならないようにしていかないといけないと痛切に思っています。
IT 導入については、前述のように目に見える費用対効果がはかりにくいですが、G Suite を活用して気がついたらいろいろなことが良くなっていました。「何故か CC(communication & collaboration)が良くなって、働き方が大きく変わっていた」という文化を醸成していきたいです。
社内での反響の大きさに自分自身もびっくりしましたが、それに乗じて次回は弊社 SE 達にもコンテストに参加させる予定です。
なんらかのインセンティブを準備しようと思っています。
そこから生まれるアイディアや G Suite 機能のスキルアップというところも勘案して実施したいと思っています。