CCoE 研究分科会「オレの考えるさいきょうの CCoE ~ 自己紹介LTを添えて」を開催しました
みなさまこんにちは、CCoE 研究分科会です!
2023年03月10日に今年最初のイベントとして、「オレの考えるさいきょうのCCoE ~自己紹介LTを添えて~」を開催しましたのでその報告をさせていただきます。
今回はなんと LT 9本立てということでバラエティに富んだ「さいきょうの CCoE 」を聞くことができました。
「さいきょう」が平仮名なのは味があっていいですね (すみません、脱線しました)
オープニング
司会進行は CCoE 研究分科会 SGM ( Secretary General Member: 幹事メンバー ) の黒田さんがつとめてくださいました。
全体のバランスを見てタイムマネジメントをしている姿はさすがでした。
CCoE 研究分科会での活動内容はここに記載されている SG メンバーが隔週で集まり、次に何をするか、どんな施策を打つか、頭を悩ませながら決めてくださっています。
いつもありがとうございます!!
そんな CCoE 研究分科会ですが毎月のように新規会員の方々が入会してくださっているおかげで今では 82 社 149 名とかなり大きなコミュニティとなっています。
これだけの大きなコミュニティを運営していくのも本当にパワーが要りますね。
アイスブレイク的に一番最初に参加いただいている皆様に誕生日を教えていただきました。
さて。。これはいったい何に使われたのでしょうか?
答えはこのブログの最後の方で。
CCoE 研究分科会、今年で 3年目に突入したのですが研究分科会というだけあって、初年度は通称 CCoE 本 [*1] の執筆、2年目は CCoE 現状調査共有 [*2] などこれまでも様々なアウトプットをしています。
順調にアウトプットが大きくなっていったので、3年目に入って何をアウトプットしようか、ということを参加いただいた皆様による投票で決定しました。
投票の結果、今年は CCoE Wiki / ナレッジサイトを構築することになりました。
今から完成が楽しみですね。
LT 大会
さて、ようやく本編となります。今回は以下の 9名の方々に「おれのかんがえるさいきょうの CCoE」をLT していただきました。
アクセンチュア株式会社 | 青柳 雅之さん |
デロイトトーマツコンサルティング合同会社 | 神庭 豊さん |
New Relic 株式会社 | 会澤 康二さん |
ウルシステムズ株式会社 | 中本 遼さん |
株式会社 スクウェア・エニックス | 曽我 秀和さん |
株式会社ネオキャリア | 田中 英智さん |
東日本電信電話株式会社 | 田口 裕真さん |
アルファス株式会社 | 福田 遥さん |
株式会社NTTデータ | 飯島 徹さん |
アクセンチュア株式会社: 青柳 雅之さん
LT大会のトップを飾るのは、アクセンチュアの青柳さんです。青柳さんの考えるさいきょうの CCoE は、「チーム立ち上げの仕組みを構築したり、これから立ち上げようとする人を支援する人/集団」とのこと。
CCoEの目的は「組織のクラウド技術力の底上げを行うこと」にあり、その原理となるのが以下3点。
- 正式な組織にしない
- 幅広い組織レベルの底上げは意識しない
- 車輪の再発明を行う
正式な組織の場合、メンバーが披露して異動/離脱してしまうし、さらに他組織のクラウド力も上がらない。逆に非公式なチームであることで、やる気のあるメンバーのみ集まり、あらゆる施策が自走する。そして、あえて再発明する。同じ資料を別の人が作ることで、レベルアップにもつながる。とのことでした。
特に3点目の「あえて再発明する」が目から鱗でした。同じ資料を使い回すよりも、別のメンバーが再作成することで作る経験を積めるし、アウトプットすることで技術力向上にもつながる。参考になりました!
デロイトトーマツコンサルティング合同会社 神庭 豊さん
続いては、デロイトトーマツコンサルティングの神庭さんの登壇です。神庭さんの考えるさいきょうの CCoE は「事業部門の人を含めて一緒にディスカッションできる集団」とのことです。
神庭さんは、社内で啓蒙活動を行っており、1年かけて Jagu’e’r × Deloitte でCCoE 本 [*1] の読書会を実施されたそうです。Jagu’e’rから執筆者の豪華メンバーをゲストに呼んで、本を読み込んだ上でディスカッション。事業部門の方も含めて、白熱したディスカッションが繰り広げられたとのこと。
素直にうらやましい・・・。
New Relic 株式会社 会澤 康二さん
続いて、New Relic の会澤さんの登壇です。
会澤さんの考えるさいきょうの CCoE になるには以下2つのSTEPが重要とのことです。
- 作るだけじゃなく、改善の道筋を提供する
- コミュニティを運営し、現場とwin-winの関係を作る
名著 [*1] (!?)にも書かれている通り、CCoE の役割は「DXの実現」にあり、クラウドを安全に統制的に使うのは、手段の1つにすぎない。定量的な効果測定や、マインドセット/文化の醸成も、合わせてやっていかないとDXは実現できない。をポイントとして挙げられていました。
特に、クラウドを安全に統制的に使うだけやっていて CCoE としてはもったいない。という熱いメッセージは、非常に共感できる内容でした。
ウルシステムズ株式会社 中本 遼さん
ウルシステムズ中本さんのさいきょうのCCoEは「とりあえずこれ[*1] を読め!!」からスタートし、過去のレガシーの壁との戦いを振り返る中で、下記の通り結論づけられました。
- おれがかんがえる前にCCoEそのものが強い
- CCoEに足を踏み入れた時点で向かう先は自動的にさいきょう
前職でクラウド活用を進めていた際に立ちはだかっていた壁も、今ならCCoEが道筋を示してくれる。油断するとベストプラクティスがレガシー化してしまうところも、CCoE組織としてのテクノロジーやベンダーとの向き合い方を示すことで防いでてくれる、とのことです。
最後の、CCoEが普及すればビジネスもテクノロジーももっとおもしろくなる!!CCoE同士で連携して良いものを作る文化ができたら良いね、というお話も、強く共感しました。
株式会社ネオキャリア 田中 英智さん
ネオキャリア 田中さんは「非ITな会社で非ITな自分が取り組んできたこと」について発表されました。
孤軍奮闘期から仲間を増やし、コミュケーションツールの全社統一を経て全社的CCoEを開始するまでの流れをご説明いただきました。
非IT領域から推進する役割があってもよいのでは!とのことで「非ITからのCCoE分科会分科会」の立ち上げを提案されていました。(発表後、黒田さんより「CCoE分科会はコンサル系など非ITの会社も多いので、分科会の分科会と言わずに一緒にやらせてください」とコメントいただきました)
仲間を集めて社内外問わず活発にコミュニケーションを取ろうとすることが鍵ではないかと感じました。
エンジニアほぼ0名の状態からDX推進組織を作った田中さんの巻き込み力、素直に尊敬します…!
NTT東日本株式会社 田口 裕真さん
東日本電信電話株式会社 田口さんの考えるさいきょうの CCoE は「さいきょうのインフルエンサー集団」とのことです。
NTT 東日本における CCoE の役割は以下のとおりです。
- クラウドの「最適で柔軟な利用」と「安心・安全な利用」の両立
- 日々変化 (進化) するクラウドへの対応
クラウドは変化もはやい中でどれだけ情報源にアクセスしてそれを適用できるか、が重要であり社内外での認知度・影響力を持つことは CCoE 活動を円滑に進めるためには欠かせない、だからこそインフルエンサー集団であること、をポイントとして挙げられていました。
私自身も CCoE をやる上で最も重要だと思っていたことでしたので非常に共感できる内容でした。
アルファス株式会社 福田 遥さん
続いては今回 CCoE 研究分科会の SGM になりましたアルファス株式会社福田さんの登壇です。
福田さんの考えるさいきょうの CCoE は「企業規模、特徴、ビジネス・モデルなどによって最適な CCoE は異なる」ので「自社にあった CCoE のあり方を他のメンバーを巻き込んで最適解を見つけることのできる仕組みを作る」ことができる人である、とのことでした。
先進的な CCoE をなさっている企業と比べるだけではなく、その取り組みを参考にしながら自社に適用する、ということは非常に重要ですよね。違いを受け入れて自分達にまずできることをする、それを PDCA で回していくことを実践し続けていくことで自社の浸透度を上げていくことは一朝一夕ではできず、根気強い活動が必要になると思います。今後の福田さんのアウトプットが非常に楽しみな LT と感じました。
株式会社NTTデータ 飯島 徹さん
この日のトリを飾ってくださったのは NTT データの飯島さん。飯島さんも新たに CCoE 研究分科会の SGM に加わってくださった一人です。
タイトルから惹きつけられてしまいますね。
飯島さんの考える「最強になる条件」は下記を兼ね備えた人、とのことです。
- 強い意志を持ったリーダーがいる
- 自社のことをよくわかっている人がいる
- CCoE 2人状態を素早く抜ける
所属している企業からアサインされたメンバーの場合、CCoE をやりたいのではなく本当はソフトウェア開発などをやりたいモチベーションがある、という方も多く、そういった方々はやりたいことをやれないというモチベーション低下によって転職してしまう割合も多いとのことです。
そうならないためにも「1人ぼっちにしない」状態、できれば 5〜6 人にすることまでいかに早く回すかは大事なポイントとのこと。
「分かる」「分かる」「分かる」と聴きながら10回くらい頷いている自分がいました(笑)
おわりに
このブログを読んでいただいてありがとうございました。
今年最初の MeetUp で LT 9 本とフルスロットルで走り始めた CCoE 研究分科会の今後の活動は非常に楽しみで期待しかない、そんなイベントとなりました。
ちなみに最初に入れた誕生日は何に使われたかと言いますとまさかのこのブログの執筆担当でした!
ブログ執筆の栄誉を勝ち取ったとポジティブに捉えて一生懸命書かせていただきましたので心の中で
「Happy Birthday」
と言っていただけますと幸いです。
お知らせ
CCoE として活動を始めた、あるいはこれから始めるという方は、情報収集や相談の場として Jagu’e’r の CCoE 研究分科会を活用いただければと思いますので是非ご検討ください。
※このブログに掲載している内容は参加者個人の見解であり、その組織を代表するものではありません。
Jagu’e’r CCoE研究分科会
Satoshi Karasuyama (03-13 Birthday)
Hikaru Imai (03-02 Birthday)
Keisuke Awata (03-10 Birthday)
Reference:
*1: 「DXを成功に導くクラウド活用推進ガイド CCoEベストプラクティス」
*2: 「CCoE 国勢調査報告」。この内容は CCoE 研究分科会のみならず、2022年10月に行われた Google Cloud Next’22 でもキーセッションで発表されました。